「はぐれメタル」だけじゃない? 勝利時の報酬が魅力的だった『ドラクエ3』モンスターたち

1988年2月にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、DQ3)。シリーズ3作目である同作に登場するモンスターのなかには、無事に戦闘を終えたときに思わずガッツポーズをしたくなる報酬があるものもいた。当時、同作を何度もクリアした筆者が、そんな倒すとうれしいモンスターたちを振り返る。

2024年にリメイク版『ドラクエ3』が発売【写真:(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX】
2024年にリメイク版『ドラクエ3』が発売【写真:(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX】

遭遇したらドキドキ・ワクワク、戦闘を終えたら大喜び

 1988年2月にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、DQ3)。シリーズ3作目である同作に登場するモンスターのなかには、無事に戦闘を終えたときに思わずガッツポーズをしたくなる報酬があるものもいた。当時、同作を何度もクリアした筆者が、そんな倒すとうれしいモンスターたちを振り返る。

 倒したときの喜びが大きいモンスターといえば「はぐれメタル」の名前が多くのファンからあがるだろう。同作ではストーリーを進めるために、敵を倒してレベルを上げる必要があった。そんなレベル上げに大活躍するのがはぐれメタルだ。

 はぐれメタルは倒したときの経験値が多く得られるものの、防御力が高く、魔法も通用しない。さらに、すばやさの値が高く戦闘になっても逃げられてしまうことが多いので、現れても倒せずにガッカリしたプレイヤーも少なくないだろう。

 ただ、運よくはぐれメタルを倒せた暁には、1度の戦闘でレベルが複数回あがることもあるほど経験値が得られるのだ。そのため筆者を含む多くのプレイヤーは、はぐれメタルが出没するエリアで歩き回り「はぐれメタル狩り」をしていた。

 経験値と同じくゲームクリアするために大事なのが武器や防具、アイテムを買うためだけでなく、死んだ仲間を蘇生するためにも必要なゴールドだ。そのゴールドを多く獲得できるモンスターが「おどるほうせき」である。

 おどるほうせきは、はぐれメタル同様、呪文が効かず倒しづらいモンスターだ。さらに、こちらの攻撃が当たりにくくなる「マヌーサ」や、混乱させる「メダパニ」などの呪文を唱えてくるやっかいな相手だった。それだけに倒したときに得られるゴールドはとても多い。無事に倒せたときには、これで高い装備をそろえられると喜んだプレイヤーは筆者だけではないだろう。

 SNS上でも「得られるゴールドが多くて心が躍った」「ゴールドを多く得られるからATMと呼んでいた」などの声があがっており、当時、貴重な収入源として扱われていたことがわかる。

 別の意味で戦闘後に大喜びしたのが「ばくだんいわ」だ。ばくだんいわは戦闘開始直後、様子を見ているだけで行動しない。こちらの攻撃や呪文でダメージも与えられるため、初めて遭遇したプレイヤーは何も考えずに攻撃するはずだ。

 しかし、こちらが攻撃を繰り返し、ばくだんいわの残りHPが一定ラインを下回ると、いきなりとんでもない行動に出る。なんと、自分の命と引き換えに相手を死亡させるか瀕死の状態にする呪文「メガンテ」を唱えてくるのだ。調子よく攻撃をしていたら、メガンテを唱えられ全滅したという経験をしたプレイヤーも多いだろう。

 この情報を知ってからは、ばくだんいわに遭遇したときには肝を冷やした。逃げ出すにしろ、メガンテを唱える前に一気に倒すにしろ、祈るような気持ちで戦闘していた記憶がある。無事に戦闘を終えたときには、ほっと胸をなでおろしていた。

 これらのモンスターはその後のシリーズにも登場している。バージョンやシリーズによってその特性に違いはあるが、戦闘を終えたときの喜びは変わらないようだ。ちなみにDQ3はファミコン版やスーパーファミコン版だけでなくNintendo Switchのダウンロード版でも遊ぶことができる。2024年11月にはリメイク版(HD-2D版)も発売された。

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