山田洋次監督、『男はつらいよ』制作は「だんだん辛くなった」 公開当時の裏話を披露

映画『男はつらいよ』シリーズのファン感謝祭イベントが27日、都内のMOVIX亀有で開催され、同作の生みの親である山田洋次監督、俳優の笹野高史、北山雅康が登壇。制作時の裏話や主人公の“フーテンの寅”車寅次郎を演じた渥美清さんとのエピソードを披露した。

ファン感謝祭イベントに出席した山田洋次監督【写真:ENCOUNT編集部】
ファン感謝祭イベントに出席した山田洋次監督【写真:ENCOUNT編集部】

第1作は1969年8月27日に劇場公開

 映画『男はつらいよ』シリーズのファン感謝祭イベントが27日、都内のMOVIX亀有で開催され、同作の生みの親である山田洋次監督、俳優の笹野高史、北山雅康が登壇。制作時の裏話や主人公の“フーテンの寅”車寅次郎を演じた渥美清さんとのエピソードを披露した。

『男はつらいよ』の第1作は、1969年8月27日に劇場公開。客席を埋め尽くした寅さんファンの拍手に迎えられた山田監督は、「もう今日が第1作の封切りの日なんだそうだけども、何十年前も昔で忘れてしまうくらい、遠い遠い昔のことになってしまいました」としみじみ。「第1作を作った時は本当に不安で、コメディアンの渥美さんが主役なんだし、笑えない映画だったら失敗かな……と不安な思いで初日を迎えました」と当時の思いを明かし、「プロデューサーから電話がかかってきて『みんな笑っているよ』と聞いて、信じられない思いで新宿の映画館に駆けつけたのが何十年前の今日のことでした」と振り返った。

『男はつらいよ』シリーズ12作品に出演している笹野の起用については、「監督にとっては、こういう俳優さんがいるのはありがたい。脚本を書いていて笹野さんのイメージが浮かぶと、彼でいけると筆が走るんです。本当に助かる俳優さんです」と称賛。笹野は「アングラ出身の俳優ですけど、いつ『男はつらいよ』に出られるんだろうというのを夢にみんな頑張っていました。『渥美さんのお膝元に行きたい』と思っていたんですけど、雲の上の存在でした」と話すと、山田監督は「でも、その渥美さんに言われたんですよ。『笹野はおもしろいよ』って」と明かし、笹野を感激させた。

 会場のファンが「監督にとって、この作品はどんな作品ですか?」と質問すると、山田監督は「寅さんを含めて、ああいう人間を描きたかった。ああいう人間が好きで、おもしろくて、それを描くのが僕の仕事だよね。寅さんがいて、さくらがいて、美しい人が現れて、それを考えるのが楽しくて、おもしろかった」と言及。「僕にとっては楽しい、おもしろい仕事だし、面白くなきゃいけない。ワクワクするように作りたいといつも思うけど、作っているうちにキツくなったり、だんだんつらくなった。だけど本当は喜んでないといけない。そういう矛盾を感じながら作って来ました」と回想した。

『男はつらいよ』は、人々を笑いと涙で包み込み、ギネスブックに認定され、総観客動員数8000万人を超える国民的映画シリーズとなった。

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