「アメリカの物価高、すごいです」 大谷翔平観戦の家族旅行は衝撃の旅費…「やっぱり日本は素晴らしい」

世界的な物価高が続く中でも、「子どもたちに経験を」。この夏、覚悟を決めて海外旅行を決行した。米大リーグで活躍するドジャース・大谷翔平の試合観戦をメインに据えた米国旅行。大リーグが好きで海外志向の強い中2息子、英語に興味津々の小5娘、妻と家族4人で、「かなりいっちゃいました」。周囲も驚がくする旅費になった。子どもたちが一生懸命に英語でコミュニケーションする姿に感動。我が子の成長も垣間見れた。大奮発した夏休みについて、スポーツ観戦マニアで50代サラリーマンの父親に振り返ってもらった。

試合前からドジャースタジアムを満喫【写真:本人提供】
試合前からドジャースタジアムを満喫【写真:本人提供】

子どもたちが一生懸命に英語でコミュニケーションする姿に「感動」

 世界的な物価高が続く中でも、「子どもたちに経験を」。この夏、覚悟を決めて海外旅行を決行した。米大リーグで活躍するドジャース・大谷翔平の試合観戦をメインに据えた米国旅行。大リーグが好きで海外志向の強い中2息子、英語に興味津々の小5娘、妻と家族4人で、「かなりいっちゃいました」。周囲も驚がくする旅費になった。子どもたちが一生懸命に英語でコミュニケーションする姿に感動。我が子の成長も垣間見れた。大奮発した夏休みについて、スポーツ観戦マニアで50代サラリーマンの父親に振り返ってもらった。

 日本のお盆休みのタイミング。米国カリフォルニア州で、大谷のホームラン連発とピッチャー先発の“二刀流”を、目の前で堪能した。ロサンゼルスを中心にサンタモニカのビーチなども回り、6泊8日の旅程を終え、今月15日に日本に帰国。「最高の旅になりました。でも、アメリカの物価高、すごいです。衝撃でした」。お金に関する感想が口をついて出た。

 大谷の試合観戦は、大谷がエンゼルス時代の一昨年にアナハイムで、個人旅行で経験済み。一方で、今回の家族旅行にはある反省があった。

「大リーグファンの息子がヤンキースの主砲アーロン・ジャッジが見たいということで、5月の時期に親子2人でニューヨーク旅行を計画しました。ただ、100万円超えの見積もりになってしまい。息子に『夏のロサンゼルス旅行があるからお父さん節約したい。ごめん』と直前に断念したんです」。息子の落胆した顔を見て、後悔にさいなまれた。

 普段から航空会社のマイレージ会員のサービスを活用。飛行機代は貯めたマイレージを使おうと手続きを進めたが、うまく取れず。

「結局、飛行機代は実費になりました。時間の正確性や安全性を考慮して直行便。エコノミークラスです。飛行機代は、33万円×3人、26万円×1人で合計125万円になりました」

 昨年6月取得のパスポートなのに息子が成長して顔が変わり過ぎてしまったのか、空港の入国審査で別室に案内されるといったハプニングがありながらも、無事に米国に入国。序盤は家族が熱望したサンタモニカのビーチなどを満喫した。「ホテルの朝食はビュッフェスタイルでおいしくいただきました。気付いたことがあって、アジア系・欧米系の観光客、みんな節約に励んでいたんです。いいのか悪いのか、朝食会場のパンやバナナを持って帰ったり、ペットボトルにミネラルウォーターを注いだり。ちょっと驚きました」。

 翌日は最新鋭の自動運転の“無人タクシー”を経験。ロサンゼルスのダウンタウンに移動した。時差ぼけもあってレストランには行かず、夜はホテルのルームサービスを利用。ここで洗礼を浴びた。「フライドポテト添えの普通サイズのハンバーガーとチキン5個と唐揚げ7個の3皿の料理で1万9500円でした。いやあ、高かったです」。

エンゼルススタジアムでは3試合を生観戦【写真:本人提供】
エンゼルススタジアムでは3試合を生観戦【写真:本人提供】

大当たりレストランも「アメリカ旅の中で一番おいしかったと妻子が申しておりました」

 3日目、いよいよドジャースタジアムでの試合観戦だ。モーニングは「ホテルに案内されたレストランに行ったのですが、参りました。アボカド乗せトースト1枚、お茶わん1杯分のグラノーラ、パンケーキ3枚、サンドイッチ、コーヒー2杯、オレンジジュース2杯で1万6500円。全くお腹が満たされませんでした」。家族全員で絶句したという。

 試合はデーゲーム。球場内グルメは、チップ込みでポップコーン2800円、ビール500ミリ缶1本3450円だった。大谷の41号ホームランに大興奮。さすがに疲れたため、この日もルームサービス。「前夜と同じようなメニューで同じぐらいの金額で……。宿泊代はサンタモニカが4人で1泊10万円。ダウンタウンも10万円×2泊。でも、朝食なし(笑)。観戦チケットは、バックネット裏中段で4人で15万円でした」。

 次の試合開催地である、エンゼルスの本拠地アナハイム(ロサンゼルス中心部から約40キロ)へ。移動前のダウンタウンのランチは日本企業「グローバルダイニング」のグループが経営するレストラン「Settecento」に足を運んだ。前菜とピザかパスタを選ぶ形式で、「4人で2万円。日本と比べると高額ですが、ロサンゼルスでこの値段のこの価格は最高でした。アメリカ旅の中で一番おいしかったと妻子が申しておりました」と大満足だった。

 アナハイムでは3試合を観戦。スペシャルな体験の連続だった。「全試合、開場時間の午後5時に球場に入り、練習から見に行ったのですが、外野席まで飛んできた“ホームランボール”を、グラブをつけた息子が2つ取りました。42号、43号ホームランを放った大谷、先発登板した山本由伸投手の躍動を目に焼き付けることができました。アナハイムでは、グラウンドに近い位置で選手たちと交流ができる座席があります。値段は張るのですが、アナハイムの1日目と3日目、僕と息子の2人で座席を予約しました。選手たちと短く会話したり、サインをもらったり。息子はドジャースのタイラー・グラスノー投手や多くの選手に話しかけて、サインをもらっていました。大谷や山本選手も間近で見ることもできて、感動しました。日本が元気のない中で、世界一の活躍を見せ続けている。大谷選手は日本の誇りです。それに、1席15万円ですが、その価値は間違いなくあります。ちなみに、2年前に観戦した時から8万円ほど高くなっていましたが……。妻と長女はバックネット裏の2列目で観戦。アナハイム1日目の試合はテレビ中継に映っていたそうです」。

 ホテル代は1泊4人で4万円。エンゼルスタジアムの“スタジアム飯”は、ホットドッグ3つ、ピザ2枚、コカ・コーラZEROで合計1万円だった。「ホテルは朝食・プール付きで、日本人の観戦客、外国観光客でにぎわっていました。あと、やはり朝食ビュッフェ会場では、節約の光景を見かけました。シェフがパンケーキを焼いてくれるのですが、そのまま袋に入れて持ち帰る観光客がいました(笑)」。

 ホテルはエンゼルスタジアムから徒歩圏内。「最終日の帰国便は、試合が行われる日の深夜出発でした。1泊分を払って、ホテルに戻ってシャワーを浴びて荷物をまとめて、夜にチェックアウトして空港に向かいました。お金はかかりますが、確実性を取りました」。空港のラウンジで、家族でゆったりしながら出発までの時間を過ごすことができた。それに、「宿泊先でチェックインの時に、娘に朝食とプールの利用時間についてスタッフに英語で聞いてもらったんです。現地の従業員から『You are cool.』と褒められて、自信につながったようです」。生の英会話。子どもたちはかけがえのない人生経験を得ることもできた。

アメリカ旅の中で一番おいしかった「Settecento」のピザ【写真:本人提供】
アメリカ旅の中で一番おいしかった「Settecento」のピザ【写真:本人提供】

「お父さんはもっともっと頑張って働かないと」

 気になる旅費はどこまで膨れ上がったのか。ホテル代46万円、飛行機代125万円、野球チケット代128万円、交通費、家族おそろいTシャツといったドジャースタジアム応援グッズなどを含めると、約320万円だった。

 どうして、ここまでのお金をかけて、経験を“買う”のか。「僕自身、もともと人生において体験を重視してきました。アメリカのベストセラー本『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』を読んで、今しかできないことにためらわずお金を使うという考えに共鳴しました。子どもたちには早い段階で、世界を知ってもらいたい、一流に触れるという親としての考えもあります。著名人の名言からもよく勉強させてもらっていますが、『ゴゴスマ』司会でフリーアナウンサーの石井亮次さんの言葉で、『お金は5Kにかけよう。経験、家族、健康、感謝、教育です』。この考えはいいなと思って、実践しています」。

 海外から日本に帰ってきて、改めて、日本のよさを痛いほど実感した。「こんなに安くておいしいものを日々食べることができている。日本はホスピタリティーもサービスも最高水準です。アメリカに滞在中、ホテルやレストラン、球場含めてウォシュレット機能付きトイレに一度も出会わなかったです。世界中に普及させたいと思いましたね。あと広い湯船のお風呂も」。そして、「不景気が続いてなかなか給料が上がりませんが、やっぱり日本は素晴らしい国だと感じます。子どもたちには、これからもより多くの貴重な経験をさせてあげたいですね。お父さんはもっともっと頑張って働かないと。そう思っています」と力を込めた。

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