松村沙友理“AIみたいな人間になっていた”過去 乃木坂46卒業直前に出会った作品で「感情を取り戻した」

俳優、モデル、アパレルブランドのプロデューサーなど、マルチに活動する松村沙友理が、映像配信サービス・Leminoのオリジナルドラマ『今日もふたり、スキップで』(10月4日から独占配信中)で白洲迅とダブル主演を務めている。ものすごい愛氏による共感型エッセー『今日もふたり、スキップで ~結婚って“なんかいい”』の実写化で、松村と白洲が共通の魅力である“自然体”で夫婦役を演じた。「こういう結婚をしてみたい!」と作品に共感した松村に、作品の見どころ、自然体に生きる秘けつを聞いた。

インタビューに応じた松村沙友理【写真:舛元清香】
インタビューに応じた松村沙友理【写真:舛元清香】

Leminoオリジナルドラマ『今日もふたり、スキップで』インタビュー

 俳優、モデル、アパレルブランドのプロデューサーなど、マルチに活動する松村沙友理が、映像配信サービス・Leminoのオリジナルドラマ『今日もふたり、スキップで』(10月4日から独占配信中)で白洲迅とダブル主演を務めている。ものすごい愛氏による共感型エッセー『今日もふたり、スキップで ~結婚って“なんかいい”』の実写化で、松村と白洲が共通の魅力である“自然体”で夫婦役を演じた。「こういう結婚をしてみたい!」と作品に共感した松村に、作品の見どころ、自然体に生きる秘けつを聞いた。(取材・構成=イシイヒデキ)

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――原作や脚本を読んで、作品にどんな印象を持ちましたか。

「大きな事件が起こるわけではないのですが、日常の小さな出来事、私自身にも起きているかもしれないことに気づかせてくれる作品だと思いました。見逃してしまうような小さな幸せは、『確かに』と感じることがたくさんあり、映像になるのが楽しみです」

――平凡な結婚生活を演じていかがでしたか。

「結婚のドロドロした部分が描かれた作品が多い中で、『人と暮らすのってどうなんだろう?』と思っていたのですが、この作品に出会って、ただ2人で買い物袋を持って歩いているだけでも楽しい、困難を乗り越えてでも夫婦で一緒に寝ようとする姿が理想的で、『こういう結婚をしてみたい!』と感じました」

――白洲さんとは初共演でしたが、どんな撮影になりましたか。

「いろんな人に気遣いができる人間の感情や行動に敏感な方で、白洲さんのおかげで撮影をスムーズに進めることができました。今回は日常を描いた作品ということもあり、役を作りすぎるのも違うと考えていたので、フラットなまま白洲さんとの掛け合い、『会話の中で生まれるものを感じてみたい』と思い、まっさらなままで撮影に臨みました」

――作品での夫は、松村さんにとっても理想のパートナーでしたか。

「妻を演じて、夫の接し方が心地よかったし、『いいな』と思う部分がたくさんあったので、『自分の理想の人は、こういう人なのかもしれない』という感覚がありました。妻の個性を否定しないところがあり、妻がやってみたいこと、不機嫌になって外に出ていってしまった時も、妻はそういう人間だと受け入れてくれる。相手のことをただすわけではなく、妻とどうやって生きていくのか考えてくれる夫で素敵でした」

――思いやりのある夫ですが、松村さんが日常生活の中で「思いやり」という点で気をつけていることはありますか。

「もともと自分の意見を言わないタイプだったのですが、意見をよく言うようになりました。芸能の仕事をしていて、私が決めた方が親切だったり、円滑に進む場面が多いと思ったからです。それはアイドルを卒業してから意識的にやっています。大所帯のグループで活動していたので、意見を言わない方がうまく物事が進む場面もあったのですが、今は一人になり『これがいいです』『私はこれが好きです』と、はっきり言うようにしています」

自然体に生きる秘けつを語った【写真:舛元清香】
自然体に生きる秘けつを語った【写真:舛元清香】

映画『ずっと独身でいるつもり?』出演が転機に

――松村さんの「自然体」という魅力も見られる作品となっていますが、自然体に生きる秘けつを教えてください。

「周りの目を気にしないことです。もともと『いい人に思われた方がいいのかな?』と考えるタイプだったのですが、演技のお仕事をさせていただくようになってから、気にしなくていいことを気にして仕事に集中できない経験がありました。そこで『私はこういう人間!』というのを意識的に作って、それが自分の中で自然体になったと感じています」

――数多くの作品で多彩な役柄を演じてきましたが、俳優としての意識が変わった作品は。

「私は進路や未来のことを考えずに乃木坂46を卒業することを決めてしまったのですが、卒業する直前に撮影した映画『ずっと独身でいるつもり?』(2021年、ふくだももこ監督)は、あのタイミングで出会うことができて良かったと感じています。共演者の方や監督をはじめとするスタッフさん、素敵な方に出会えて、撮影中は自分でいろんなことを考えました。考えないようにするくせがついて、“無の世界”で生きていた自分があの作品で感情を取り戻しました。その前は、『やりたいこともない、好きなこともない、でも、嫌なこともない』というAIみたいな人間になっていたので、あの作品に出会って、感情の捉え方、物事の考え方を思い出すことができて良かったです」

――来年は乃木坂46オーディション合格から15周年を迎えます。今、やりたいことはありますか。

「今、言われるまで何も気にしていませんでした(笑)。ずっとお世話になっているファンの方に向けては何かをやりたいので、15周年とさゆりんごを掛けて、いちごとりんごの爆食いイベントしたいです!」

□松村沙友理(まつむら・さゆり) 1992年8月27日、大阪府出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格し、デビュー。中心メンバーとして活動し、21年7月にグループを卒業。同年からファッション誌・BAILAのレギュラーモデルに就任。JAグループのお米消費拡大アンバサダーとしても活動し、22年には自身がプロデュースするアパレルブランド・LANTINAMを設立した。164センチ。血液型B。

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