原田龍二「僕は泣くお芝居ができない」、主演映画での涙のシーン裏側を告白
戦後80周年平和祈念映画『ハオト』(丈監督)の公開記念舞台あいさつが9日、都内の池袋シネマ・ロサで行われ、俳優の原田龍二、高島礼子、三浦浩一らキャスト陣が登壇。長崎に原爆が落とされた8月9日に、本作に込めた思いを語った。

2005年に創作舞台として上演された『ハオト』が映画化
戦後80周年平和祈念映画『ハオト』(丈監督)の公開記念舞台あいさつが9日、都内の池袋シネマ・ロサで行われ、俳優の原田龍二、高島礼子、三浦浩一らキャスト陣が登壇。長崎に原爆が落とされた8月9日に、本作に込めた思いを語った。
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本作は、太平洋戦争末期の東京郊外にある精神病院を舞台に、病院内との対比で外界の狂気を問うテーマを、シリアスなだけでなく、ユーモアとサスペンスとファンタジー要素も織り交ぜで描いた物語。2005年に創作舞台として上演され、戦後80周年を迎えて映画化となった。
元エリート海軍兵・水越義和役の原田は、「この作品は一昨年、ほとんどの撮影を長野県の佐久市で行い、昨日から公開になりました。ようやく日の目を見ることになり、みなさんの前に立てることをうれしく嬉しく思っています」とあいさつ。監督から直接オファーがあったことを明かすと、「最初はふざけているのか、もてあそんでいると思ったのですが、『以前に舞台で上演したことがある。この作品で僕は勝負を懸けたい』という一文があり、本気であることが伝わってきました。僕も一蓮托生で頑張らせていただきますということでお受けしました」とエピソードを明かした。
特攻隊の弟・正和(石田隼)が出撃するシーンでは、水越が涙を流す姿が見る者の心を打つ。このシーンについては、「自分で高めたというより、軍服を着た石田君を見て、このシーンはうまくいくと直感で思いました。自慢じゃないけど、僕は泣くお芝居ができない。あれは単純に原田龍二がそこにいて、石田君の感情を僕が受け取った場面でした」と裏話を披露した。
現場で2人の熱演を見届けた高島も、「全集中の2人でした」と集中力を称賛。「その日、撮影は押していて、ヘリコプターや車の音が邪魔をして何度も撮った。でも2人の集中力がすごくて、私にも緊張感が伝わってきた。その間は一言もしゃべれませんでした」と振り返った。
20年前に舞台版で主演を務め、本作では閣下を演じた三浦は、「今日は長崎に原爆が落とされた日です。原爆で多くの方の命が失われた。そういう話をすると、切なくなってきますが、ときどきは戦争があって、多くの人たちが命を失った事実に触れる時間を持たなければならないと思っています」と話し、「僕たち俳優ができることは、こういう映画を通して人様の心に伝える、それしかできないのですが、この映画が少しでも多くの方に見ていただけるように願っています」と思いを伝えた。
舞台あいさつには、金城大和、石田隼、マイケル富岡、丈監督も登壇した。
