超とき宣・坂井仁香、「テレビが友達」だった少女時代 国民的アイドルを目指すようになったワケ
アイドルグループ・超ときめき▲宣伝部(▲はハートマーク、通称:超とき宣)の坂井仁香は、グループ結成時からセンターポジションを担ってきた。ソロ活動でもドラマやバラエティーなど幅を広げており、存在感を発揮する。今回、自身の少女時代を振り返るほか、前身の『ときめき▲宣伝部』時代から今年10周年を迎えたグループへの思い、アイドルとしてのこだわりまで赤裸々に語った。

「友達がいなくて、外で遊んだこともなかった」
アイドルグループ・超ときめき▲宣伝部(▲はハートマーク、通称:超とき宣)の坂井仁香は、グループ結成時からセンターポジションを担ってきた。ソロ活動でもドラマやバラエティーなど幅を広げており、存在感を発揮する。今回、自身の少女時代を振り返るほか、前身の『ときめき▲宣伝部』時代から今年10周年を迎えたグループへの思い、アイドルとしてのこだわりまで赤裸々に語った。(取材・文=大宮高史)
「部長のかなみん(辻野かなみ)はいつも優しくて考え方も大人なので、彼女の包容力に癒されています。ジュリア(杏ジュリア)は、発想が豊かで刺激を受けることも多いです。おはる(小泉遥香)は歌唱力がすごいし、上手いだけでなくて“イケメンボイス”なところが好きです。あきちゃん(菅田愛貴)はとびきりかわいいのはもちろん、仕事1つひとつに謙虚で真面目なんです。そして同学年のひよりん(吉川ひより)は、仲間でもあり良きライバルです。面白くてトークも上手で、一緒にいると楽しくなる、周りをハッピーにしてくれる子です」
そうメンバーの魅力をたっぷり語る坂井は、辻野・小泉・吉川とともに2015年4月のときめき▲宣伝部結成当時からの一員だ。担当カラーはずっと情熱的なレッドで、立ち位置もセンターを続けている。
――芸能界入りのきっかけは、小学5年生の時、スカウトだったそうですね。どんな少女時代を過ごしていましたか。
「今の私からは想像もつかないと思うんですが、本当に友達がいなくて、外で遊んだこともほとんどない、“ぼっち”で陰キャでした。テレビがお友達でした」
――思いもよらない感じですね。では、アイドルになりたい、という夢はあったのでしょうか?
「実は幼稚園の頃は元気な子で、その頃は、七夕の短冊にも卒業アルバムにも『アイドルになりたい』って書いていました。でも、小学校に上がって『これは普通にかなう夢じゃないんだ』って現実を早くも知りました」
――「Seventeen」での専属モデル経験もあるのに、意外な過去ですね。
「今でこそ宣伝部員さん(超とき宣のファンネーム)に『一軍女子だったでしょ?』と言っていただきますが(笑)、正反対です。アイドルを諦めてキャビンアテンダントになりたいと思った時期もあったんですが、勉強に自信がなくて、その夢もなくなり……。スカウトされてからも普通の中高生時代を送っていました」

「精神的に子どもだったなって思います」
小学5年生の時にスカウトされて、スターダストプロモーションに所属すると、事務所の女性グループ『私立輝女学園』での活動を経て、2015年4月に、ときめき▲宣伝部のメンバーに選ばれる。当時5人体制でセンターにも抜擢。そのポジションに苦悩したが、前を向き努力したことで、今の坂井を築いた。
「まず、歌が上手くないし自信もなかったので『落ちサビ(最後のサビ前のパート)でソロがもらえない』『歌割りが少ない』って悩んだ時期もありました。精神的に子どもだったなって思います。逆に今は、ものすごいプレッシャーを感じています。『なんでこの子がセンターなんだ』って思われたくないし、しっかり最後までやり遂げなくちゃいけないという気持ちが強いです」
――センターでカラーもレッドとなると、いかにも“エース”のポジションですが、重荷もあったのでしょうか。
「そうだと思います。でも過去の苦悩もあったから、今の私があると思っています。自分の理想のアイドル像を実現したくて走り続けてきました。メンバーから『仁香がセンターだから頑張れてます』って言われた時はうれしかったですし、ファンやメンバーの期待をこれからも裏切りたくないです。グループが大きくなってきたからこそ、もっとパフォーマンスのレベルを上げていかなくちゃいけないなと思っています」
――そんな坂井さんにとって”理想のアイドル”とは。
「具体的に“この人”という特定のモデルがいるわけではないのですけど、私は少女漫画より少年漫画を読んで育ってきたんです。だから少年漫画の主人公のような、どんな時も前向きで周りを引っ張っていけるアイドルを目指してきました。“〇〇さんのようになりたい”ではないからこそ、『まだ足りない。もっと上に行きたい』と自分を奮い立たせられるんです」
――そんな理想をもって前へ進む中で、共に歩むメンバーの存在は、どのように映っていますか?
「皆のことが大好きですし、それぞれの良さがあって、尊敬できるところがあります。個性は違うけど、メンバーが頑張ったことが必ずグループのためにもなるので、無理に同じ方向を向く必要はないと思っています」
――6人の中で、坂井さんの個性を挙げるなら?
「“負けず嫌い”ですね。できないのが悔しいし、ライブの本番が終わるとすぐ『次成功するにはどうしよう』と上手くいかなかったところに意識が向かいます。他にも、TikTokでどの素材を使おうかとか、どんな順番で投稿しようかとかも、スタッフさんに具体的に提案することもあります。10年間、自分たちで作り上げてきたグループですし、後から『あの時こうすればよかった』って後悔したくないんです。アイドルでいられる間は、私の理想を追い求めていきたいです」
――では、超とき宣としてのこれからの目標は。
「嵐さんのような、誰もが知っている国民的アイドルになること、そして“いて当たり前”の存在になりたいです。テレビでどのチャンネルをつけても見ることができて、過去の私のような、テレビが友達だった子とか、さらには世界中に、本気で元気を届けていきたいです」
――今、セブンイレブンに行くと写真プリントサービス『シェアプリント』のCM『#きみのときめきをシェアプリ』も店頭展開していて、本当にどこでも見られる存在に近づきつつあります。
「もっともっと見られる機会を増やしたいです。まだ『とき宣の赤の子』『センターの背が高い子』で覚えてもらっている方も多いので。でも名前がわからなくても気になってもらえるのって、私たちの伸びしろもあるってことだと思います。自分で限界を決めず、理想のためにこれからも努力し続けていきます」
□坂井仁香(さかい・ひとか)2001年7月25日、神奈川県生まれ。2014年4月に番組内で結成された「私立輝女学園」に加入し、2015年4月同グループから派生した、ときめき▲宣伝部のメンバーに選ばれる。同年にファッション誌『Seventeen』の『ミスセブンティーン』グランプリを獲得し、同年10月号から2021年4月号まで専属モデルを務める。また同年4月から2023年3月までフジテレビ系『めざましテレビ』でイマドキガールを務めた。2020年4月に、ときめき▲宣伝部から、超ときめき▲宣伝部に改名。担当カラーは超ときめき▲レッド。164センチ。
