「ダンガンロンパ」最新作は『2』原作で新シナリオも収録 盛り上がりの背景と“特異な立ち位置”への期待感
スパイク・チュンソフトのハイスピード推理アクション「ダンガンロンパ」シリーズから、『スーパーダンガンロンパ2×2』(Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch / PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Steam)が2026年に発売される。人気シリーズの第2作目『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』(ダンガンロンパ2)を原作とした最新作であり、任天堂の新作情報番組「Nintendo Direct 2025.9.12」で発表された。

第1作から正統進化を遂げたシリーズ第2作を原作とした最新作
スパイク・チュンソフトのハイスピード推理アクション「ダンガンロンパ」シリーズから、『スーパーダンガンロンパ2×2』(Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch / PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Steam)が2026年に発売される。人気シリーズの第2作目『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』(ダンガンロンパ2)を原作とした最新作であり、任天堂の新作情報番組「Nintendo Direct 2025.9.12」で発表された。
(※以下、「ダンガンロンパ」シリーズのネタバレを含む記述があります)
「ダンガンロンパ」は非常に人気の高いシリーズであり、スピンオフを含めて各作品に熱心なファンが存在する。その中でも、『ダンガンロンパ2』は高い評価を得ている作品だ。それだけに、今回の発表は大きな反響を呼んでいる。本稿では『ダンガンロンパ2』の魅力をあらためて振り返るとともに、『スーパーダンガンロンパ2×2』に期待するポイントを紹介したい。
前提として、「ダンガンロンパ」シリーズはどの作品も「クセがあって魅力的」なキャラクターたちに彩られており、『ダンガンロンパ2』も例外ではない。ただ、1作目の成功を受けて“奇抜さ”と“現実味”のバランスがさらにブラッシュアップされている印象で、実際に彼/彼女たちのような「超高校級の◯◯」が存在するわけはないのに、どこか身近に感じさせる。
発売当時は現在ほど“キャラ推し”の文化が発展していたわけではないにもかかわらず、それぞれのキャラクターが明確な個性を持ち、時にはタイトル以上に“個”として支持されてきた。特に狛枝凪斗と七海千秋は発売から13年が経った今でも高い人気を誇り、リメイク版でも活躍を期待する声が大きい。
また、アドベンチャーゲームに分類される以上、当然ながらシナリオも重要であり、言うまでもないかもしれないが、『ダンガンロンパ2』はシナリオも良質だ。シリーズの性質上、完全なハッピーエンドはありえない中で、登場人物たちの交流や緊迫の学級裁判を通して、各キャラクターや舞台となる南の島・ジャバウォック島の秘密に迫っていく。テーマや事象は“重い”ものも多いのだが、テンポの良い展開やリズミカルな掛け合いもあり、物語を読み進める手は止まらなくなる。
正直に告白すると、第1作目では学園という閉鎖空間での緊張感を楽しみ尽くしていただけに、『ダンガンロンパ2』をプレイする前は「明るい南国が舞台でも楽しめるのだろうか」と危惧していたが、杞憂に過ぎなかった。カラフルで明るい舞台設定は、暗い&重いテーマを中和すると同時に、明暗のコントラストによってストーリーの深みを生み出すことにもつながっていた印象だ。
ここまでに挙げた魅力であるキャラクターとシナリオの両面に共通するのは、第1作の成功にあぐらをかかず、本当の意味での“正統進化”をさせているという点。主人公(というよりもほぼ全キャラクター)・舞台の両方が変更となりながら、「理想的な続編」の事例とされることが多い理由でもあるだろう。

期待値の高い「原作シナリオと同程度」とされる新シナリオ
『スーパーダンガンロンパ2×2』の発表にあたって、最も注目されているのは「クロ(※)や被害者、トリックがまったく異なる新シナリオを収録。ボリュームは原作シナリオと同程度」とされている部分だろう。本作が「リメイク」ではなく「最新作」と表現されている理由でもある。
※クロ=犯人のこと。
シリーズファンからすれば、「ダンガンロンパ」の新シナリオを楽しめるというだけでも垂涎もの。それに加えて、『ダンガンロンパ2』のキャラクターがそのまま登場するとなれば、これだけ話題を呼ぶのも頷ける。
場合によっては敬遠されることもある「同じキャラクターでの新シナリオ」という部分が特に歓迎される理由としては、シリーズの都合としてキャラクターの生存率が低く、せっかく気に入ったキャラクターでも途中退場してしまう割合が高いこともある。前述のように、『ダンガンロンパ2』はシリーズ中でもキャラクター人気が高い作品だけに、「原作では途中退場した“推し”が生き延びる世界線」を望む声が多くなるのも当然だろう。
すでに「ダンガンロンパ」公式Xの返信欄や引用欄、YouTubeのコメント欄などでは、さまざまなキャラクターの運命が変化することを希望したり、予想したりする内容があふれている。こうした盛り上がりを見て楽しむことができるのも、“人気作を原作とした最新作”という特異な立ち位置の強みであり、シリーズが積み上げてきた実績のなせる業とも言える。
また、当然ながらビジュアルや演出は現行機向けに刷新される。ティザートレーラーを見る限り、会話画面でのキャラクターの動きやマップ移動の立体感が進化し、シリーズの“華”でもある学級裁判もパワーアップ。もともと現在プレイしても古臭さは感じないタイプの作品だったが、より多くの人に勧めやすい形になっているのではないか。
プレイ済みの層には、進化したビジュアルで登場人物たちに再会する楽しみと、かつて夢想したような展開に期待しながらの新シナリオを。原作未プレイの層には、魅力的なキャラクターたちとの新たな出会いと、異なる2つのストーリーを。『スーパーダンガンロンパ2×2』への期待値は、これから新情報が出てくるたびに上がっていきそうだ。
