宮本亞門氏、能登半島地震をショートフィルムに 半壊家屋もロケ地…反響に「ぐわっときた」

演出家の宮本亞門氏が12日、都内で行われた北陸能登復興支援映画『生きがい/能登の声』(6月20日石川県先行公開、11日から順次公開)公開記念舞台あいさつに出席した。当日は主演の鹿賀丈史、共演者の常盤貴子も登場。同作をアピールしていた。

舞台あいさつに出席した宮本亞門氏【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに出席した宮本亞門氏【写真:ENCOUNT編集部】

スタッフがヘルメットをつけて撮影敢行

 演出家の宮本亞門氏が12日、都内で行われた北陸能登復興支援映画『生きがい/能登の声』(6月20日石川県先行公開、11日から順次公開)公開記念舞台あいさつに出席した。当日は主演の鹿賀丈史、共演者の常盤貴子も登場。同作をアピールしていた。

 宮本は昨年に起きた能登半島地震後、ボランティア活動に参加。地元の声を聞き、復興の思いを募らせることで、ショートフィルム『生きがい IKIGAI』を制作することとなった。宮本は「ボランティアとしてモノを運んでいたら、『亜門さんはそんなことをしなくていい。あなたみたいな人はこの状況を伝えてほしい。能登が忘れ去られないように』と言われたんです。その数週間後、能登に土砂災害が起きて、体が震えて、いたたまれなくなって、『無理かもしれないけど映画を撮りたい』と知り合いのプロデューサーに伝えたんです。あの景色を撮りたい。生々しい姿も全て撮って、その中で人はどう生きていくのかと言うのを共に考えていきたいということで映画を撮ることになりました」と振り返った。

 宮本が30年ぶりにメガホンをとった同作。映画の反響も大きかったようで、宮本は「何通か能登の方からお手紙をいただきまして、『おかげでまだ頑張れる』と書かれていたのを見て、ぐわっときた。映画を作ってよかったなと思いました」と語った。

 地震で半壊している家屋をロケ地とし、スタッフがヘルメットをつけての撮影となった。主人公・信三を演じる鹿賀は石川県出身。信三の妻・美智子を演じる常盤は、能登が舞台になったNHK連続テレビ小説『まれ』(2015)で主人公の母親役を演じた。鹿賀は「全壊した家の前や半壊した家で芝居をしますと、細かい芝居をするよりも、気持ちさえ持っていれば大丈夫だろうなということで余計な芝居をしないように心がけました」と述懐。常盤は「(被災者から)温かいスープを作っていただきました。ありがたいばっかりです」と撮影時の思い出を語っていた。

 また宮本は「この映画を見て、また能登に遊びに行ってほしいです。これからの日本ではあちらこちらでこういったことが起こるかもしれません。能登の年を重ねた人の魅力、ステキさあたたかさを感じてほしい。本来の日本の素晴らしさをもう一度思い出してほしいなと思っています」とアピールしていた。

『生きがい IKIGAI』は、災害により心を閉ざした一人の男・信三(鹿賀)が再び生きることに目を向けていく希望の物語となっている。同時上映のドキュメンタリー映画『能登の声 The Voice of NOTO』は、能登で生きる人の“今”を映し出している。

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