「出禁でよろしいかと」 チェックアウト後の荷物で無理難題、予約キャンセルをちらつかせて…ネットあ然

全国的に旅行・観光需要が爆発的に伸びる中で、ホテル業界は大忙しだ。宿泊利用客の増加は好ましいが、中には、トンデモ客から“無理難題”を要求されるケースも。チェックアウト後の荷物の預かりを依頼されたのだが、詳しく聞いてみると、「取りに来るのは来週なんだけど」。当日中の預かりは受け付けているが、取り置きは不可能。しかも、その客は予約キャンセルをちらつかせてきたといい、困難な要求に困惑してしまったという。対応に苦慮したというホテルマンに詳細を聞いた。

チェックアウト後の荷物など宿泊トラブルは尽きない(写真はイメージ)【写真:写真AC】
チェックアウト後の荷物など宿泊トラブルは尽きない(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「トラブルが相次ぎましたので、本社のルールで禁止されました」

 全国的に旅行・観光需要が爆発的に伸びる中で、ホテル業界は大忙しだ。宿泊利用客の増加は好ましいが、中には、トンデモ客から“無理難題”を要求されるケースも。チェックアウト後の荷物の預かりを依頼されたのだが、詳しく聞いてみると、「取りに来るのは来週なんだけど」。当日中の預かりは受け付けているが、取り置きは不可能。しかも、その客は予約キャンセルをちらつかせてきたといい、困難な要求に困惑してしまったという。対応に苦慮したというホテルマンに詳細を聞いた。

 全国チェーンのビジネスホテルに勤務する従業員は、悪態ちゃん@ホテルマン(@nayunanashi)のXアカウントで、たまらず愚痴をつぶやいた。

「敵『チェックアウト後に荷物預かって欲しいんですけど』
私『当日中に取りに来るならオッケーすよ』
敵『取りに来るの来週なんだけど』
私『え、なら無理です』
敵『来週の日曜また泊まるからそれまで預かってほしいだけなんだけど』
私『明日泊まるとかなら預かれますけど…』
敵『じゃあ来週の予約キャンセルしちゃおっかな』
私『決まりなんで無理すよ』
敵『支配人とかに確認してくれないの?』
私『したところで同じ解答ですので…』
敵『なら良いや。来週の予約キャンセルしといてー』

 すまん、別にあなたの代わりに泊まりたい人なんて沢山いるんだわ…」

 今回は利用客をあえて「敵」と称し、今回の出来事を報告した。

 日本人の中年女性で、荷物は大きめのキャリーケース。長期の旅行者のように見えたという。実際に宿泊予約を取り止めたとのことだ。「私としては、キャンセルをチラつかせて脅し、その後責任者を出して要求を通そうとする魂胆が丸見えでしたので、恐らく“初犯”じゃないなあと思いました。このやり方で成功体験があるのでしょうね。あと倫理的には『腐ってんなあ』と思いました。普通そんなことは思い付いても言わないですよね……」と、ため息をつく。

 旅行の際に、チェックアウト後に観光や散策に行くために重い荷物をホテル側に一時的に預かってもらうケースは少なくないだろう。この従業員に業界事情を聞いてみると、「今回の投稿のリプ欄や引用で答えている業界の方もいらっしゃいますが、法律で特に定められてはいないかと思います。店舗によってやったりやらなかったりがありますね」。

 勤務先のホテルでは当日中の預かりは受け付けているが、「以前チェックアウト時に日をまたいでのお預かりを受けていたのですが、受取日になっても荷物を取りに来られなかったり、次回予約までと伺っていたのに予約をネットでキャンセルされたりとトラブルが相次ぎましたので、本社のルールで禁止されました」。こんな背景があるというのだ。

「相手側と連絡が取れたらいいのですが、海外の方などは連絡が取れないことが多いので、いつまで預かっていいか分からないんですよね。交番に安易に届けるのも違うと思いますし……。当日の預かりについてはほとんど問題ないのですが、日をまたぐと、帰国してしまっているケースでは、数か月先まで保管というハメになったりすることもあります。基本的に無料でやっているサービスですので、『リスク管理上やらない』というホテルが多いんじゃないですかね。また、ポストにはあえて載せていませんが、正直『受ける店員によっては要求が通りそう』だなとも思いました。つまり、同じ看板のビジネスホテルでも、日をまたいでの預かりをやってしまうお店があるということです。『あのお店はやってくれたけど、ここはやってくれない!』という要求をされたら弱いところがあります。なにせチェーン店ですから」と、悩める思いを教えてくれた。

インバウンド客に伝えたい「酒を飲んで暴れてはダメ。禁煙室でタバコを吸ってはダメ」

 投稿は4300件以上のいいねを集める反響を呼んでおり、「うちも居ましたわそれ」「『泊まってあげるから感謝しろ』という謎の理論はどこからなのでしょうね」「なぜか『お客様は神様です』を勘違いしているやつがまだまだいっぱいいるようですので、これでいいかと思います」「出禁でよろしいかと」「なに目線なわけ…?」「当日だけでも無料で預かってくれることに感謝感謝 普通のロッカーなら有料なの!」「ホテルのご厚意でしてくださっている預かりが、今後は有料サービスになりそう。悪い人の発想行為で善人まで不便になるの堪りません」「事前にホテルに送ってくる荷物をしれっとチェックイン日の1週間前とかに送ってくる人とかもいますよね..」など、無理な要求に対する苦言や、苦労する対応への共感などの声が寄せられている。

 近年、カスタマーハラスメント(カスハラ)は社会問題化している。そうでなくとも、人手不足が深刻で、ホテル観光業の従事者は疲弊していることも確かだ。

「こういうお客様は、普段周りの人から甘やかされて、なんでもわがままが許容されているのかな? と思います。以前の人が多かった時代よりもサービスが悪くなっているのかなと自戒することもありますが、どうしてこういう常識から外れた人が出てくるのか単純に疑問に思います。旅行者側が計画性を持つとこういったトラブルはなくなるかもしれません。例えば大きい荷物があるなら、前もって預け先を調べることもできますし、先にホテルにできるかどうか聞いて、ダメだった場合のプランを考えて用意できるのかなと思います。行き当たりばったりの旅行もかっこいいのですが、どうか宿泊業者には迷惑をかけない程度でお願いしたいです」と、複雑な胸の内を明かす。

 加速し続けるインバウンド需要への対応も課題の一つだ。この従業員はちょっと怖い思いをしたことがあるといい、「私はあまりインバウンド関係のトラブルには遭遇したことはないですが、酔った人に部屋に連れ込まれたことはありますね。逃げましたけど。女性スタッフは気を付けた方がいいのかな? と思います」。

 そのうえで、マナー向上の善後策を提案。「インバウンド旅行者は海外の方なので、単純に日本人なら当たり前に守っているマナーとかルールとかを知らないんですよね。子どもと同じです。酒を飲んで暴れてはダメ。禁煙室でタバコを吸ってはダメ。部屋で大声を出してはダメ。すべて説明したら、恐らくやらないかと思います。まぁ案内側の負担は大きいですが……。また、海外旅行だけにテンションが高いんですよね。日本人と接する時は、『まず落ち着いて話してね』って思います。日本旅行のハウツー本みたいなものがあれば、配ってほしいですよね。空港とか飛行機とかで……できないですかね?(笑)」と話している。

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