原因は自分にある。グループ史上最大ライブに感無量「6年で代々木第一体育館まで来られたなんて!」【ライブレポート】

男性アイドルグループ・原因は自分にある。(ゲンジブ)が、12、13日の両日に東京・国立代々木競技場第一体育館でグループ史上最大規模のワンマンライブ『ARENA LIVE 2025 序破急』を開催した。今年3月から4月にかけて、4都市で「LIVE TOUR 2025 嘲笑倫理学のすゝめ」の全11公演を終えたばかりだが、2日間で約2万人動員の大型ライブを敢行。ここでは、12日公演の模様をレポートする。

大型ライブを敢行した、原因は自分にある。
大型ライブを敢行した、原因は自分にある。

ワンマンライブ『ARENA LIVE 2025 序破急』を開催

 男性アイドルグループ・原因は自分にある。(ゲンジブ)が、12、13日の両日に東京・国立代々木競技場第一体育館でグループ史上最大規模のワンマンライブ『ARENA LIVE 2025 序破急』を開催した。今年3月から4月にかけて、4都市で「LIVE TOUR 2025 嘲笑倫理学のすゝめ」の全11公演を終えたばかりだが、2日間で約2万人動員の大型ライブを敢行。ここでは、12日公演の模様をレポートする。(取材・文=生島マキ)

 開演時刻の午後6時が迫ると、場内の照明がゆっくりと落ち、幻想的でメロウなインストが響き始めた。ステージモニターには、宙から白い羽根が舞い降りる映像。真っ白な衣装に身を包んだ7人が映し出された次の瞬間、上方のゴンドラステージに実物の彼らが登場した。まるで映像とシンクロするようだ。

「白い羽根の天使」となった7人は、大きな羽根のついたフード姿で顔を隠して1曲目『無限シニシズム』を披露した。2曲目に入ると、フードを取って白と黒のモノトーン衣装に。羽根はそのまま残され、3曲目『in the Fate』を歌い上げた。ステージに『序破急』のタイトルが浮かび上がると同時に、ファイヤーの特効がさく裂。真夏の外気を超える熱気が場内を包み込み、会場は一気にヒートアップした。

 4曲目でようやく、メンバーからの生声が届けられた。「よ~よ~よ~!」という掛け声とともに、長野凌大が「楽しみにこの日を待ってました。俺らも会いたかったです」と声を張った。他のメンバーたちも観測者(ファンネーム)と目を合わせるように合図を送りながら、花道を駆けた。

 たどり着いたアリーナ中央のスクエアステージでは『嘘から始まる自称系』、続いてソロダンスパートを経て『LLL』へ。今年4月にリリースされたアルバム収録曲で、堂本剛による提供曲ということもあり、イントロが流れるや否や会場からは大歓声が起こった。

 息つく暇もなく6曲を披露すると、場内はVTRへ。天使として現れた7人が、地上のあらゆる場所──車のボンネット、オフィス、撮影現場のプロポーズシーン、ディスコ、公園、エレベーター、飛行機──に現れるという何かの“啓示”のようなコンセプトが映像で語られた。そこに映し出されるのは、天使なのか、堕天使なのか、あるいは“白くて無垢な何か”なのか──。明確な答は提示されず、見る側に解釈を委ねる余白が残されていた。

 映像が終わると、衣装は一転、モダンでカジュアルなものに。透明なボックスに入った状態で7人が再登場し、『フィナーレ』をセクシーに歌い上げた後、さらに5曲を畳み掛けるように披露した。

幻想的な世界観が展開された
幻想的な世界観が展開された

幻想的な世界観「観測者のみんなと幸せな未来を」

 MCをほとんど挟まず、言葉ではなく映像やワードアートとのクロスオーバーで構成され、幻想的な世界観が展開されていた。「モニターを見て!」と叫ぶ長野がカメラに投げキッスをする場面や、「観測者、会いたかったよ」と呼びかける桜木雅哉の声も飛び出すが、全てが“世界観”の一部として統一されていた。

 中盤に差しかかったところで、サプライズ。突然ステージにハッピーバースデーの曲が流れ、メンバーが「かなめ、ハッピーバースデー!」と声をそろえた。吉澤要人の誕生日(7月12日)を祝うケーキとともに、会場は祝福ムードに包まれる。涙ぐみながら「こんなサプライズがあるなんて……」と語る吉澤。「リハのMCが雑だったのはこういうことだったんですね。知らなかった」と素直な言葉を口にすると、大倉空人が「絶対に何かあると思ってたでしょ」とツッコミを入れて笑いが起きた。

 その後は会場と記念写真を撮影し、「観測者のみんなと幸せな未来を築いていきたい」という吉澤の言葉を胸に、ステージは後半へ。

『マルチバース・アドベンチャー』を皮切りに、代表曲『原因は君にもある。』など、今年リリースされたアルバム『核心触発イノベーション』からの楽曲も含めて5曲を熱唱。武藤潤は「楽しい時間はあっという間に過ぎていくというのは、こういうことか」とかみしめるように語り、桜木と小泉光咲は「この6年で代々木第一体育館まで来られたなんて!」と感無量の様子だ。杢大和人も「念願叶って音楽番組にも出られるようになりました」と胸の内を明かした。

 アンコールはなく、本編ラストに披露されたのは、最新ヒット曲『因果応報アンチノミー』。静かに舞った7人の“天使の羽根”が、会場の隅々に余韻を残したまま、ライブは幕を閉じた。

 なお、「序破急」は、能や雅楽における構成の3段階を指す言葉。その名の通り、一つの物語が展開し、転じ、終わる。この日のライブは、まさにその“流れ”そのものだった。観測者たちの心に、新たな物語の“原因”を刻みながら。

□原因は自分にある。 7人組ダンスボーカルグループ。グループ名には「原因」という言葉を肯定的に捉え、自身が引き起こす事や作り出す物を“原因”として音楽シーンに新たなインパクトを与えたいという意味が込められている。2019年10月に初シングル『原因は自分にある。』でCDデビュー。今春には、ユニバーサルミュージックとのパートナーシップ締結を発表。4月に4枚目アルバム『核心触発イノベーション』をリリースした。

次のページへ (2/2) 【写真】2日間で約2万人動員…大型ライブ特別カット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください