「鬼畜すぎる」嘘の記述も…? ユニークなファミコンソフトの「説明書」3選
2023年で40周年を迎えた「ファミリーコンピュータ」には豊富なソフトがあり、中には漫画やアニメのキャラや著名人、映画とコラボしたものも登場した。最近では「クソゲー」といわれるタイトルや、ユニークなゲーム性などに目が向けられがちだが、実は「説明書」も掘れば掘るほど面白いものがある。そこで今回は、改めて読むと新たな発見があるファミコンソフトの説明書に注目しよう。

説明書なのにプレイヤーを騙しにかかってる?
2023年で40周年を迎えた「ファミリーコンピュータ」には豊富なソフトがあり、中には漫画やアニメのキャラや著名人、映画とコラボしたものも登場した。最近では「クソゲー」といわれるタイトルや、ユニークなゲーム性などに目が向けられがちだが、実は「説明書」も掘れば掘るほど面白いものがある。そこで今回は、改めて読むと新たな発見があるファミコンソフトの説明書に注目しよう。
最初に取り上げるのは、任天堂の代表的な横スクロールアクションゲーム『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)の説明書。同作の説明書には「ものがたり」という世界観を紹介するページがあるのだが、意外と知られていない設定が登場する。
そもそも同作は、キノコたちが住む王国に強力な魔法を操る「大ガメクッパ」の一族が侵略した世界。説明書によると、「おとなしいキノコ一族は皆その魔力によって岩やレンガ、つくしなどに姿を変えられてしまった」とのこと。ということはマリオを操作して何気なく破壊しているレンガは、かつてのキノコ一族になり、マリオによってその命を奪っていることになる。冷静に考えれば、ポップな見た目の世界観に反して残酷な設定だ。
また説明書では敵キャラも紹介しているのだが、有名な雑魚キャラ・クリボーの箇所には「キノコ王国を裏切った悪いキノコ」という説明が。裏切り者であれば、遠慮なく踏んでしまっても問題ないだろう。
ほかの知らなかった設定は「クッパの魔法を解いてよみがえらせることができるのはピーチ姫だけ」というもの。「クッパにさらわれるだけのキャラ」という認識のピーチ姫に、RPGでいうところの味方補助役のような能力があるのは意外だった。
続いて紹介するのは「嘘の記述がある説明書」で有名になった、トーワチキの『シャーロックホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』(86年)。というのも同作の説明書には「遊び方」というページがあり、そこには「IIコントローラーは使用しません」と確かに記載されているのだが、「コンテニューモードで再スタートの方法」では「IIコントローラーのABボタンと十字ボタンの右方向を同時に押す」との説明が。
さらに「終盤での部屋の通過」「パスワード入手」のためにもIIコンが必要になる。明らかに間違った記述がしてある説明書で、当時のプレイヤーやファミコンのコレクターからは「説明書も疑わないといけないって鬼畜すぎる」「むしろ騙しにかかっているレベル」といった声が上がっていた。
ここまでは説明書に面白い点があるソフトを紹介したが、元都知事として有名な舛添要一氏が監修した、ココナッツジャパンの『舛添要一 朝までファミコン』(92年)は付録の小冊子「舛添 BOOK」が印象的だった。
ビジネス社会を乗り越えるためのノウハウが記された「舛添 BOOK」では、ビジネスの場で欠かせない接待や会議などの傾向と対策を学ぶことができる。ところどころに舛添氏が登場する4コマがあって読みものとしても面白いものになっており、中でも“接待相手に自腹を切ってもてなしたら取引額が3倍になった”というエピソードは必見である。
最近では昔ほど自由度が高くないゲームの説明書。今回の記事で興味が湧いた人は、まず気になるファミコンソフトの説明書からチェックしてみてはいかがだろうか。
