Netflix、前回TV視聴率40%超連発のWBCを独占配信へ 日本での加入者1000万人超…激増の可能性も

来春に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、米動画配信大手のNetflixは26日、日本での独占パートナーシップ契約を結んだと発表した。これにより、国内では同社がWBC全47試合を独占生配信することになった。現状、地上波での放送は困難とみられている。

NetflixがWBC全47試合を独占生配信することが決定した
NetflixがWBC全47試合を独占生配信することが決定した

決勝日本-米国42.4% テレ朝「推計5463万9000人が視聴」

 来春に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、米動画配信大手のNetflixは26日、日本での独占パートナーシップ契約を結んだと発表した。これにより、国内では同社がWBC全47試合を独占生配信することになった。現状、地上波での放送は困難とみられている。

 この発表を受け、WBCの東京ドームにおける本大会1次ラウンド(R)東京プール、計10試合をWORLD BASEBALL CLASSIC INC.(WBCI)とともに主催し、各試合の運営や興行を担っている読売新聞が声明を出し、衝撃契約の経緯を発表した。

「前回2023年のWBC1次ラウンド東京プールの試合中継は、WBCIが当社を通じ、国内の複数の民間放送局及び海外の配信事業者に放送・配信権を付与し、地上波の番組での生中継が実現されました。しかし、本大会では、WBCIが当社を通さずに直接Netflixに対し、東京プールを含む全試合について、日本国内での放送・配信権を付与しました」

 その上で「WBCは、世界一流の野球選手がナショナルフラッグを背負って世界一を目指す特別なイベントであり、野球ファンに限らず内外の多くの方々を魅了する貴重な国際大会です。当社は今後も東京プールの主催者として、多くの方々に本大会を楽しんでいただけるよう引き続き努めてまいります」と宣言。「なお、NHK及び民間放送各局は、報道目的での試合映像は放映できますので、テレビニュースでは従来どおり試合のハイライトをご覧いただけます」としている。

 23年の第5回大会では、プライムビデオのネット配信で中継されたが、地上波でも放送。テレビ朝日系とTBS系が事前の協議で担当試合を決め、編成していた。そして、第1次Rから平均世帯視聴率で40%超の高視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を連発。平日の午前に放送された決勝・日本-米国でも42.4%といった異例の数値をマークしていた。

 地上波の放送局ではなく、Netflixが独占生配信の契約を成立させた背景にはWBC放送権料の高騰があるとみられる。1997年に米国で設立したNetflixは07年に動画配信を始め、15年に日本進出。映画やテレビ番組を定額で見放題とした事業戦略が好評で、190以上の国・地域で展開している。日本では24年上半期に加入者が1000万人を突破し、「全世界では3億人を超えた」とされている。

 また、近年はスポーツコンテンツにも力を入れ、日本の元トップアスリート25人によるフィジカルサバイバル番組『ファイナルドラフト』を制作し、今月12日から世界同時配信。大リーグのレッドソックスに密着したドキュメンタリー作品も配信している。

 なお、WBC第5回大会では、決勝当日の午前中に生放送したテレビ朝日が「全国で推計5463万9000人が視聴」と発表。午後7~10時に緊急編成した録画放送したTBSは平均世帯視聴率22.2%、平均個人視聴率14.0%をマークし、「全国で推計4183万8000人が視聴と判明」としていた。前回、投打の二刀流で優勝に貢献した大谷翔平(ドジャース)の出場も期待される中、国民の関心度は非常に高いまま。大会日本が勝ち進んでいけば、Netflix加入者が激増する可能性もある。

<WBC中継 歴代平均世帯視聴率ベスト10>
(1)2023年 準々決勝日本-イタリア(3月17日午後7時9分~)48.0%(テレビ朝日)
(2)2023年 1次R日本-韓国(3月10日午後7時37分~)44.4%(TBS)
(3)2006年 決勝日本-キューバ(3月21日午前10時45分~)43.4%(日本テレビ)
(4)2023年 1次R日本-オーストラリア(3月12日午後7時8分~)43.2%(テレビ朝日)
(5)2023年 1次R日本-チェコ(3月11日午後7時9分~)43.1%(テレビ朝日)
(6)2023年 準決勝日本-メキシコ(3月21日午前8時25分~)42.5%(TBS)
(7)2023年 決勝日本-米国(3月22日午前8時25分~)42.4%(テレビ朝日)
(8)2023年 1次R日本-中国(3月9日午後8時9分~)41.9%(TBS)
(9)2009年 2次R日本-韓国(3月20日午後1時54分~)40.2%(TBS)
(10)2009年 1次R日本-韓国(3月7日午後6時55分~)37.8%(テレビ朝日)

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