49歳・市川由紀乃、卵巣がん摘出手術と治療へて2年ぶり独唱会「夢のよう…奇跡です」

演歌歌手の市川由紀乃(49)が6日、東京・丸の内の国際フォーラムホールCで、「市川由紀乃 リサイタル 2025 『新章』」を開催した。卵巣がんで昨年6月に活動を休止し、摘出手術と抗がん剤治療をへて、今年3月に活動を再開した。リサイタルは約2年ぶりで、満員の約1500人を前に熱唱した。(取材・文=笹森文彦)

2年ぶりにリサイタルを開催した市川由紀乃【写真:ENCOUNT編集部】
2年ぶりにリサイタルを開催した市川由紀乃【写真:ENCOUNT編集部】

今年3月に活動再開

 演歌歌手の市川由紀乃(49)が6日、東京・丸の内の国際フォーラムホールCで、「市川由紀乃 リサイタル 2025 『新章』」を開催した。卵巣がんで昨年6月に活動を休止し、摘出手術と抗がん剤治療をへて、今年3月に活動を再開した。リサイタルは約2年ぶりで、満員の約1500人を前に熱唱した。(取材・文=笹森文彦)

 オープニングで、特大の筆で文字を書く和装の市川の映像がスクリーンに流れた。暗転後、「新章」の大きな文字が映し出された。市川本人が考え、大筆で書いたリサイタルのタイトルだ。

 市川は開演前の取材で「新たな歌手人生の始まり、決意をリサイタルのタイトルにしたいと思いました」と話した。

「いろいろな経験があったから、新しい由紀乃を届けられます」

 リサイタル開催は約2年ぶり。前回はデビュー30周年イヤーのメインイベントだった。タイトルは「市川由紀乃 リサイタル 2023 ソノサキノハジ真利」だった。「その先の始まり」を片仮名と本名(村松真利)で表現した。市川は「これから歩む自分、ありのままの自分らしい歌手人生を、どうか見守ってほしい」という思いを込めていた。

 しかし、『その先』にあったのは、卵巣がん治療のための活動休止だった。6時間に及ぶ摘出手術と5か月間の抗がん剤治療。それに耐えて、今年3月にテレビ出演で活動を再開。5月には「ただいま!」と題したソロコンサートもスタートさせた。

 リサイタルとは、複数人が出演するコンサートとは違い、市川だけが主人公の独唱会。開演前には「ドキドキ、ワクワクの新鮮な思いで舞台に立たせていただきます」と話していた。

 市川の人気と演歌歌手としての地位を不動にしたヒット曲『命咲かせて』でスタート。オリジナル以外では、尊敬する歌手ちあきなおみの歌世界を表現。『サムライ』(沢田研二)の世界観を軸にした歌謡ミュージカルにも挑戦した。

抗がん剤治療の影響「指にしびれ」

 クライマックスは「女性の奥底に眠っている(ものを歌う)楽曲が好き。その世界を追求したい」と話す市川らしく、女の情念をセリフ入りで歌い上げた。

『雪恋華』では、純白の着物から黒い着物ドレスに早替わりして、雪が舞う演出の中で熱唱。観客から、万雷の拍手が巻き起こった。

 抗がん剤治療の影響で「まだ指にしびれがある」というが、「いつかなくなる」と前向きにとらえている。

「昨年の今ごろは抗がん剤治療をしていました。そんな日々を過ごしていたので、リサイタルは夢のようです。奇跡です」

 口調は喜びと自信に満ちあふれている。文字通り、市川の「新章」が幕を開けた。

次のページへ (2/2) 【写真】市川由紀乃が大筆で書いたリサイタルのタイトル「新章」
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