結成5周年BUDDiiS、9人体制で初公演 新展開へ「大泣きしたこともあります。でも、本当に幸せです」【ライブレポート】

9人組DIYダンスボーカルグループ・BUDDiiSが、20日、21日の両日に神奈川・横浜アリーナでワンマンライブ「BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -」を開催した。結成5周年を迎え、今月から新たに始まった9人体制で挑んだステージ。ENCOUNTは、20日の模様をレポートする。

「BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -」を開催したBUDDiiS【写真:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ】
「BUDDiiS vol.10 – COSMiiC -」を開催したBUDDiiS【写真:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ】

横浜アリーナでワンマンライブ2DAYS

 9人組DIYダンスボーカルグループ・BUDDiiSが、20日、21日の両日に神奈川・横浜アリーナでワンマンライブ「BUDDiiS vol.10 – COSMiiC -」を開催した。結成5周年を迎え、今月から新たに始まった9人体制で挑んだステージ。ENCOUNTは、20日の模様をレポートする。(取材・文=生島マキ)

 定刻の午後4時に会場が暗転。中央ステージの巨大モニターに映し出されたのは、惑星や銀河が広がる背景でのメンバー紹介。「COSMiiC」のタイトル通り、観客を一瞬にして宇宙空間へと誘った。順番に9人の姿が映し出されると悲鳴のような歓声が上がり、被せるように無機質な機械音声が響き渡った。

「コズミックを開始します」

 その声とともに、手袋をはめる9人の手元がアップで映され、まるで宇宙船に乗り込むクルーのようにメインステージに姿を現した。きらびやかな白い宇宙服風の衣装に身を包んだ9人がそろった瞬間、鳥肌が立つほどの迫力とともに会場は割れんばかりの喜びに包まれた。

 オープニングを飾ったのは『SHINE ON!!』。青いレーザーと客席のペンライトが交錯し、壮大な物語の幕開けを告げるかのようにアリーナは一気に熱狂の渦へ。続けて『koi to me』から3曲目までを一気に歌い上げ、4曲目『YO HO』を前にリーダーのFUMINORIが叫んだ。

「横浜アリーナ! Are you ready?」

 そのかけ声と同時に9人は花道を駆け抜け、アリーナ中央のセンターステージへ。モニターには“祝5周年”の文字と大輪の花火の映像が広がり、イントロに合わせて打ち上がる花火の効果音が加わった。ここまでに、ブルー、パープル&オレンジ、ピンクと曲ごとに色を変えるステージライト、それに合わせてバディ(BUDDiiSのファン)のペンライトが波打つようにシンクロし、序盤から壮大な一体感を生み出した。

 会場を一つにした後は、VR映像でメンバーがバーチャルレースに挑む遊び心あふれるVTR演出へ。バディ(BUDDiiSファンの総称)の笑いを誘った後は、FUMINORI、FUMIYA、SHOW、SEIYAによるアグレッシブなヒップホップ調の『Mr.Freak Out』が炸裂。黒を基調とした衣装にチェンジした9人がステージに揃うと、会場の熱気はさらに加速していった。

 序盤の熱気をへて、熱くなりすぎた空気を和らげたのは8曲目『RUN』の終わりだった。FUMINORIが発した「飛ばしすぎたー」で、会場に笑いが広がった。ここで最初のMCと自己紹介タイムに。MORRIEは「やばい。僕の代わりに自己紹介やってください。今日も元気に、モリモリー!」と客席にコールを促し、アリーナライブに全メンバーのテンションが最高潮であることを示した。

 MCの途中、KEVINが「さっきの『RUN』は僕とSHOOTで作ったんだ」と明かすと、会場から驚きの声が上がった。その空気を受けて、MORRIEが目を丸くすると、「あっ! お兄ちゃんを忘れてた!」とKEVINが叫び、観客は大爆笑。すかさず、KEVINが「今度は一緒に作ろうね」とフォローを入れ、仲良し兄弟MORRIE&SHOOTにKEVINを加えた3人で、そのまま『わがまま』をしっとりと歌い上げた。

 続く『Lack』では再び9人がステージにそろい、MORRIEがSHOOTをバックハグする色っぽい場面もあった。

 その後は一転して明るい『Magi』や、チーズポーズがかわいい『HOT CHEESE』など、遊び心のある楽曲で会場を弾ませた。バーチャルゲーム映像の続編が流れると、特攻音とともに衣装を新たにした9人が再び登場。今回のライブではビジュアル面でも大胆な変化を見せ、6時間かけて髪をレッドに染めたFUMIYAや、この日のためにピンクヘアに挑戦したSHOWが観客を沸かせた。カラフルなジャケットやデザインニットはまるでファッション誌から飛び出してきたかのようで、華やかさ満点の後半戦の幕を開けた。

 ここで、結成5周年記念日にリリースされた新曲『Dear』を初披露。ファンの喜びが大きな拍手と歓声となって会場を包み込んだ。続く『OZ』、さらに『The One!』では歌詞に合わせて観客が「ONE!」と大合唱し、アリーナはまさに一つに。このパートでは、『Under The Sea』や『Utopia』といった人気曲を織り交ぜたメドレーも披露され、ボルテージはどこまでも上がっていった。

 TAKUYAの「ここまでどうでしたかー!」という呼びかけに、バディが「楽しいー!」と応える。『BLUE SODA』では、SEIYAが全身でノリを表現し、FUMINORIが「随分、楽しそうだね」と笑いながらツッコミを入れる場面も。メンバーと観客の熱気が溶け合い、盛り上がりは最高潮に達した。

5周年を迎えたBUDDiiS【写真:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ】
5周年を迎えたBUDDiiS【写真:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ】

積み重ねてきた苦労とDIY精神

 ラストナンバーは再びの『Dear』。色とりどりのペンライトが波のように揺れ、レーザーとともに広がる光景は圧巻だった。そして、未来への跳躍を誓うように、9人が全身で思いを届けて後半戦を締めくくった。

 アンコール直前には、メンバーがそれぞれバディへ感謝の言葉を伝えた。YUMAは「応援してくれるこの空間が幸せですし、それに少しでも恩返ししていきたいです」とまっすぐに語った。SHOOTは「活動開始からコロナ禍になり、思うように進めない時期もありました。辛いこともありました。でも、こうしてバディと一緒にこの景色を見られて本当に幸せです」と言葉を重ね、会場は温かな声援に包まれた。

 ラストのラストでは、FUMINORIが言葉を詰まらせながらもこう語った。

「BUDDiiS、5周年を迎えることができて本当にうれしいです。今回のアリーナの3公演(横浜と大阪)は覚悟を持って挑み、その初日です。この5年で変わったこともありました。メンバーみんなで大泣きしたこともあります。でも、こうしてバディが来てくださることが本当に幸せです」

 結成5年でアリーナ規模に到達したBUDDiiSの道のりは、決して平坦ではなかったという。2024年には日本武道館2DAYSを即完させ、この春には海外8都市ツアーを成功。だが、その裏には積み重ねてきた苦労とDIY精神、ファンを大切にする姿勢がある。さらにこの日は、来年からソニー・ミュージックレーベルズと契約することも発表された。新たな展開を迎える9人。この夜が、その起点になった。

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