俳優の柳葉敏郎が19日、映画『室井慎次　敗れざる者』『室井慎次　生き続ける者』のBlu-ray・DVD発売記念イベントに登壇した。イベントには、両作の監督を務めた本広克行氏、そして『踊る大捜査線』シリーズの生みの親として知られる元フジテレビ代表取締役社長で元BSフジ代表取締役社長の亀山千広氏も登場した。

　1997年に放送がスタートしたテレビドラマ『踊る大捜査線』は、映画版も含めて大ヒットを記録した人気警察ドラマシリーズ。その中心人物の1人である室井慎次（柳葉）を主人公に据えたスピンオフ映画2部作『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』が2024年に公開され、いずれも大ヒットとなった。25年5月14日よりBlu-ray＆DVDの発売およびデジタル配信がスタートしている。

　12年ぶりに室井慎次を演じた柳葉。昨年の反響について問われると、「『やってくれてありがとう』という言葉ですかね。もうほとんどの方がご存知だとは思いますけど、やる気のなかった仕事でしたから。うちの家族はじめ、みんな口をそろえて『やってくれてありがとう』という言葉をいただいた時はやってよかったんだなって思います」と話した。

　撮影時に苦労した点については、「一番最初のシーンで歩いたところ。ふと、どうやって歩いてたんだっけと思って。ドアに自分の姿が映ったりするので確かめたんですけど、だんだん背中がつってくるんですね。この12年間、俺、どんだけ楽な格好で知って歩いてたんだろうなと。全身に力入れてやってたんだなっていうのは一番感じたことです。もう背中なんて汗半端なかったですから」と振り返った。

　イベントでは観客からの質問コーナーも実施された。柳葉は、会場にいた小さな女の子を見つけると、自らステージを下りて駆け寄るなど、ファンサービスも披露していた。

　さらに、「生まれてからずっと踊る大捜査線を人生の教科書にして生きてきたんですけれど……」と語る男性ファンに対しては、柳葉は「間違ってないか、大丈夫か」とジョークを飛ばし、会場を笑わせた。

　そして、「今まで生きてきて人生の教科書にしてきたような何か物や人がいればお聞きしたい」と問われると、柳葉は「室井と知り合って、柳葉敏郎という人間形成に大きな影響があったと思います。ある種、親友的な存在感があるので、彼が作品の中で考えてきたことを僕は目の当たりにしているわけですよ。彼の考え方ややり方が良いって思うこと、それは違うってこともあったり。だから室井と知り合って、柳葉の人生観の糧になったと思っています」と答えた。

　　最後のあいさつで、柳葉は「次の作品が楽しみでしょうがない。踊るシリーズを支えてくださっている思いを直接感じれた今日があったから大きくなっているんだと思います。踊るの大ファンでいたいと思います。室井はいなくなりましたけど踊るシリーズは永久に不滅です」と締め、拍手を浴びた。