【ばけばけ】初回いきなり“キス”の舞台裏 台本では手の甲も…高石あかりは「本気で照れています」
俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(9月29日スタート、月~土曜午前8時)。制作統括・橋爪國臣氏と演出の村橋直樹氏が取材に応じ、初回を中心に作品に込めた思いなどを語った。作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫とともに、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。トキの幼少期を福地晴美が演じる。

トキの幼少期演じる福地晴美は674人応募のオーディションで選出
俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(9月29日スタート、月~土曜午前8時)。制作統括・橋爪國臣氏と演出の村橋直樹氏が取材に応じ、初回を中心に作品に込めた思いなどを語った。作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫とともに、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。トキの幼少期を福地晴美が演じる。
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初回では阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子が蛇、木村美穂が蛙の声を担当しナレーションのような形でトキとヘブンについて語り、見守る様子が描かれた。
橋爪氏「物語を伝えるにあたり、ナレーション的な形で伝える人が必要という話を脚本家・ふじきみつ彦さんとしました。トキについてはコメディータッチで描いてはいますが、結構つらいことも経験します。そこを明るく応援してくれるようなスパイスがあればいいなという話になり、ふじきさんの方から出たのが蛇と蛙のアイデアでした。しかも阿佐ヶ谷姉妹で、とご提案をいただきました」
どうして蛇と蛙なのか。なぜ阿佐ヶ谷姉妹?
橋爪氏「小泉八雲さんの家の庭に蛇と蛙が住んでいたんです。その蛇と蛙を小泉八雲さんもセツさんも気に入っていていろんな文書が残っています。池にいる蛙を蛇が食べようとして、かわいそうだと思って自分が食べていたステーキを蛇にあげて、食べている間に蛙が逃げられるようにしたとか。なので、蛇と蛙に2人を見守ってもらえるとうれしいなと思ったのが理由です。阿佐ヶ谷姉妹が演じて応援してくれる形になればドラマも楽しくなるし、視聴者に寄り添ってくれる面も。2人はふじきさんが昔から一緒に仕事をしていて、ふじきさんの本をよく知っている方々ですからお願いしました」
蛇が渡辺で蛙が木村の理由はどうだろう。
橋爪氏「これがこうと言うより自然とそうなった感じです」
オープニングのタイトルバックに語りという表示はない。蛇と蛙の役として阿佐ヶ谷姉妹の名前があるだけだ。
橋爪氏「連続テレビ小説の第1作はほぼ半分ぐらいがナレーションで進んでいました。その後、代々、語りが使われていましたが、語りという形で何かを語っていくよりは、物語の中にいて、ちゃんと一緒に登場人物として見守ってほしいという思いがあり、あえて語りとは表示せず蛇と蛙にしました」

『ばけばけ』は「2人のラブストーリー」
初回の序盤、トキの口かと思いきや、ヘブンがおでこにキスをするシーンがあった。おでこでも朝ドラ初回の序盤でキスシーンは珍しい。台本には手の甲にキスとあったが……。
村橋氏「蛇と蛙が2人を見てドキドキするリアクションが入っていると思いますが、手の甲だとゆっくりキスしにいっても最初から手にいっているように見えてします。ちゃんと顔に近づいていくように見えて、その流れでおでこという形にしました。口と口は朝ドラではやりすぎかと思いますし、ほっぺも生々しい。かわいく見えるのはおでこかなと。台本の手の甲というト書きはあくまでイメージ。ふじきさんのイメージも顔が近づいていって……、ということだと理解し、あの流れにしました」
そのシーンの効果をどう感じているのだろう。
村橋氏「高石さんが本気で照れています。手の甲だとああいう芝居にならかったと思います。実は初回の設定は長年連れ添った夫婦なんです。トキが30代後半で、結婚後10年近い時間がたっているシーン。この2人はそれだけ時間がたってもずっと新鮮な夫婦関係が続いたことが伝わるようにという狙いがありました」
橋爪氏「小泉セツさんの夫との回想記『思い出の記』を全出演者にもお渡ししていますが、私たちのバイブルのようなもので、その空気感で制作を進めています。『ばけばけ』は大きく言うと2人のラブストーリー。この先もラブストーリーは続いていきます。その宣言として初回でラブストーリー的展開が続くことを示せたと思います。怪談もずっと出てきますが、ただ怖い話ではなく2人の愛の言葉のように聞こえるとうれしいです」
第1週の後半までは主人公のトキの幼少期を子役の福地美晴が演じる。福地の起用理由、も聞いてみた。
橋爪氏「オーディションを行い674人の応募者から選びました。芝居が素晴らしいし、あの年齢(10歳)でここまで読めるのかと思うほど台本を読み込んでいて、それを表現する力もありました。年齢の割には完成されたお芝居をするし、かわいらしさもあって、しじみ汁を飲んで『あー』という姿がとってもかわいいです。現場でもすごいムードメーカーになってくれました」
村橋氏「高石さんがセリフのない場面でもいろんな表情をする方で、そんな人につながる子がいないかなと思ってオーディションを見ていました。当然、セリフをちゃんと覚えて芝居をしますが、それ以外のところでも大人たちの芝居を見て自分で考え、反応して芝居をしていたのが福地さんでした。高石さんにも通じると思いました」
※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか
