車好きの米国人観光客、トランプ関税でも揺るがない“日本車信仰” 憧れる“究極の1台”「いつか大金を手に入れたら」

トランプ関税により、自動車業界が大揺れの中、日本車へのニーズは変わらず高いと思い知らされるのが外国人の反応だ。燃費がよく、安全で、壊れないというイメージは、多少価格が高くなっても簡単に変わるものではないだろう。来日した車好きのアメリカ人に聞くと、いつか手に入れたい夢の日本車があると教えてくれた。

車好きのロビーさん【写真:ENCOUNT編集部】
車好きのロビーさん【写真:ENCOUNT編集部】

「ワイスピTOKYO DRIFT」に憧れ来日 愛車はジープ・ラングラー

 トランプ関税により、自動車業界が大揺れの中、日本車へのニーズは変わらず高いと思い知らされるのが外国人の反応だ。燃費がよく、安全で、壊れないというイメージは、多少価格が高くなっても簡単に変わるものではないだろう。来日した車好きのアメリカ人に聞くと、いつか手に入れたい夢の日本車があると教えてくれた。

 米フロリダ州オーランドから初来日したロビーさんは、旅行で日本に2週間滞在。東京のほか、松本、大阪を回る予定を立てている。

 取材をしたのは秋葉原だった。肉を食べないロビーさんは、ベジタリアン向けのラーメンに舌鼓。お土産にはユニクロのシャツを大量購入するなど、物価の安さも相まって、快適な日々を過ごしている。「大阪ではお菓子をたくさん買おうと思っています。キャンディーやキットカットも」と笑顔を見せた。

 そんなロビーさんは、大の車好きだ。

「実は、映画『ワイルド・スピード』の『TOKYO DRIFT』のロケ地を見に行きたかったんです。どこで撮影されたのか見に行きたくて」

 俳優ヴィン・ディーゼル主演の映画『ワイルド・スピード』(原題はThe Fast and the Furious)シリーズは、世界的に人気の高いカーアクション映画。2006年に制作された『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は、東京が舞台で、日本に溶け込むドリフト文化にも焦点を当てている。

 作品には渋谷や新宿など都内のスポットや街並みが映し出され、日本の有名スポーツカーも登場し、激しいバトルを繰り広げる。自動車ファンにはたまらない内容の映画だ。

 影響力のあるシリーズで、日本がフォーカスされたのも、アメリカやドイツと並ぶ自動車大国だから。「走り」をテーマにしたアニメや漫画も数多く、長年育まれた独自のカルチャーは、カーマニアな外国人観光客にとって、日本を訪れる理由の一つになっている。

 母国ではジープ・ラングラーに乗っているロビーさん。

 一方で、スポーツカーへの憧れを持ち、気になっている日本車もあるという。

「日産のGTRとか本当に好きなんです。日本の車で一番好きですね。欲しい? ええ。いつか大金を手に入れたら」

 2007年から発売している日産GT-Rは、最新モデルで1444万3000円からという日本を代表する高級スポーツカー。先代車種のスカイラインGT-Rは『ワイルド・スピード』シリーズで何度もスクリーンに映し出された結果、中古車の価格が急騰するなど、国際的な売れっ子モデルとなった。26日に生産終了が発表されたが、「技術の日産」の歴史を詰め込んだ究極の1台だ。

「見た目がかっこいいんです。スタイルとか、その他もろもろですね」と、ロビーさんは魅了されている。

 銀座には、ユニークなカフェを備えた日産のギャラリーもあり、展示車を見学する外国人の姿が目立つ。

 また、旅行客の間では、“聖地”大黒パーキングエリア(PA)の知名度も高い。週末の夜になると、気合の入った日本の車見たさに、多くの外国人が出入口付近に詰めかける。見物客が殺到するあまり、マナーがたびたび問題になるほどだ。

 車が好きならば、好みの日本車を借りて、日本のあちこちをドライブするのも楽しみ方の一つ。

 今回は国際免許を取得しなかったロビーさんは、「日本で運転してみたかったんですけど…次はそうします!」と、早くも将来の再訪を約束していた。

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