調理実習のカレーでコメ使えず 娘の話に母絶句…“売るほどある”大臣発言に怒り「危機感を持って」

コメの価格高騰が止まらない。全国の小売店の平均販売価格は過去最高を更新、昨年同時期の2倍以上の高値が続いている。主食高騰が国民生活を直撃するなか、ネット上では「中学校の調理実習でカレーライスが作れず、ナンを作った」という投稿が話題を呼んでいる。都内で中学生の娘を育てる40代主婦の投稿者に、詳しい話を聞いた。

コメの価格高騰が学校の調理実習を直撃(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コメの価格高騰が学校の調理実習を直撃(写真はイメージ)【写真:写真AC】

全国平均小売価格は過去最高を更新、昨年の同じ時期の2倍を超える高値が続いている

 コメの価格高騰が止まらない。全国の小売店の平均販売価格は過去最高を更新、昨年同時期の2倍以上の高値が続いている。主食高騰が国民生活を直撃するなか、ネット上では「中学校の調理実習でカレーライスが作れず、ナンを作った」という投稿が話題を呼んでいる。都内で中学生の娘を育てる40代主婦の投稿者に、詳しい話を聞いた。

「米不足で1番やべえなと感じたのは『調理実習でカレーを作ったけど、ライスがなくてナンを作った』と中学生の娘から聞いた時…」

 今月19日にSNS上に投稿された、中学校での調理実習を巡るエピソード。投稿者は続く投稿で、「子どもが調理実習で使う米すら確保できないってどんだけ…?」とコメ不足の深刻さをつづっている。

 投稿は9000件を超えるリポスト、12万件もの“いいね”を集めるなど話題に。「うちの子の中学の宅配給食、ご飯のおかわり制度が廃止になりました」「修学旅行がコメ持参になったらいよいよ本物。昭和20年代の修学旅行に逆戻り」「つまりお米炊く授業ですら米不足で炊き方を教えられないってこと? 流石に青ざめる」「飯盒炊爨の代わりにナン……貴重な日本の文化が」「ナンでこんなことに…」「米が売る程たくさん余っていると発言した政治家さんに、ぜひ知ってほしい庶民の米不足がどれだけ深刻か…」など、さまざまな声が寄せられている。

 投稿者は都内で中学生の娘を育てる望月志乃(@shinoegg)さん。フリーランスのイラストレーター兼ライターとして、子育てや発達障害に関連した書籍の出版にも携わっている。

 調理実習がカレーライスでなくナンとなった経緯について、投稿者は「娘本人に聞いたところ、生徒たちから『なんでナンなの?』と聞かれた先生方は『お米は今高いからねぇ~』と話していたそうです。予算的な問題が大きいのでしょうね……」と説明。投稿には「調理実習のコメは持参だった」という声も寄せられているとした上で、「食材を子どもに持たせるかどうかは学校によると思いますが、状況が状況なだけに、学校側も『コメは家から持ってきてください』とは言いにくかったのかもしれません」と事情を推察する。

 一連の反響を受け、投稿者は「政治家の皆さんにお願いしたいのは、『危機感を持って対応してほしい』ということです。謝罪会見の様子を見ていても、笑いを交えたもので、あまり緊迫感が伝わってきませんでした。世間では何が起こっているのか、正しく把握した上で真摯(しんし)に対応していただきたいです」と話している。

 農林水産省の発表によると、5月5日~11日に全国のスーパーで販売されたコメの5キロあたりの平均小売価格は4268円で、前の週より54円高くなり、過去最高値を更新。2024年の同じ時期は5キロ2108円で、1年前の2倍以上と高止まりの状況が続いている。

 今月18日には、江藤拓農林水産相が講演で「私はコメは買ったことはありません」「売るほどあります、私の家の食品庫には」などと発言し、批判が殺到。責任を取り辞任する騒動に発展した。後任には小泉進次郎氏が決まっている。

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