IMP.基俊介、人と比べない性格は“親譲り”「自分の努力で夢や目標を引き寄せる」

IMP.の基俊介が、映画『愛されなくても別に』(井樫彩監督、7月4日公開)に出演する。俳優・南沙良主演による社会派青春ストーリーで、基はコンビニでアルバイトをする大学生を演じる。公開前に取材に応じ、役作りで意識したこと、さらには「コンビニのお気に入りアイテム」を語った。

本作への出演が決まった当時を振り返った【写真:冨田味我】
本作への出演が決まった当時を振り返った【写真:冨田味我】

映画『愛されなくても別に』に出演

 IMP.の基俊介が、映画『愛されなくても別に』(井樫彩監督、7月4日公開)に出演する。俳優・南沙良主演による社会派青春ストーリーで、基はコンビニでアルバイトをする大学生を演じる。公開前に取材に応じ、役作りで意識したこと、さらには「コンビニのお気に入りアイテム」を語った。(取材・文=水谷賀奈子)

 原作は2021年に第42回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃氏の同名小説。親の過干渉、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに切り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸であることである種の優越感を」抱いていた状態からの脱却までを鮮やかに描く。家事と学費稼ぎで余裕のない大学生活を送る宮田陽彩(=南)はある日、大学の同級生でありバイトの同僚・江永雅(=馬場ふみか)の噂を耳にする。そんな2人の出会いは人生を変えていくことに……。基は、宮田らと一緒にコンビニでアルバイトをする“普通の”大学生・堀口潤平を演じた。

 本作への出演が決まった当時を「歌番組で待機してた時に『これが決まりました』と資料がそろった状態で聞いたのですが、正直驚きが大きかったです。『とんでもないメンバーの中に自分がいるな』と思いました。内容も考えさせられるテーマなので、『どうなるんだろう』という印象でした」と振り返った。

 堀口役については、「原作では彼の葛藤など細かい描写はあるのですが、映画ではそこまで描かれていないんです。自分なりに『あまりバックボーンを出さない方が見る人によっては“闇が深い”と思ってもらえるかも』と考えました」と説明。続けて「堀口の憎めない、ウザかわいい感じを出せれば、堀口という人物が伝わると思いました。空気を読んでいるからこそのバカっぽさというか、『こういう大学生いるよな』ということを想像しながらやっていました」と語った。

 自身と似ている部分も感じたようで「堀口は人の懐に入っていくのは上手い人だと思いました。本田望結さん演じる、木村水宝石(きむら・あくあ)の悩みを聞き出すことができて、言いづらいことも彼になら言えてしまう雰囲気を作り出せる人なんだと思います。そういう部分は似ているかもしれません」と打ち明けた。

 基自身、オープンマインドな性格らしく「基本的に、自分と“合わない人”はいないと思っています。よく行くご飯屋の常連さんと初対面でお話しすることもあるのですが、いろんな人と話すのは楽しいです。僕の正体は明かさないんですけどね(笑)。気付かれなければ『まだまだだな。頑張ろう』と思えます」と明かした。

「人と比べることはない」と断言した基俊介【写真:冨田味我】
「人と比べることはない」と断言した基俊介【写真:冨田味我】

コンビニでアルバイトをする大学生を演じた

 本作では、陽彩が“不幸”という視点で人と比べては優越感に浸ったり、もがき苦しむ様子が描かれている。基は「人と比べることはない」と断言。そこには強い信念もある。所属するグループで達成した願いを引き合いに語りだした。

「基本的には比べないですが、目に入った時には一瞬『いいな』と思うことはあります。でも、引きずったりはしないです。『最後に勝てばいい』と思っているので。勝ち負けではないのですが、自分のやり方で自分の人生を歩めたらいいのかなって。IMP.というグループにいて、『舞台で主演をやる』という目標の一つをかなえられてたように(グループ7人の主演舞台『IMPACT』を5月1日~6月8日まで上演)、時間はかかっても自分の努力で夢や目標を引き寄せるしかないと思っています」

 そう言葉に力を込めた。熱い思いはある意味、親からの“DNA”を受け継いでいる様子。「両親の影響があるのかもしれません。両親が『何が何でもやり遂げる』という強い意志の持ち主なので、似ているのかもしれませんね」と話した。

 また、劇中には陽彩と雅と「大人になったね」と声を掛け合うシーンがある。基は、自分が大人だと実感した瞬間について「自分のお金で自分の好きなものが買えた時」とし、「家が厳しくて、お金の使い方についても両親から言われていました。高校生から芸能活動していますが、大学を卒業するまでは一切手を付けていなくて、お小遣い制でした」と回顧した。そして「自分でお金を管理するようになってから、欲しかったスニーカーや憧れていたアクセサリーを自分で買った時に『これが大人か!』と思いました。ちゃんと長持ちするものを買えているで、親に感謝しています」と笑顔で明かしていた。

 最後に、役柄にちなんで「コンビニの好きな食べ物やお気に入りアイテムは?」と聞くと、目をパッと見開き「それで言うと、コンビニのコーヒー美味しくないですか?」と切り出した。

「『どこのが一番』というのはなくて、気分で選んでいます。あのクオリティーをあの価格で出せることに感動しています。それを持って現場に行くだけでもワクワクするので、絶対買っちゃいます!」とおちゃめな素顔をのぞかせた。

 今回、どこにでもいそうな“普通”の大学生を、自分なりに考えて演じてみせた基。「完成品を見ても不安だった」と告白したが、制作側からは「『これでいいのか』と迷っている姿が良かった」と俳優として成長する姿に評価を受けていた。

 これからもグループとして、ソロとして、日々進化するその魅力で見る者を楽しませてくれそうだ。

□基俊介(もとい・しゅんすけ) 1996年10月17日、埼玉県生まれ。7人組男性グループIMP.の一員。RKBテレビ『タダイマ!』(月~金曜午後3時40分)にレギュラー出演中。グループとしては、6月23日に最新シングル『Cheek to Cheek』を発売した。

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