「一線を超えてしまった」“京都カースト”をテーマにした新刊が物議 “炎上商法”への疑念も…出版社が声明、販売の意向

京都における“カースト”をテーマにしたとする書籍を巡り、ネット上で「地域差別を助長する」と批判の声が上がっている。出版元の「Kyoto Love. Kyoto編集部」(京都)は3日、公式サイト上で声明を発表。「発刊を前にSNSなどでお騒がせをしておりますことをまずもってお詫び申し上げます」と謝罪したうえで、「この街にも差別があるとするならばそれを助長するものでは決してございません」と釈明した。

京都のカーストをテーマにした新刊の表紙【写真:Kyoto Love. Kyoto編集部公式サイトから】
京都のカーストをテーマにした新刊の表紙【写真:Kyoto Love. Kyoto編集部公式サイトから】

京都における“カースト”をテーマにした書籍を出版

 京都における“カースト”をテーマにしたとする書籍を巡り、ネット上で「地域差別を助長する」と批判の声が上がっている。出版元の「Kyoto Love. Kyoto編集部」(京都)は3日、公式サイト上で声明を発表。「発刊を前にSNSなどでお騒がせをしておりますことをまずもってお詫び申し上げます」と謝罪したうえで、「この街にも差別があるとするならばそれを助長するものでは決してございません」と釈明した。

 問題の書籍は、Kyoto Love. Kyoto編集部から今月4日に発刊される新刊『禁断の京都カースト ―京都人があんまり言いたくないヒミツの話―』。公式サイト上の紹介ページでは、タイトルの「京都カースト」について「京都人が、京都内の居住地によってお互いの優劣をつけ合うことを『京都カースト』と呼びます。生粋の京都人のほとんどが嗜んでいる行為でありながら、おおっぴらに公言することは『タブー』とされています」と説明している。

 また、「京都カーストを簡単に言うと、都市伝説のようにまことしやかに囁かれる、下図のような京都市内ヒエラルキーのことです」として、京都市内の各区をピラミッド状に順位付け。各区を擬人化したキャラクターに見立て、それぞれの解説を行っている。特設サイトには「『京都カースト』は、京都市民の中に『暗黙の了解』としてひっそりと息づいています。大声で喧伝するようなものではなく、そのような行為はタブーです。さしずめ、われらKyoto Love. Kyoto編集部は、タブーを破った愚か者というところでしょう」「触れてはいけないはずの『タブー』に正面から挑んだ快作です! 表の京都はもちろん、京都人の本音を知ることができます」などとつづられている。

 同書の発刊情報がSNS上で公開されると、「おいおいおいおいおい。よりによって京都でこれをやるのかい。京都で『カースト』という言葉を使うことの意味分かってる?」「『地域愛』と言うような言葉で誤魔化して、差別的な序列を固定化する本を出すのが信じられない」「カーストを公言することが『タブー』なのは差別だからだよ」「いけずをネタにして遊んでるうちに一線を超えてしまった感じ」「炎上商法?」など、批判の声が殺到。

 同編集部は3日、公式サイト上に「『禁断の京都カースト』発刊に際して」と題した文書を掲載。「発刊を前にSNSなどでお騒がせをしておりますことをまずもってお詫び申し上げます。比喩的に用いたタイトルの是非やご批判、本書が伝えようとしていることへのご期待など様々なお声をたくさんお寄せいただいております」と騒動について謝罪した。

 その上で「この街にも差別があるとするならばそれを助長するものでは決してございません。それぞれの区や地域に成り立ちと誇りがあることを多くの方々に知っていただくことこそが本書の目的であり、弊社はかねてよりそのことに真摯に向き合ってきました」と、差別を助長する意図はないことを釈明。「既に多くのお客様からご注文をいただいておりますKLKstore(弊社オンライストア)では予定通り7月4日に販売させていただくことといたします。本書を読んでいただいた皆様がご自身の町をもっともっと好きになっていただければ本当に嬉しく思います」とつづっている。

次のページへ (2/2) 【写真】京都市内の各区がピラミッド状に順位付けされた挿絵
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