野口聡一氏、ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』で日本語吹替 影響受けた天文学者の声に

宇宙飛行士の野口聡一氏が、8月1日公開のディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』にて、劇中で使用されている天文学者で作家の故カール・セーガン博士の日本語吹替を担当することが7日、発表された。

野口聡一氏が『星つなぎのエリオ』で日本語吹替を担当する【写真:(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.】
野口聡一氏が『星つなぎのエリオ』で日本語吹替を担当する【写真:(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.】

カール・セーガン博士の吹替担当に喜び

 宇宙飛行士の野口聡一氏が、8月1日公開のディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』にて、劇中で使用されている天文学者で作家の故カール・セーガン博士の日本語吹替を担当することが7日、発表された。

 本作は、両親を亡くし地球でひとりぼっちの少年・エリオが何光年も離れた星で、大切なつながりを見つける物語を描く感動のファンタジー・アドベンチャー。

 エリオはある日、カール・セーガンが宇宙のどこかにいるほかの生命体に“地球からのメッセージ”を届けるために作ったゴールデンレコードとともに、1977年に打ち上げられた無人惑星探査機・ボイジャーの存在を知る。自分を見つけてくれる“誰か”を探して、今もたったひとりで広い宇宙の旅を続けるボイジャーの姿に勇気づけられたことをきっかけに、エリオはこの広い星々の世界のどこかで両親のように自分を理解してくれる“誰か”に出会えるはずと信じ、宇宙に憧れるようになる。

 劇中では「宇宙に存在するのは人類だけか、我々は孤独か」とカール・セーガン博士が語る実際の音声が使用され、エリオが宇宙に憧れるきっかけのひとつとなり、“つながり”を描く作品を象徴する重要なセリフ。

 野口氏は、そんなカール・セーガンの宇宙をテーマにした伝説のドキュメンタリー番組『コスモス』の大ファンで、宇宙飛行士を目指す上で影響を受けた存在だという。吹替を担当することになり「大変光栄でした。我々世代にとってカール・セーガンさんの『コスモス』というテレビ番組は非常に影響力があって、あの番組を見て宇宙飛行士になりたいと、宇宙科学関係で働きたいと思った人はいっぱいいると思うんです。私も高校生くらいの時だったのですが、毎回放送を楽しみにしていたことを覚えています」と、喜びを語っている。

 さらに野口氏は「はるか遠い宇宙の冒険活劇のようだけど、これは孤独と絶望にさいなまれる少年エリオが大切な人との心の絆を取り戻す、魂の再生の物語です。さまざまな出会いを通して、姿の違いや意見の衝突を乗り越えながら、エリオは共生することのすばらしさを学んでいきます。誰からも愛されない、必要とされてないと嘆いているあなたにこそ、この映画を観てほしい」とのメッセージも。

「かつて世界中の宇宙ファンをとりこにしたカール・セーガン博士の温かい言葉が、あなたの凍った心をきっと解かしてくれるはずです」と、かつてエリオと同じように宇宙に憧れたひとりの宇宙ファンとしてコメントを寄せている。

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