「使う場面100%なくね?」相鉄の“謎スイッチ”に注目集まる 運用には慎重な姿勢
「相鉄の車両に設置されてるこれ、使う場面100%なくね??」。そんな投稿がXで話題となった。添えられていた写真に写っていたのは、電車のドアの横に設けられた小さな押しボタン。SNS上では「ワンマン運転で使ってるイメージ」「真冬の運転見合わせとか?」「田舎ではフル活用!必要ない都会が羨ましい」「かわいいと思ってしまった」といった反応が寄せられ、さまざまな憶測が飛び交った。この“謎スイッチ”の正体は、乗客自身がドアを開け閉めできる「半自動ドアスイッチ」。一体どのような目的で設置されているのか。

相鉄12000系6編成、20000系7編成、21000系9編成の計202両に設置
「相鉄の車両に設置されてるこれ、使う場面100%なくね??」。そんな投稿がXで話題となった。添えられていた写真に写っていたのは、電車のドアの横に設けられた小さな押しボタン。SNS上では「ワンマン運転で使ってるイメージ」「真冬の運転見合わせとか?」「田舎ではフル活用!必要ない都会が羨ましい」「かわいいと思ってしまった」といった反応が寄せられ、さまざまな憶測が飛び交った。この“謎スイッチ”の正体は、乗客自身がドアを開け閉めできる「半自動ドアスイッチ」。一体どのような目的で設置されているのか。
相鉄によれば、半自動ドアスイッチは「お客さまにドアを必要なときだけ開けてもらうことで、冷暖房効率を保ち、雨風の吹き込みを防ぐため」に設置されたもの。寒冷地のローカル線ではよく見られる設備となるが、都市部の通勤電車ではやや珍しい存在となっている。
2025年5月時点で、このスイッチが搭載されているのは、12000系(6編成)、20000系(7編成)、21000系(9編成)の計202両。対象車両では、ドア脇にあるスイッチを押すとドアが開閉できる仕組みだ。
ただし、実際の運用には一部の駅を除き、慎重な姿勢を取っている。利用者が任意でドアを開閉する仕組みのため、「周りのお客さまのご乗降に配慮いただく必要がある」ほか、車両ドアを開けた後にホームドアの設定を変更する必要があるなど、運用上の負担も小さくない。また、すべての相鉄車両に同様の機能が搭載されていないことから、「乗務員の誤扱い防止とお客様の混乱防止の観点から積極的な使用を控えているのが実情です」と説明する。
相鉄では現在、次期新型車両「13000系」の導入に向けた検討を進めており、ここでも「快適性向上」と「省エネ」がキーワードとなっている。快適性向上の具体的な取り組みとしては以下のようなものが挙げられる。
・ユニバーサルデザインシートの採用
「立ち座りを身体的なご負担と感じる方でも立ち座りがしやすいよう、浅く腰掛けできるものとして開発したシート。先頭車以外の優先席・一般席に導入」
・座席端部の仕切り板の大型化
「座席端部に荷棚まで届く強化ガラス製の仕切り板を採用することで、ドア付近にお立ちのお客さまと着席しているお客さまとの干渉を緩和する」
・時間帯で変化する調色調光式のLED照明の採用
「昼は昼白色に、夜は電球色に色温度を変化させることで車内の上質感を演出」
加えて、省エネの観点では「既存車両との代替により走行にかかる電力消費量を抑制しCO2排出削減に寄与」にもつながるという。
相鉄は、鉄道事業における「快適性」と「環境配慮」の両立を今後も重視していく考えだ。時代のニーズを捉えた取り組みが、通勤・通学など日常の移動時間に、少しずつ確かな変化をもたらしている。
