斎藤工主演ドラマで紅一点の刑事役、25歳女優・さかたりさの意外な素顔 中国にルーツ、農大卒、柔術紫帯「最初はイヤイヤ」

斎藤工&永尾柚乃が擬似親子役でタッグを組む、テレビ朝日系連続ドラマ『誘拐の日』(火曜午後9時)。今作で初の刑事役に挑んでいるのが、俳優・さかたりさ(25)だ。今年は映画『少年と犬』、Netflixドラマ『新幹線大爆破』など話題作が続いている。そんな新進女優はブラジリアン柔術の紫帯保持者。その意外な素顔とは……。

さかたりさの素顔に迫る【写真:増田美咲】
さかたりさの素顔に迫る【写真:増田美咲】

ドラマ『誘拐の日』出演「残念ながらアクションシーンはなかったです」

 斎藤工&永尾柚乃が擬似親子役でタッグを組む、テレビ朝日系連続ドラマ『誘拐の日』(火曜午後9時)。今作で初の刑事役に挑んでいるのが、俳優・さかたりさ(25)だ。今年は映画『少年と犬』、Netflixドラマ『新幹線大爆破』など話題作が続いている。そんな新進女優はブラジリアン柔術の紫帯保持者。その意外な素顔とは……。(取材・文=平辻哲也)

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『誘拐の日』は、娘の高額な手術費を確保するために少女・凛(永尾)を誘拐することになった新庄政宗(斎藤)が主人公。誘拐に成功するが、誘拐した少女は記憶を失った天才少女だと判明。さらに誘拐した少女の両親が何者かに殺害され、主人公は誘拐だけでなく殺人事件の容疑者となってしまった。主人公は少女と疑似父娘となって、身に覚えのない殺人事件の真相を解き明かそうとする……。

 さかたが演じるのは、事件の捜査に当たる川中署の刑事、古賀彩佳。江口洋介演じる捜査チームの紅一点で、男勝りのしっかり者だ。

「原作は韓国のドラマですが、すごく面白くて、全12話を1日でイッキ見しました。江口さんは雲の上の存在と思っていたのですが、江口さんの方から気さくに話しかけていただき、格闘技の話もさせていただきました。刑事役は初めて。ブラジリアン柔術が生かせると思ったのですが、残念ながらアクションシーンはなかったです」と笑う。

 ブラジリアン柔術は、柔道をルーツにブラジルで発展した寝技中心の格闘技で、関節技や絞め技に特化しているのが特徴だ。

「5年前、所属していた事務所から、“アクションを武器にしてほしい”と言われたのがきっかけです。最初はイヤイヤ始めたのですが、気づいたらハマっています。得意技は(片手片足で首を締める)カントチョークです(笑)。白帯・青帯・紫帯・茶帯・黒帯があるのですが、4月に紫帯に昇帯しました」

 さかたは熊本市出身の25歳。10代の頃は引っ込み思案な性格で、中学時代は学校に行きたくないと思った時期もあった。しかし、ドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』(2013年)で描かれた世界に憧れ、俳優を目指した。

「ドラマに元気をもらったんです。私も誰かの心を励ませるような存在になりたいと思いました」

 2015年には親に無断で、GirlsAward「すごい出口オーディション」に応募。準グランプリとワーナーミュージック・ジャパン賞をダブル受賞した。高2の時に地元の農業高校から都内の普通校に転校し、学業との両立を図りながら、芸能活動を本格化させた。

「通いやすいからという理由で農業高校に進んだのですが、普通校に行ってから、農業の楽しさに気づいて、農大に進学しました。引っ越してしまい、今はやっていませんが、一時期は家庭菜園にもハマっていました」

 最終学歴は東京農業大国際食料情報学部。「食品が生産されてから消費者に届くまでの過程」を学び、卒業論文では四国地方の雑穀「シコクビエ」を使い、水田と畑での栽培環境の違いを比較する研究を行った。

 芸能活動は10年目を迎えるが、キャリアが順風満帆だったわけではない。初期の事務所が解散したり、オーディションのチャンスが少なかったりと、壁にぶつかることも多かった。

「実は、23歳の時、辞めようと思ったこともあったんです」

転機は1本の中国映画「大きく心を動かされた」【写真:増田美咲】
転機は1本の中国映画「大きく心を動かされた」【写真:増田美咲】

母方の祖父が中国人、祖母がハーフという家系に生まれ、自身にも3/8の中国の血

 転機になったのは2023年、中国・雲南省への語学留学だった。母方の祖父が中国人、祖母がハーフという家系に生まれ、自身にも3/8の中国の血が流れている。

「母方の親戚がいることから雲南省・昆明に行き、現地の語学学校で中国語を学びました。現地で見た一本の中国映画(日本未公開)に大きく心を動かされたんです。恋愛映画でしたが、言葉が分からなくても面白いと思えた。私もこんな作品に出たいと思いました」

 帰国後、現在の事務所・ブルーベアハウスに所属し、本格的に女優業に立ち返った。好奇心が旺盛で、学ぶことが好き。趣味は一人旅。大のビール好きで日本ビール検定2級も取得している。

「最近は料理も楽しんでいます。お気に入りはクリームチーズと生ハムを春巻きの皮で包んで揚げるレシピ。これがビールにも合うんですよ。ビールを飲みすぎて、少し太ってしまったので、2杯目からはハイボールなどを飲むようにしています(笑)」

 目標とする女優には宮崎あおい、木村多江を挙げる。

「宮崎さんは昔から好きで、顔もかわいらしく、ピュアな演技からスレたキャラクターまで幅広く演じています。木村多江さんが演じる“幸薄い役”もやってみたいんです。中国語の役やアクションにも挑戦したい」。そう語る表情は明るく、迷いがない。『誘拐の日』をきっかけに、さらに多くの作品でその名を見る日も遠くないだろう。

※宮崎あおいの「崎」の正式表記はたつさき。

□さかたりさ 1999年10月19日生まれ、熊本県出身。映画『LONESOME VACATION』(2023年)で一人二役を演じ、海外の映画祭で高い評価を得る。近年ドラマではテレビ朝日『Believe-君にかける橋-』(24年)、日本テレビ「離婚弁護士 スパイダー」(24年)やテレビ東京「ジョフウ ~女性に××××って必要ですか?~」など話題作に出演。今年は映画『少年と犬』、Netflix映画『新幹線大爆破』や映画『#真相をお話しします』に出演。

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