Char、古希ライブで『からくりTV』の天才ギター少女と再会「もうすぐお母さんです」
ロックギタリストのChar(竹中尚人)が4日、東京・日本武道館で70歳の誕生日を祝うスペシャルライブ「Char Nippon Budokan Live 2025 ― Purple Phase Jam」を開催した。布袋寅泰や奥田民生など、Charを慕う総勢30人を超えるゲストミュージシャンと会場に足を運んだ9000人の観衆が偉大なギタリストの古希を盛大に祝った。

『Char Nippon Budokan Live 2025 ― Purple Phase Jam』ライブレポート
ロックギタリストのChar(竹中尚人)が4日、東京・日本武道館で70歳の誕生日を祝うスペシャルライブ「Char Nippon Budokan Live 2025 ― Purple Phase Jam」を開催した。布袋寅泰や奥田民生など、Charを慕う総勢30人を超えるゲストミュージシャンと会場に足を運んだ9000人の観衆が偉大なギタリストの古希を盛大に祝った。
この日は、半世紀を超えるCharのキャリアをステージ上で振り返るような構成でゲストミュージシャンが次々と登場し、Charとのセッションを楽しんだ。
開演時刻の午後6時半を少し過ぎたところで会場が暗転。大歓声の中、Charがステージに現れた。古希とは思えないスマートでクールな佇まいに観客も息をのむ。Charが10代の頃に結成したバンド、Smoky Medicineの金子マリとベーシストの鳴瀬喜博(CASIOPEA)らによる演奏で幕を開け、一夜限りのスペシャルライブが約3時間ノンストップで始まった。
前半は、はたけ(シャ乱Q)と春畑道哉(TUBE)が順番に登場し、ソロパートではCharと向き合いながら思う存分セッションを楽しんだ。
次にCharはサブステージに移動すると奥田民生、西慎嗣、佐藤タイジと4人でアコースティックギターを鳴らし、忌野清志郎さんが書いた『かくれんぼ』を奥田の歌で演奏した。
アコースティックコーナーが終わると、Charは休むことなく再びメインステージに。Johnny, Louis & Char(=JLC)、PINK CLOUDとして共に活動したドラムのジョニー吉長さん(2012年没)と金子マリの息子で兄・金子ノブアキ(ドラム)、弟・KenKen(ベース)がステージに登場した。そしてCharと3人でJLCを再現し、『からまわり』を披露。盟友のDNAを受け継いだド迫力の演奏に負けじと、Charも本気モードで2人に挑んだ。それを見た観客も拳を高く突き上げ、力いっぱいの声援を送った。演奏を終えたCharは、こらえきれず、涙をぬぐった。
KenKenがマイクを持つ。「俺たちは、3人(Char、ルイズルイス加部、ジョニー吉長)のお父さんに育ててもらった。2人(加部、ジョニー)は長いツアーに出てしまってもう会えないけれど、こうやってチャーちゃんの大事な日にジョニーのドラムセットと(俺が着ている)マーちゃん(加部)からもらったコートでみんなに会えてよかったな。チャーちゃんおめでとう!」と声を掛けた。するとCharは「泣かせられたよ」とひと言。
この日のエモーショナルな瞬間だったが、それだけでは終わらない。次に加部正義さん(2020年没)の2人の娘がコーラスとして参加し、Pink Cloudの『WOULD YOU LIKE IT』を演奏。さらにCharの息子、Jesseも加わり、JLCの親子2代にわたる感動的なセッションが日本武道館で実現した。

布袋「僕がギターを弾くきっかけはCharさんです」
後半に入るとCharの地元・戸越銀座の仲間たちが駆けつけ、サブステージで古希を祝う演奏を繰り広げると、Charの高校の後輩にあたる女子高生バンドが初々しい演奏を披露し、会場を沸かせた。
またCharとは古い付き合いの後輩、野村義男を筆頭にRei、山内総一郎(ex.フジファブリック)、ZAX(The BONEZ)が登場し、ギターバトルを繰り広げた。
そしてこの日のハイライトとなったスペシャルゲストの布袋寅泰が登場した。布袋は「僕がギターを弾くきっかけは、Charさんです。Charさんがいてくれたおかげで僕がいると思っています」と話すと「こんな道に誘い込んでしまってごめん」とジョークで返す。続けて布袋が「僕は群馬のCharと呼ばれていた」と明かすと「自分で言ってたんじゃない?」と言って2人で笑った。
ここで今年4月11日、テレビ朝日系『ミュージックステーション』に2人で出演した際のCharのアクシデントについて話をした。リハーサルでギターを倒してしまったが問題なしと判断し、そのまま本番に突入。しかし演奏中に部品が壊れていることが分かり、何度もチューニングをするというハプニングが起きた。ただ生放送中だったこともあり、Charはチューニングの音さえも演奏の1つに変えてしまうという神業を披露して話題となった。当時を振り返ったCharは「もし収録だったら『ごめん』と言って1回止めていた」と告白し、「今日はそのリベンジをしたい」と言って、『SIDE BY SIDE』を演奏。超絶テクニックの応酬で観客を魅了し、リベンジを果たした。
演奏を終えると布袋が「ハッピーバースデー♪」とバースデーソングを歌い、全員でCharを祝った。
そして本編最後は山岸竜之介と並木瑠璃の2人が登場し、Charと3人で『SMOKY』を演奏した。2人は幼い頃、TBS系『さんまのSUPERからくりTV』で天才ギター少年・少女として取り上げられ、Charとセッションした。あれから約20年がたち、2人はミュージシャンとして大きく成長した姿をステージで見せた。そしてCharが「もうすぐお母さんです」と並木を紹介すると会場からは大きな拍手が起こり、それに応えるように並木は大きなお腹を見せて笑顔でギターを弾いた。
アンコールは「今日のために書いた」とCharが話し、ダジャレにも聞こえる新曲『NOW NOW JUICE』を演奏。そのままBAHOの『happiness』へ。ここでCharが天井を指さして「スペシャルゲスト、石田長生!」とコールすると客席からも大歓声が。相方、石田長生さん(2015年没)に代わって歌いながら観客をあおるChar。日本武道館が「ハッピネス!」の大合唱となった。
最後は定番曲『SHININ’ YOU, SHININ’ DAY』と『NATURAL VIBRATION』でフィニッシュ。夢のような一夜が幕を閉じた。
今回出演した誰よりも一番長くステージに立ち続け、歌声も年齢を感じさせる場面は一度もなかった。さらに今もオリジナルキーで『SMOKY』を歌い続けるCharにとって古希という言葉は好きな仲間たちと集まるための理由に過ぎなかったのでは、と思えてならない。そんなクールな永遠のギターヒーローは、これからも私たちを楽しませてくれるに違いない。
「Char Nippon Budokan Live 2025 ― Purple Phase Jam」
2025月7月4日午後6時30分開演:日本武道館(9000人)
○セットリスト
~Smoky Medicine Jam
01.『SHOW WHAT YOU’VE GOT INSIDE OF YOU』
02.『TOKYO NIGHT』
~Char Band、佐藤準
03.『空模様のかげんが悪くなる前に』
04.『TOMORROW IS COMING FOR ME』
05.『THE LEADING OF THE LEAVING』はたけ(シャ乱 Q)
06.『I FEEL FREE』春畑道哉(TUBE)
~Acuostic Guitar Jam with 奥田民生、西慎嗣、佐藤タイジ~
07.『かくれんぼ』
08.『籠の鳥』
~JLC(Johnny, Louis & Char)/Pink Cloud Jam with 金子ノブアキ、KenKen
09.『からまわり』
10.『WOULD YOU LIKE IT』金子マリ、加部姉妹
11.『ONE MORE TIME』Jesse
~Free Jam
12.『WHY AREN’T YOU READY』 by 猿やBAND(仮)
13.『ZIP IT』 by SHIVALA
~Purple Phase Jam / Char Band
14.『UNCLE JACK』野村義男、Rei、山内総一郎(ex.フジファブリック)、ZAX(The BONEZ)
15.『SIDE BY SIDE』布袋寅泰
16.『SMOKY』山岸竜之介、並木瑠璃
アンコール
17.『NOW NOW JUICE』(新曲) Def Tech
18.『SHININ’ YOU, SHININ’ DAY』
19.『NATURAL VIBRATION』
☆Char Band:小島良喜、澤田浩史、Tully Ryan、佐橋佳幸、福原みほ
☆Smoky Medicine Jam:金子マリ、鳴瀬喜博、佐藤準、古田たかし
☆JLC/Pink Cloud Jam:Jesse、金子ノブアキ、KenKen
☆Purple Phase Jam:奥田民生、野村義男、西慎嗣、春畑道哉(TUBE)、はたけ(シャ乱 Q)、佐藤タイジ、山内総一郎、Rei、山岸竜之介、並木瑠璃、Def Tech
☆Special Guest:布袋寅泰
