ジャンプ作品、衝撃的だった“裏切りキャラ”たち 味方だと思ったら敵!?
『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画作品では、内なる思いをひた隠し、まさかのタイミングで突然味方を裏切るキャラが存在する。なかでも読者が「完全に味方だと信じ切っていたキャラが、実は裏切者だった」という展開のショックは計り知れない。

裏切りとともに超重要キャラだと判明することも…
『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画作品では、内なる思いをひた隠し、まさかのタイミングで突然味方を裏切るキャラが存在する。なかでも読者が「完全に味方だと信じ切っていたキャラが、実は裏切者だった」という展開のショックは計り知れない。
(※以下、作品のネタバレを含む記述があります)
たとえば『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)のワノ国編に登場するカン十郎は、仲間だと信じていたのに実は敵だったという衝撃の裏切りを見せた人物のひとりだ。
カン十郎はドレスローザ編から登場し、途中までは主人公のモンキー・D・ルフィや光月おでんの家臣仲間である錦えもんとともに行動していた。ちなみに、錦えもんと同じく光月おでんの家臣・赤鞘九人男の一員でもある。
しかし実は、敵である黒炭オロチと同じく元来ワノ国で迫害を受けていた黒炭家の人間であり、この迫害が原因で両親が殺された過去を持っていた。両親の死をきっかけとして心を失ったカン十郎は、オロチから光月おでんに忠誠を誓う家臣を演じるスパイになるように命じられ、敵ながら味方のふりをしていたのだ。
コミックス96巻第974話「いざ、鬼ヶ島!!」で、鬼ヶ島へ向かう錦えもん一行が船上で、今まで味方の作戦が敵に筒抜けだった原因を探す話となり、そこでカン十郎が「おれがそうだって事を!!!」と、自分の裏切りを告白する様子が描かれた。ファンからはSNS上で「カン十郎ショックからまだ立ち直れない」「ショックが大きすぎてカン十郎初登場から見返してる」など、驚きの声があがっている。
カン十郎にも負けない裏切りをしたのは、『BLEACH』(作:久保帯人)に登場する市丸ギン。彼も裏切りキャラを語る上で忘れてはならない。ギンは細い目と飄々(ひょうひょう)としたしゃべり方から、初登場時から「こいつは裏切りそう」と筆者を含む多くの同作ファンから思われていた人物でもある。
実際にコミックス9巻から始まる「尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇」の終盤では、主人公・黒崎一護と対立している藍染惣右介とともに尸魂界を裏切り、虚(ホロウ)が巣食う世界・虚圏(ウェコムンド)へ逃走し、完全な敵となった。
それだけでなくギンは藍染を葬り去ることも計画していた。藍染を倒し、過去に藍染の手によって奪われた幼馴染であり死神仲間でもある松本乱菊の魂を取り返すことが、ギンの本当の目的だったのだ。この目的を果たすために、ギンは長い年月をかけて藍染の従順な部下を演じ、暗殺の機会を待っていたのである。
こうして、ギンは圧倒的な実力を持つ藍染の隙をつき、彼を瀕死にまで追い込む。しかし「死神と虚の境界を崩す力」を持つ崩玉によって藍染はパワーアップして復活を遂げ、結局ギンは殺されてしまうのだ。
ギンのファンである筆者としては、藍染に殺されかけるも回復し、乱菊と穏やかに暮らすという未来もぜひ見てみたかった。
最後は裏切りをまったく予想できなかった『暗殺教室』(作:松井優征)に登場する茅野カエデに注目しよう。茅野は同作の主人公・潮田渚と仲が良く、謎の生物に「殺せんせー」というあだ名をつけた人物ではあるものの、そこまで目立つ存在ではなかった。
しかし、コミックス15巻128話で茅野の印象が一気に変わる。同話では突如茅野が殺せんせーと対決する展開が描かれる。しかもナイフや銃を使わず、まるで殺せんせーと同種の存在であるかのように、うなじから生えた2本の触手を使うのだった。
その後、実は茅野は殺せんせーを殺すために3年E組に来た人物であることが判明する。さらに自身が「磨瀬榛名(ませはるな)」という芸名で活動していた天才子役だったこと、そして本名が「雪村あかり」であり、殺せんせーと過去に関わりがあり亡くなった「雪村あぐり」の妹であることも明かされた。
つまり、茅野は殺せんせーが姉を殺したと思っており、復讐の機会を第1話からずっと探していたのである。
何の前触れもなく突然物語が急展開を迎えるような裏切りを見せた茅野。この展開があまりにショッキングであることから、SNS上では「伏線、衝撃、個人的にはこれに勝るものはない。こんな展開を書ける小説家になりたい」「あまりに衝撃的でコミックス最初から読み直す羽目になった」など、裏切りだけでなく、振り返ってみると以前から気づかれにくい描写で伏線を散りばめていた構成などを絶賛する声が多くあがっている。
驚きの裏切り展開を繰り広げるジャンプキャラたちだが、全員がそれぞれ裏切りをおこなう原因となった辛い過去を持っていることが分かった。嫌われてしまいがちな裏切りキャラは他にも多く存在するが、その過去や背景を知ることでより一層ストーリーを楽しめるだろう。
