「私たちも食べますが…」オーストラリア人が日本の朝食会場で戸惑い “定番おかず”に衝撃

日本らしい朝食は何かと聞かれれば、旅館で出てくるような和食を挙げる人が多いのではないだろうか。炊き立てのご飯と温かいみそ汁を中心にした朝食だ。一方で、海外から日本を訪れた旅行客からすると、この伝統的な朝食は驚きを誘うこともある。オーストラリアから来日した2人組は、日本の“定番おかず”に圧倒されたという。「朝食に食べることはありません」。食文化の違いを鮮明に実感した体験とは――。

オーストラリアから初来日した2人【写真:ENCOUNT編集部】
オーストラリアから初来日した2人【写真:ENCOUNT編集部】

最も心を揺さぶられたのは広島と長崎の記念碑

 日本らしい朝食は何かと聞かれれば、旅館で出てくるような和食を挙げる人が多いのではないだろうか。炊き立てのご飯と温かいみそ汁を中心にした朝食だ。一方で、海外から日本を訪れた旅行客からすると、この伝統的な朝食は驚きを誘うこともある。オーストラリアから来日した2人組は、日本の“定番おかず”に圧倒されたという。「朝食に食べることはありません」。食文化の違いを鮮明に実感した体験とは――。

 初来日した2人は日本に6週間滞在。最も心を揺さぶられたのは広島と長崎だった。平和記念公園を訪れ、展示や記念碑を見学。その内容に強い衝撃を受けた。

「とても悲しくて胸が動かされました。私たちが生まれる前の出来事。両親でさえ当時は若かった。本当にひどい歴史の一部です」

 オーストラリアを含む英語圏の歴史教育では、しばしば「原爆投下は戦争を終結させた大きな要因」として教えられることが多いと話す。

 実際に足を運んだ被爆地で、原爆の悲惨さを目の当たりにし、平和の尊さを考えさせられた。

「もし日本やドイツが最初に爆弾を手に入れていたら、彼らが戦争に勝っていただろう。しかし、実際にはアメリカが最初に爆弾を手に入れたため、アメリカが戦争に勝った」と神妙な表情で語った。

 日本で印象的だったのは、ほかにもあった。

 まず挙げたのは、日本の風景だった。

「都市が密集し、人が多い国」というイメージを抱いていたものの、いったん都市部から離れると、移動するたび目に飛び込んできたのは山の連なりだった。

「日本の国土の7割が山と聞いて驚きました。農場が少なく、食べ物をどこで育てているのか不思議でした」と率直な感想を口にした。

 オーストラリアの大地は広大で、地平線まで広がる農場が日常の光景。日本は限られた土地を工夫して使い、棚田や都市近郊の畑で食料を生産しているが、米や野菜を除き、輸入に頼っていることは否めない。

 そして、食事にも驚かされたことがあった。

 旅館やホテルで提供される和食のプレート。その食卓に、文化の違いがはっきりと表れていたという。

「私たちは普段、朝食に魚を食べることはありません。魚は種類によって大丈夫なものもありましたが、あまり好きではないものもありました」

 焼きしゃけを始め、干物や粕漬け、みそ煮など、魚は日本の伝統的な朝食に欠かせない食材だ。ご飯に合うことを想定しているため、濃い目の味付けになることが多い。家庭でも、朝から焼き魚が出されることは珍しくない。

 一方、オーストラリアの朝食はまるで異なる。シリアルやトースト、卵料理が主流で、魚が登場することはまずないと説明した。

「私たちも魚を調理して食べますが、日本の魚はとても強い味のものが多いです。サバは味がかなり濃いですね。私たちの国の魚は、それほど味が強くなくて、もっとあっさりしています」

 朝食会場で感じた“戸惑い”も、今は旅の思い出。彼らにとっては新鮮な発見となった。

次のページへ (2/2) 【写真】オーストラリア人が驚いた日本の“朝食”
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