元神奈川県警「胸毛ポリス」胸毛の悩みを抱えた1年のリハビリ【連載vol.6】
大日本プロレスの「胸毛ポリス」植木嵩行が、9・9東京・新木場大会で昨年の9・9鹿児島大会以来、ちょうど1年ぶりに復帰。左ヒザ前十字靭帯断裂と半月板断裂の大ケガから見事なカムバックを果たした。
金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
大日本プロレスの「胸毛ポリス」植木嵩行が、9・9東京・新木場大会で昨年の9・9鹿児島大会以来、ちょうど1年ぶりに復帰。左ヒザ前十字靭帯断裂と半月板断裂の大ケガから見事なカムバックを果たした。
昨年10月に、3時間に及ぶ手術を受け、その後リハビリに励んで来た。当初、今年の11月に復帰予定だったのだが、2か月も早くリングに戻ってきた。
「思ったより早い復帰です。うれしい気持ちでテンションも上がりますが、緊張もしています」と、いささかナーバスになっていたが、高橋匡哉、佐久田俊行と血みどろブラザーズを復活させ、伊東竜二、アブドーラ・小林、沼澤邪鬼組と対戦した。
手荒い「歓迎」に、早速、血だるまにされてしまった。「流血していないので、たまっちゃって大変です。少し血を減らさないと」と笑っていたものだが、すぐに心配はなくなった。
試合に敗れたものの、体中に突き刺さる蛍光灯の破片の感触を楽しみ、久々のリング、久々のデスマッチを心ゆくまで味わった。
プロレス入り前には、神奈川県警に勤務していた変わり種。川崎駅前交番で市民の安全を守っていた。敬礼ポーズが決まっているのも、本物だからであり「確保!」のかけ声も堂に入っている。
元警官そして植木と言えば「胸毛」。先輩レスラーたちからは「何かこう、ケモノの臭いがするんですよ」と敬遠されていたが、本人は得意げに胸毛をたなびかせていた。みっしりと黒々と密集しており、試合中に狙われることもしばしば。復帰戦ではタンクトップを脱がされることはなく、無事だったが、胸毛への想いは熱い限り……。
自慢の胸毛の異変が欠場中の悩みだった。「全体量は増えたのですが、生えてくるのは弱々しい胸毛ばかり」とうなだれ「試合でこすれて抜けてしまうのは仕方ないのですが、暴れないと胸毛にも勢いがなくなってくるんですね。前の濃さを取り戻せるかと思っていたのに、試合してないと弱くなっちゃうんですかね。意外なことに……人体の神秘ですね」とぼやいていた。