市村正親、舞台前ルーティンは“劇場外”で「みんなあいさつに来るからアップにならない」
俳優の市村正親が29日、都内で開催された音楽劇『エノケン』の製作発表記者会見に、松雪泰子、本田響矢、豊原功補、脚本を手掛けた又吉直樹、演出を担当するシライケイタと共に登壇。舞台前のルーティンを明かした。

「すばらしいものにして皆さんにお見せしたい」と意欲
俳優の市村正親が29日、都内で開催された音楽劇『エノケン』の製作発表記者会見に、松雪泰子、本田響矢、豊原功補、脚本を手掛けた又吉直樹、演出を担当するシライケイタと共に登壇。舞台前のルーティンを明かした。
「1000人の中の1人に選ばれた」 成金イメージが先行する有名社長の“本当の顔”
戦前・戦中・戦後と、昭和の日本を笑いで照らし続け「エノケン」の愛称で親しまれた榎本健一は、日本一大きな劇団「ピエル・ブリヤント(エノケン一座)」の座長を務め、日本における喜劇俳優の第1人者となった。同作は、又吉が新作戯曲として描き下ろし、市村が主演としてエノケンを演じる新作舞台だ。
オファーを受けた時の心境について、市村は「エノケンを演じるってのは本当にどういうふうになるのか、とにかく又吉さんの本次第だなと思った」と吐露し、「1か月前くらいに出来上がったものを見ましたが、感動しました。又吉さんは責任を果たしたので、僕らが作品をすばらしいものにして、皆さんにお見せしたいなと思っています」と意気込んだ。この言葉に又吉は「安心しました。よかったです」と安堵していた。
制作発表の序盤には、サプライズで東京での追加公演が発表された。これに市村は「すごいですね。まだ稽古してないのに」と言い笑わせ、チケットがすでに完売していることについては「『完売の原因は何かな?』といろいろ探りましたが、私の日頃の努力の賜物かなって(笑)。本田君にはお客さんがいっぱい付いているし、ありがたいですね。頑張り甲斐があります!」と喜んだ。
演じるエノケンの魅力については「役者として魅力があるし、尊敬するところがあります。私は舞台に立ち始めて52年になる。お客さんの前でいい芝居、人生を見せるってことは、エノケンさんも同じ気持ちだったと思う。エノケンさんの本にも書いてありますが『笑かそうと思って笑かすのではなく、真剣に生きていることが笑いにつながる』。それは僕らのやっている芝居につながると思う。僕もお客さんをくすっと笑わせたいってのは常に考えている。市村って役者がエノケンの中に入り込んで、いい人生を生きられたらいいなって思います。すばらしい役者さんだと思っています」と話した。
7年ぶりに舞台に立つ本田からは、参考として「本番前にしているルーティン」をたずねられる場面もあった。市村は「劇場に入ると、みんながあいさつに来る。腹筋をやっている時に来るとウォーミングアップにならない。だから、外でマグマヨガとかに行って汗をかいて、シャワーを浴びて体温を上げた状態で劇場に来ます。そうすればみんなにアップの邪魔をされないから。そうやって自分を起こして本番に向かう感じだね」とアドバイスした。
また、エノケンの前妻と後妻の2役を演じる松雪の印象についても問われていた。市村は「強烈だったのは『フラガール』。すばらしい映画で、すごくおもしろい。今回は2役やられますが、松雪さんがやることで浮気感が出なくていいかなって。エノケンと2人の女性、なんともいい話だなって思うし、それを2人で作れることが今から楽しみ。すごくいいものができそうな気がしております」とにっこり。対する松雪は「恐れ多い……」と本音を漏らし、「共演させていただけて本当にうれしい。同じ板の上でお芝居をさせていただけるのは、本当に貴重な体験だと思う。若い時代から60代過ぎまでを演じるので、時間の流れや関係性の変化などを丁寧に作らせていただけたらと思っています」と口にした。
