マック限定ポケモンカード、発売1か月後も“10倍価格”で取引 高額販売の実態とは
日本マクドナルドのハッピーセット「ポケモン」による“ポケカ騒動”から9日で丸1か月を迎えた。8月9日から3日間限定で販売すると、付属した限定デザインのポケモンカード目当てに、初日から客が店舗に殺到。カードだけ抜き取り食品が破棄されるなど、各地でトラブルを引き起こした。現在、あのカードはどうなっているのか。都内のトレーディングカード専門店を回ると、ハッピーセットの価格の約10倍で販売されていることが分かった。

8店舗中、3店舗で販売が確認できた
日本マクドナルドのハッピーセット「ポケモン」による“ポケカ騒動”から9日で丸1か月を迎えた。8月9日から3日間限定で販売すると、付属した限定デザインのポケモンカード目当てに、初日から客が店舗に殺到。カードだけ抜き取り食品が破棄されるなど、各地でトラブルを引き起こした。現在、あのカードはどうなっているのか。都内のトレーディングカード専門店を回ると、ハッピーセットの価格の約10倍で販売されていることが分かった。
今回配布されたカードは1パック2枚入りで、必ずオリジナルイラストのピカチュウ1枚と、全5種類の中からランダムで1枚が封入。購入制限として「1人5セットまで」とのルールが設けられていた。ハッピーセットはハンバーガーの種類などにより、510円から540円で販売された。
あれからカードはどうなっているのか。
ENCOUNT編集部が9月5日、都内のカードショップ8店舗を訪ねたところ、うち3店舗でカードの販売が確認できた。
ある店舗では、未開封パックが1つ5000円(税込)で、開封済みのピカチュウカード1枚でも4000円の値が付いていた。コレクション需要を狙った取引が中心で、店員は「在庫はあるが店頭には並べず、購入希望者はスタッフに声をかけてほしい」と話し、水面下での高額取引が行われていることをうかがわせた。大量の在庫を抱えつつも、あえてショーケースには出さない対応も見られた。
別の店舗では、ショーケースに約20パックが並べられ、未開封パックは3780円で販売されていた。
また、未開封パックを4780円、開封済みのピカチュウカードのみを4280円と設定していたショップでは、「コレクション目的で購入する人が多い」と説明。いずれの店舗でも、需要の高さを反映した強気の価格設定となっていた。
カードを巡っては、騒動の余韻を警戒し、当初はしばらく店頭での公開を控えるとする店もあった。時間が経過し、落ち着きが見えてきたことから、本格的に取引が始まった形だ。公式販売は終了しており、カードの希少性が増すにつれ、価格は上昇するとみられている。とはいえ、ハッピーセットの約10倍もの価格で売られているのは異常事態と言えるだろう。
マクドナルドは騒動を受け、ハッピーセットの見直しに着手。8月29日から販売を予定していたハッピーセット「ワンピースカードゲーム」、「ほんのハッピーセット『シナモロールとあそぼう!』」(絵本は9月12日に延期)といったキャンペーンを実施しないことを発表している。
限定カードの高騰化は、それだけ転売ヤーがもうけているという証しだ。通常のポケモンカードも高額取引が話題となるが、今回のようにファストフード商品に付属する形で提供されたケースは、子どもから大人まで幅広い層の関心を集めたことが背景にある。さらなる対策が求められそうだ。
