“令和の奇跡の一枚”でバズった23歳・大森莉緒の素顔 アイドル歴は12年「悔しい思いをたくさんしてきた」

SNS全盛の今、何をきっかけにスポットライトを浴びることになるのかは誰にも予測することができない。何気なく投稿した1枚の写真をきっかけに大バズリした1人のアイドルがいる。「Ma'Scar'Piece(マスカーピース)」の大森莉緒(23)だ。“令和の奇跡の一枚”と想像を超える注目を集めることとなったが、この反響をどのように捉えているのだろうか。

“令和の奇跡の一枚”がバズった大森莉緒【写真:増田美咲】
“令和の奇跡の一枚”がバズった大森莉緒【写真:増田美咲】

アイドル歴13年目で浴びたスポットライト「本当に何が起こるか分からない」

 SNS全盛の今、何をきっかけにスポットライトを浴びることになるのかは誰にも予測することができない。何気なく投稿した1枚の写真をきっかけに大バズリした1人のアイドルがいる。「Ma’Scar’Piece(マスカーピース)」の大森莉緒(23)だ。“令和の奇跡の一枚”と想像を超える注目を集めることとなったが、この反響をどのように捉えているのだろうか。(取材・文=中村彰洋)

 アイドル歴13年目にして浴びたスポットライトだった。新宿で行われた屋外ライブのワンシーン。躍動感あふれるポージングながらもカメラ目線で決めたウインク、自然光も相まってまさに“奇跡”と呼ぶにふさわしい1枚となっていた。

 アイドル人生を長く過ごしてきた中で初の“万バズ”。大森は「本当に何が起こるか分からないなと思っています。びっくりしました」と素直な胸の内を明かす。

「ファンの方がXでポストしてくださっていて、本当に奇跡のように撮れていた写真だったので、一人でも多くの方に見ていただきたいなと思い投稿しました。『今この瞬間を撮ってほしい』と思いながらウインクをしたベストのタイミングで撮ってくださっていて、撮影者の方には大感謝です」

 さまざまなネットニュースなどでも取り上げられ、一部ではかつて“奇跡の一枚”からブレイクを果たした俳優の橋本環奈と比較するような声もあがった。大森にとっては、これまでに経験したことのないプレッシャー。バズった直後に行った生配信内では、思わず号泣してしまうほどだった。

「以前から橋本環奈さんに憧れていて、本当に『橋本環奈さんのような人間になりたい』と思っていました。想像以上の反響で記事にもしていただけて、『橋本環奈を超える』というタイトルを見た時に『いや、本当にやめてください!』と心の底から思いました(笑)。

 もちろん、それが気になって記事を見て知ってくださった方もいらっしゃるので、うれしかったですが、ものすごいプレッシャーでした。いろんな感情の中での生配信だったので、本当に大号泣しちゃいました。自分でも分からない感情でした。すごく緊張してしまって、配信ボタンを押す手が震えていたくらいでした(笑)」

 今回のバズリをきっかけに合計で2万人超のSNSフォロワーが増えた。ライブにも新規のファンが足を運んでくれたりと、確実に広がりを実感している。

「今回のバズリをきっかけに、10年ぶりにライブに遊びに来てくれたファンの方もいらっしゃいました。この前一人でカフェに行った時も、レジで『SNS見ました!』と声を掛けていただけて、今まであまりなかったことだったので、『えっ!』ってびっくりしちゃいました(笑)。昔から応援してくれているファンの方々からは『やっと世間に見つかったね』とも言っていただけたり、本当にうれしいです」

現在はMa'Scar'Pieceのメンバーとして活動を続けている【写真:増田美咲】
現在はMa'Scar'Pieceのメンバーとして活動を続けている【写真:増田美咲】

過去4グループは志半ばで終止符「次こそはやりきりたい」

 3歳でキッズモデルデビューするなど、昔からカメラに映ることが大好きだったという大森。アイドルデビューのきっかけは、母からの勧めだった。

「お母さんは、こういうお仕事が向いていると思ってくれたんだと思います。最初は慣れないことも多かったですが、ステージに立ってお客さまの笑顔を見ると『やっていて良かった』と思えるからこそ、ここまで続けてこれたのだと思います」

 12歳でピンク・レディーの後継ユニット「ピンク・ベイビーズ」でアイドルデビュー。確かな歌唱力とパフォーマンス力、アイドルとしての基盤は同ユニットで培ったものだと振り返る。

「昔は振り覚えも遅くて、一人で泣いていたりもしていました。レッスンもとても厳しく、夏には体力作りのために東京タワーの周りをマラソンしたりもしていました。今の自分があるのは間違いなく『ピンク・ベイビーズ』のおかげです」

 以降、「eyes」「ラストアイドル」「×純文学少女歌劇団」とグループを渡り歩いたが、共通点はいずれも志半ばで終止符を打たれているという点だ。23歳ながらもアイドル歴は13年目。今でもアイドルを続ける原動力は「やりきりたい」という思いからだった。

「どの活動もすごく楽しくて、気付いたら12年たっていました。自分的にはめちゃくちゃ苦労したという感覚はないんです。でも、どのグループも自分の意思ではない形で活動が終わってしまい、悔しい思いをたくさんしてきました。5つ目のグループなので、今回を最後の場所にしたいです。次こそは解散とかではなく、自分が『やりきった』と感じて、気持ちよく卒業したいです」

 何度、壁にぶつかっても「ファンの人に悲しい思いをさせたくない」という思いが前を向かせた。「自分が活動を続けることで、誰かが笑顔になってくれるのであれば、そのために頑張りたいという思いでした。挫折したことはなかったです」。

インタビューに応じた大森莉緒【写真:増田美咲】
インタビューに応じた大森莉緒【写真:増田美咲】

Ma'Scar'Pieceで新たな挑戦「いつかメジャーデビューも」

 現在所属するMa’Scar’Pieceは“令和トランスアイドル”という新ジャンル。DJにも挑戦するなど新たな“大森莉緒”を表現している。

「かわいい衣装の“THE 王道アイドル”をやりたいという気持ちも少しはありましたが、逆に王道ではない、このグループで有名になりたいという気持ちが今は大きくなっています。アイドルを長年やってきましたが、新しい自分を見せるチャンスだとも思っています。唯一無二なグループで、海外の方にも受け入れてもらえるような楽曲だと思っているので、もっとたくさんの人に知ってもらえるように頑張ります。いつかメジャーデビューもしたいです」

 個人では舞台『アサルトリリィ』で主演を務めるなど、演技の道にも力を入れている。「やりたいことはめちゃくちゃあります。私は本当に欲張りなんです」と笑顔を浮かべる。

「今は歌って踊ったり、舞台をやらせてもらったりもしていますが、ドラマなどの映像のお仕事もやってみたいですし、バラエティーにも出たいです。モデルのお仕事や写真集も出せたらとも思っています。地元の名古屋でお仕事もやりたいですし……、本当にやりたいことは無限に出てきます!(笑)」

 アイドル歴13年目にしてめぐってきたブレイクのチャンス。「応援してくれるファンの方や支えてくれた家族へ恩返しをするためにも頑張りたいです」と言葉に力を込める。

「勝利は必然、敗北は伏線」――。これまでの悔しい経験をMa’Scar’Pieceという新たなステージで成功するための伏線へと変えていく。

□大森莉緒(おおもり・りお)通称:おーりお 2001年12月22日、愛知県出身。3歳からキッズモデルとして活動。13年に「ピンク・ベイビーズ」としてアイドル活動をスタート。その後は「ラストアイドル」「eyes」「×純文学少女歌劇団」を経て、24年12月「Ma’Scar’Piece」に加入。ライブ中のカメラ目線やアイコンタクトには絶対の自信を持つ。ポジティブで多少ヘコんだとしてもすぐに立ち直る前向きな性格。

 ◇ ◇ ◇

○大森莉緒からのメッセージ

「記事を見て知っていただいた方が多いと思います。写真だと大人しそうと言われることも多いのですが、実際に会って話すと、めちゃくちゃおしゃべりです。ふざけてメンバーを笑わせたりすることも好きで、ギャップがあるとよく言われるので、気になった方はぜひ直接会いに来てほしいです!」

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