【べらぼう】風間俊介が横浜流星を絶賛「国宝」 撮影経て関係性も変化「僕によく笑顔を見せてくれる」
俳優・風間俊介が鶴屋喜右衛門役で出演するNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、クレバーでクールだがヒールさを感じる役への思いや主演の横浜流星の印象などを語った。作品は18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児となった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)を軸に描く痛快エンターテインメント。鶴屋は江戸市中の地本問屋のリーダー的存在。これまで吉原の新参者・蔦重を敵視していたが29日放送の第25回では和解した。

江戸市中の地本問屋のリーダー的存在の鶴屋喜右衛門を熱演
俳優・風間俊介が鶴屋喜右衛門役で出演するNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、クレバーでクールだがヒールさを感じる役への思いや主演の横浜流星の印象などを語った。作品は18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児となった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)を軸に描く痛快エンターテインメント。鶴屋は江戸市中の地本問屋のリーダー的存在。これまで吉原の新参者・蔦重を敵視していたが29日放送の第25回では和解した。
まず蔦重を敵視し、意地悪な言動が目立つヒールな役を演じる心境を聞いた。
「30代で人に寄り添う役をたくさんやらせていただきましたが、10代、20代では悪い役といいますか何かを抱えて一筋縄ではいかないキャラを多く演じましたので、僕としてはイレギュラーというより原点回帰ではないですが帰ってきたぞという感じです(笑)」
第25回では浅間山が噴火し、日本橋に積もった火山灰を桶で川に捨てる競争をきっかけに蔦重との関係が改善された。鶴屋はなぜか競争の際、下駄で走った。どう解釈したのだろう。
「もし現代で鶴屋さんのような人間だったら、さっきまで革靴を履いていたけど、競争しようとなった瞬間にスニーカーを履いて登場したら『やる気がある僕と思われたらどうしよう』と思うはず。それで下駄だったと思います。いざ走り出したら負けたくなかったという感じかなと。でも下駄で走るの、むちゃくちゃ痛かったです」
第8回では駿河屋(高橋克実)に赤子面と呼ばれて階段から落とされるシーンもあった。現場では吉原の忘八役の人たちとどんな雰囲気なのだろう。
「克実さんとは和気あいあいとやらせていただいていますが、森下佳子さんの脚本が素敵だなと思います。赤子面という言葉がパワーワード過ぎて(笑)。忘八メンバーは楽しそうですが、地本問屋は照明も暗く密談感が半端なかったです。本当なら日が当たらないはずの忘八たちなのに日が当たり、こっちは全く日が当たらず。うらやましかったです」
主演の横浜流星の印象はどうだろう。
「国宝じゃないですか。本当にストイックで物静かで作品作りに真摯に取り組むことを黙々とやるタイプ。黙々とやる姿ってどこかミステリアス。その流星君が、からっとした江戸っ子の蔦重を演じていることにしびれます。元々、現場で快活なタイプの人なら、そうかとなりますが、彼は俳優として今回の作品の蔦重を作りあげて体現しています。そして、あの人はきれいな人。別の作品で見た女形も美しいですが、それが江戸っ子の所作になっても美しいし、現場でストイックにやって、本来、自分の中にそれほど無いような豪快な人間をシームレスにアウトプットする姿も美しい。美しさは顔だけではないです」
現場で横浜と話したりするのか。
「長く撮影させてもらっているので、結構、談笑する機会が増えてきたことが僕にはうれしいこと。あ、流星君が笑ったと僕の言ったことで笑ったという喜びがあります」
横浜の笑顔の魅力も語ってくれた。
「最近、流星君が僕によく笑顔を見せてくれるんです。愛おしいと思うのは、これは僕の勝手な考え方ですが、大河ドラマの主役はプレッシャーや背負うものが重いと思うんです。僕が見ている流星君は全部背負ってスタートを切る人。物語が進み始める時、その歯車や車輪を最初に動かす時、とんでもないエネルギーが必要です。最初の物語を動かすぞという原動力から物語が加速し、その加速とともにやっと一緒に進めるようになったのかなと思うと、最初の頃の奮闘ってすごかったんだと思います。ストイックにやっているあの時に心の中で動いていたものは僕の想像をはるか超えるエネルギーを使っていたんだろうなと思うと、今の笑顔を守りたいと思います」
今後の展開と鶴屋と蔦重の関係も聞いた。
「蔦重がいざ日本橋に出てくるとなったら、やっぱり仲間なんです。ここから書物を扱うことが辛い時代がやってきます。その時、一丸となって戦っていく戦友になっていきます。それは史実としても間違いないと思います。これまでを見てきた人には、あの2人が仲良くするなんてありえない、薩長同盟か、みたいな感じでしょうけど、どうやら仲良くなりそうです(笑)」
鶴屋の冷たく怖い作り笑顔も印象的。
「僕、黒目が大きいらしいです。子どもが絵を描いた時に白目を描かず黒目だけ描くとちょっと怖いじゃないですか。僕のデフォルトの顔、ちょっと怖いと思うんです。感情を宿さない目をしながら口角を上げると新しい怖さが生まれました(笑)」
