今市隆二に関する対応に疑問の声 4月時点でLDHが事実と処分を明かさなかった理由とは【記者コラム】
大手芸能事務所・LDHは1日、警視庁に脅迫と暴行の疑いで警視庁に書類送検された三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル・今市隆二(38)について、当面の間、活動自粛にすると公式サイトで発表した。だが、事件は4月に発生。事実を確認した時点で、同社は「報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施した」としているが、それを7月31日までは公表せず、今市は活動自体を継続していた。コンプラアンス(法令遵守)が叫ばれる時代に、この対応は適切だったのかを考察する。

中居正広氏の問題が示した「示談しても表面化する時代」
大手芸能事務所・LDHは1日、警視庁に脅迫と暴行の疑いで警視庁に書類送検された三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル・今市隆二(38)について、当面の間、活動自粛にすると公式サイトで発表した。だが、事件は4月に発生。事実を確認した時点で、同社は「報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施した」としているが、それを7月31日までは公表せず、今市は活動自体を継続していた。コンプラアンス(法令遵守)が叫ばれる時代に、この対応は適切だったのかを考察する。(取材・文=柳田通斉)
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事件は発生から約3か月後の7月31日、書類送検によって表面化した。すぐに被害者側の弁護士が声明を出し、LDHも公式サイトで謝罪と被害者側に和解を申し入れている声明を出した。そこには「事実確認後、直ちにコンプライアンス委員会を開催し、本人に対して報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施いたしました」と記されていた。
この件を確認すると、LDH関係者は「プライベートの部分は自宅謹慎とし、仕事はしていました」と説明。現実に今市は、5月から7月にかけて開催されたライブツアーに出演していた。
ここで疑問なのが、「なぜ、4月の時点で事実と処分内容を公表しなかったのか」だ。その点を改めて聞くと、「示談交渉に入り、お互いに守秘義務が生じたためです」との回答があった。そして、交渉が継続する中で書類送検の事実が報道され、事件そのものが世に知れることになった。
確かに示談交渉中に詳細は明かせないだろう。だが、中居正広氏と元フジテレビアナウンサーAさんのトラブルを思い出してほしい。同件は示談成立後、週刊誌報道を機に表面化した。結果、中居氏が引退、フジは社長ら経営陣が退く大問題になった。つまり、「示談が成立しても事案を隠しきれない時代になった」ということだろう。
中居氏の事案を見ても分かる通り、水面下に隠れていたものが判明すると世論の目はより厳しくなる。今回についても、ネット上ではLDHについて「なんで4月から隠してたの」「対応が後手では」「バレていなかったらそのままにしてたのか」など、厳しい指摘が相次いでいる。
これらを踏まえると、4月に事案を把握して今市に非があると確認した時点で、LDH側は「今市の行為によって被害届が出された」「今市を報酬返上と自宅謹慎の処分にした」「被害者の方とは、誠意を持って示談交渉する」と発表すべきだったと思う。その場合、5月から7月にかけてのツアーに影響が出たことは間違いないのだが…。
ただ、今市の行為については今後も検証される必要がある。同事件の容疑は、今市がタクシー運転手に「殺すぞ」などと脅し、暴行をした疑いだが、LDH関係者によると、今市は暴言について「口論になった同乗者に向けたものだった」と説明。一方で、被害者側の代理人弁護士は「今市氏から一方的に行為を受けました」「示談金や解決金等の名目を含め一切の金銭請求や金銭提案をしたことはこれまでなく、金銭目的で被害届を提出した事実もありません」としているからだ。
この言い分の違いは、捜査機関のドライブレコーダーなどの分析や第三者からの証言で事実が見えてくるだろう。その上で、検察がどう判断するかも注目される。
