柴咲コウ、愛の伝え方に悩み「センシティブな話をしているとウルウルきちゃう」
俳優の柴咲コウが7日、都内で行われた映画『兄を持ち運べるサイズに』(11月28日公開、中野量太監督)の完成披露上映会舞台あいさつに、満島ひかりと共に登壇。同作に出演したことでの気づきを語った。

演技している自分を客観視「プライベートな顔を切り取ってもらった」
俳優の柴咲コウが7日、都内で行われた映画『兄を持ち運べるサイズに』(11月28日公開、中野量太監督)の完成披露上映会舞台あいさつに、満島ひかりと共に登壇。同作に出演したことでの気づきを語った。
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中野監督5年ぶりの最新作は、作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ『兄の終い』をもとに映画化。絶縁状態にあった兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間を描いた。柴咲は、主人公の理子を演じる。
撮影を経て「家族とのあり方は見てきたけど、直視はできていなかったことに気付かされた」という柴咲は、「家族もこの映画を見るので、見てもらったら家族会議をしたいなって思います」と口に。さらに「家族や大切な人に伝えられていないこと」についてトークする場面では、「この映画をきっかけに、自分の不器用さ、口下手さが目につくようになった」と明かし、「役、作品を通じて、家族や大切な人に愛を伝えられていないことがズシンときている。でも、いきなり『愛している』っていうのは気持ち悪いじゃないですか。この作品が『どうしていこうかな』っていう気づきを与えてくれました」と話した。
続く満島は「肉体が存在する間に伝えられることはあるかなって。いなくなって祈ることはどんどん美しくなるから簡単になるけど、いる間に何ができるのかなってのは、家族に限らず考えました」と吐露した。これを聞いた柴咲は「こういうセンシティブな話をしているとウルウルきちゃう。あふれてきちゃう」と感動していた。
また、すでに同作を鑑賞しているという柴咲は、見た感想を「いつもだったらあまり客観的に見られないんですが、なぜか今回はそういうのが全くなく、村井理子を演じているところを自分と切り離して見られた。家族のことで悩んだりしている人物を演じられていて、1人の人間ができていると思って、不思議な感覚でしたね」と述べた。
続けて、客観的に見られた理由を「プライベートな顔を切り取ってもらっていたから」と自己分析し、「これはお芝居の域を超えている気がするんですよね。監督からは『柴咲さんの今までにない姿を撮りたいんです!』と言われていたので、まさに切り取っていただけたなって」と感慨深い表情で語っていた。
舞台あいさつには、青山姫乃、味元耀大、中野監督も登壇した。
