俳優の吉永小百合が13日、都内で行われた主演映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』（10月31日公開）の完成報告会見に出席した。同作にまつわるトークを展開した。

　同作は、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、 世界最高峰のエベレストの女性世界初登頂に成功し、生涯で76か国の最高峰・最高地点の登頂を成功した女性登山家・田部井淳子（吉永）の実話がベース。エベレスト女性初登頂から、晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続けた生涯を描く。

　初の登山家役について「本当に過酷な撮影でした」と言い、「朝早く家を出て、栃木県で撮影して、その足で富士山まで行く、みたいなこともありました。でも、なんとかやり遂げることができてホッとしています。本物の田部井淳子さんが、てっぺんの向こうから『よくやったね、がんばったね』と私たちに言ってくださるような気がします」とほほ笑んだ。

　田部井さんとは、実際に自身のラジオ番組で2012年に共演したと説明し、「『なんてすてきな方なんだろう』と思って、本当にファンになりました。それが、こういう形で、私が田部井さんをモデルにした役をやれることになりまして、本当に幸せですし、田部井さんのようにたくさんの山には登っていないんですけど、20歳過ぎた頃から山が好きでいっぱい登ってました。その頃のことを思い出しながらやりました」と振り返った。

　また、吉永は映画出演は124本目。自身の俳優人生を富士山に例えるなら何合目かと問われて「8合目くらいでしょうか。頂上まで行けるか分からないですけど、1歩ずつ歩いていけたら」

　阪本順治監督が、吉永が役作りの一貫でピアスの穴を開けたことを明かして「記事になるでしょ？」とニヤリ。吉永は「この役は開けるしかないと思いまして。ただ大変だったのは『1か月間泳いじゃいけない』と皮膚科に先生に言われた。泳がないのは私にとって、とても辛いことだったので、それを我慢しました」と笑い、「今回の役に没頭するために開けました。すごく何か開放されたような、いい気持ちになっております」とあらためてほほ笑んだ。

　会見には、天海祐希、佐藤浩市、本会見で出演することが発表されたのん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずきも出席した。