優希美青、13歳のデビュー直後に事務所からまさかの言葉「30歳前に花が咲く」 “脱清純派”で見つけた自分らしさ

俳優の優希美青が4月26日から配信スタートしたGOKKOオリジナルシリーズ『春を愛した、春との恋。』で主演を務めている。縦型ショートドラマプラットフォームアプリ「POPCORN」などで配信中の同作。1話数分という限られた時間の中で、幅の広い演技を見せている。26歳の優希にとっては久々の高校生役、さらには純愛ラブストーリーへの挑戦と新鮮な現場となった。13歳のデビューからはや13年。すでに人生の半分を役者として歩んできたが、現在の立ち位置をどのように捉えているのだろうか。

『春を愛した、春との恋。』で主演を務めた優希美青【写真:冨田味我】
『春を愛した、春との恋。』で主演を務めた優希美青【写真:冨田味我】

近年は“悪女”役が急増も…『春を愛した、春との恋。』では天真爛漫な女性役

 俳優の優希美青が4月26日から配信スタートしたGOKKOオリジナルシリーズ『春を愛した、春との恋。』で主演を務めている。縦型ショートドラマプラットフォームアプリ「POPCORN」などで配信中の同作。1話数分という限られた時間の中で、幅の広い演技を見せている。26歳の優希にとっては久々の高校生役、さらには純愛ラブストーリーへの挑戦と新鮮な現場となった。13歳のデビューからはや13年。すでに人生の半分を役者として歩んできたが、現在の立ち位置をどのように捉えているのだろうか。(取材・文=中村彰洋)

 同作は高校時代の甘酸っぱい恋愛、さらには大人になり、2人が再会してからの日々を描いたラブストーリーだ。優希は18歳の高校生時代から、26歳にして病魔と闘うという桜木春歌の一生涯を演じた。

 近年、“悪女”を演じることが増えてきたが、今回は正反対の純粋無垢な役柄。さらには甘々な恋愛に久々の高校生役と新しい優希の一面を見ることができる。

「今までラブコメや幸せな恋愛をする役を演じたことがなかったので、『私で大丈夫かな?』と不安もありました。明るく元気に天真爛漫で、プライベートの私ともかけ離れていたので、最初は少し恥ずかしかったです。でも、本読みをした時に皆さんから『ぴったりだよ』と言っていただけたので、その言葉を信じて『楽しくやろう!』と撮影に臨みました。こんな明るい役も最初で最後なんじゃないかなと思っています(笑)」

 慣れない役柄に「撮影直前は高い声を出すために何回も『んっ、んっ』って咳払いしちゃいました」と笑う。制服を着用するのも久々。撮影の合間には、そのままコンビニにも出かけたようで、「ちょっと照れくさかったです」と振り返る。

 後半では、病魔に襲われ弱っていく姿も描かれているが、「そっちのほうが私っぽいなと思いました」と笑顔。これまでにも報われない女性を演じることが多かったが「よく不幸顔って言われるんです」とこぼす。「言われてうれしくはないです(笑)。でも、そういった役のほうがやりがいがあるので、“不幸顔”で良かったのかもしれません(笑)」。

 デビュー当時から清純派な印象を抱かれがちだったが、近年は不倫する女性役など“嫌われ役”を演じることも増えてきた。

「昔の方が戸惑うことが多かったです。清純なイメージを持っていただけていたけど、『違うんだよな~』って(笑)。最近は『自分っぽいな』と思える役をやらせていただけているので、今の方が楽しいです。視聴者に嫌われるような役をやっていて『この人嫌い』といった反響をいただけるとうれしいです」

昨年にはビアテイスターの資格も取得した優希美青【写真:冨田味我】
昨年にはビアテイスターの資格も取得した優希美青【写真:冨田味我】

ビアテイスターの資格も取得、憧れはビールのCM出演

 2012年、13歳の時に「第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得してからはや13年。ちょうど人生の半分を役者として過ごしてきた。刺激的な毎日に充実を感じている。

「多分、この仕事以外は何もできないなんだろうなと年々実感しています(笑)。本当に飽き性で、同じことを毎日できないんです。この仕事は毎回違う人を演じて、違う現場にも行ける。そういった部分が自分には合っているんだと思います。そして何よりお芝居が本当に好きなんです」

 同年代の役者がブレイクしていく姿なども間近で見てきた。10代の頃は周囲と比べて焦ってしまい「辞めようかな」と考えたこともあるというが、デビュー当時に事務所の人から掛けられた言葉を思い出しながら、「もうちょっと頑張ろう」と続けてきた。

「デビュー当時にホリプロの偉い方から『君は遅咲きタイプだから、30歳前ぐらいで花が咲くと思う。それまでめげずに頑張ってほしい』と言われたんです。13歳でグランプリをいただいて『これからだ!』と思っていた時期だったので『じゃあなんで今選ばれたの?』と戸惑いもありました。

 でも、ようやく『そろそろ30歳になるからこれからだ』と考えられるようになってきました。ここ数年で演じる役柄にも変化が出てきて、こういう系統が合うと思ってくれていたのかもしれないなと思うようになりました。

 それに、最近になって昔ご一緒したスタッフの方々と再会する機会が増えてきたんです。『大人になったね~』と声を掛けていただけて、これも長く続けてきたからこそだなと喜びを実感しています」

「今は不倫をする役がやりたくて仕方ないんです」と目を輝かせながら笑う。「1度演じてからハマっちゃいました(笑)。プライベートでは絶対にできないことなので、楽しいです。そういう経験ができるのも役者の楽しいところだと思います。今はそういう役をやっていきたいです」。

 プライベートでは、2024年6月にビアテイスターの資格も取得した。「人生で初めて試験というものを受けました」と明かす。

「20歳になってから本当に毎日欠かさずビールを飲んでいたので、せっかくならと思い挑戦してみました。ビールのCMに出演することが憧れなので、何か仕事につながればいいなと思っています」

 とにかくお酒が好きで、取材前日も「一人で日本酒を飲んでいました」と明かすほど。一人で飲み歩くこともあるようで「この前は10時間近く一人で外で飲んでました。それも1つのお店で……。さすがに『自分怖いな』と思っちゃいました(笑)」と意外な一面ものぞかせた。

 徐々に等身大な姿を見せられるようになってきたことも優希の魅力を増幅させている要因だろう。13年前にもらった「30歳前に花が咲く」という言葉がようやく現実味を帯びてきた。

□優希美青(ゆうき・みお)1999年4月5日、福島県出身。2012年に「第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリ受賞。13年4月にはドラマ『雲の階段』(日本テレビ系)で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13年)など話題作にも多数出演。好きなアニメは『名探偵コナン』。小学1年生の頃に江戸川コナンにひとめぼれして以来、一途に追いかけ続けている。寂しがりで人といることを好むが、酒とコナンのためなら一人行動も辞さない。

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