藤井直樹、“元エース”の高校球児役オファーに驚き「最初は『本当に僕に来たものなのかな?』って」
ジュニアの藤井直樹と岡崎彪太郎、俳優の前島亜美、宮地真緒、永井大、演出を担当する木村弥寿彦氏が16日、都内で行われた舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』の取材会に出席した。

令和7年の元高校球児が戦時中にタイムスリップ
ジュニアの藤井直樹と岡崎彪太郎、俳優の前島亜美、宮地真緒、永井大、演出を担当する木村弥寿彦氏が16日、都内で行われた舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』の取材会に出席した。
同作は、コロナ禍で甲子園の夢を絶たれた元高校球児が、戦時中の昭和17年にタイムスリップし、戦争による夏の甲子園大会中止を経験した若者たちとともに「幻の甲子園」出場を目指す青春物語。藤井が野球名門校・江戸川実業のエースだった元高校球児で大学4年生の森下令児を、岡崎が太平洋戦争まっただ中の昭和17年に江戸川実業野球部の主将を務める津田昭夫を演じる。
高校時代にコロナ禍で甲子園が中止となり、人生の目標を失ったまま大学に進学した令児。恋人の菊地礼子(前島)と過ごしていた令和7年のある日、突然1人だけ昭和17年にタイムスリップしてしまう。立ち尽くす令児が、その場に転がってきた野球ボールを思わず剛速球で投げ返すと、そこには昭夫の姿が。昭夫は令児の腕を見込み、江戸川実業野球部入部を条件に生活の面倒を見ることになる。野球部の監督・山本浩一(永井)や、野球部を応援する高柳節子(宮地)の励ましのもと、令児は練習を始める。
出演オファーを受けた藤井は、「最初は『本当に僕に来たものなのかな?』って、ちょっとびっくりしました」と驚きを明かし、「僕は野球経験がないので、そこから、“元エース”を演じるので、気合いを入れて野球練習から頑張っていきたい」と意気込んだ。野球部主将を演じる岡崎は役作りで短髪にイメージチェンジ。「僕も野球はやったことがないので、『どうしたらいいんだろう』と思っていましたが、実際に髪を切ってポスター撮影もさせていただいて、『意外と雰囲気あるんじゃないかな』思っています」と満足そうな表情を見せた。ヘアスタイルについては、「両親から『小・中学生に戻ったみたいやね』って言われました(笑)」と語った。
■戦後80年を迎え、藤井「伝えていく存在になれたら」
3年ぶりの舞台出演となる前島は、「現在は声優のお仕事もやらせていただいていて」と明かし、「今回は主人公・令児の恋人役と、劇中で野球の実況をナレーションする役も任せていただいたので、声優の現場で学んだことも生かして頑張れたら」と熱意。甲子園が大好きだという宮地は、「夏は(甲子園の)番組を録画して毎晩見ている。今回は、若い子が頑張っている姿を間近で見たいなという思いもあってお受けしました」と語った。
永井は出演者の中で最年長。「今47歳で、『あぁ、そういう年になったんだな』とすごく不思議な感じがします。最年長としてみんなを引っ張っていきたい」と語った。戦時中の野球部監督という役柄に、「僕自身も『水を飲むな』とか『こうしろ! ああしろ!』という(厳しい部分が)たくさんあった世代で育った。今の時代はそういうことはないですが、(劇中の昭和)当時は、時代的におそらく(厳しさが)あったと思うので、僕のイメージとしては“スパルタの監督”として向き合っていきたいと思います」と役作りについて語った。
藤井と岡崎は報道陣から、「高校球児にしては色白では?」と質問が。藤井は「黒くなる気はあります! 黒さが勲章になるようにがんばります!」と張り切り、岡崎も「日傘をやめます!」と宣言した。また永井から「僕が結構黒いから、僕よりも黒くならないと」と指摘されると、藤井は「日焼け止め、絶対塗らないです!」と提案し、会場を笑わせた。
2025年は戦後80年。戦争を題材にした今作への出演に藤井は、「僕が生まれた時、すでに平和な日本だったので、“戦争”って昔の話という感じがするけれど、そういう時代があったということは絶対に忘れてはいけないと思います」と語り、「経験してはいないですが、『戦争の恐ろしさがあって、今、平和に過ごせている』と伝えていく存在になれたら」と語った。岡崎は小学6年生の修学旅行で広島の原爆資料館へ行ったといい、「現実でこんなことが本当にあり得たのかと、すごく衝撃を受けました。その翌年に、戦争を経験したひいおじいさんが亡くなって、話を実際に聞けなかったことを後悔しています」と振り返った。「この作品はコロナ禍とリンクしていて感情移入しやすいので、(作品を)きっかけに今の若い方たちが戦争のことを知ってくれたら」と語った。
同作は8月23日からの東京・サンシャイン劇場公演を皮切りに、大阪・松竹座、石川・金沢文化ホール、広島・広島国際会議場フェニックスホール、愛知・御園座と、全国5か所で9月28日まで上演される。
※岡崎彪太郎の「崎」の正式表記はたつさき
