【電波生活】『旅サラダ』藤木直人MC起用の背景に神田正輝 プロデューサーが感じた“共通点”とは
ABCテレビ制作のテレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』(土曜午前8時)が新たにMCとして俳優・藤木直人を迎えて1か月半ほどになる。藤木のまだ公表されていない起用理由、MC松下奈緒や勝俣州和とのチームワークなど現場の舞台裏が気になる。プロデューサーの山下浩司氏に取材すると藤木の意外な素顔が明らかになった。また、昨年9月の卒業まで27年半の間、番組をけん引してきた俳優・神田正輝が育んできた神田イズムという気になるワードも聞こえてきた。

土台に神田正輝の思い「旅を大事に」 人気番組の舞台裏の魅力探る企画『電波生活』
ABCテレビ制作のテレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』(土曜午前8時)が新たにMCとして俳優・藤木直人を迎えて1か月半ほどになる。藤木のまだ公表されていない起用理由、MC松下奈緒や勝俣州和とのチームワークなど現場の舞台裏が気になる。プロデューサーの山下浩司氏に取材すると藤木の意外な素顔が明らかになった。また、昨年9月の卒業まで27年半の間、番組をけん引してきた俳優・神田正輝が育んできた神田イズムという気になるワードも聞こえてきた。(取材・文=中野由喜)
まずは藤木の起用理由を聞いた。過去にトーク番組のMCの経験はある。
「生放送なので何が起きるか分からない部分があります。MCとしての能力がある一定以上ある方にお願いしたいと思っていましたが一番の理由はそこではありません」
では、どんな理由なのか。すると神田正輝の名前が……。
「私の感覚的な部分もありますが、神田さんと一緒に仕事をさせていただき、神田さんは2足以上の草鞋を履く人だと感じていました。つまり多趣味でゴルフもスキーもプロ級。旅もお好きで毎年海外に。そんな多才で好奇心旺盛な神田さんだからこそ番組にいい影響を与えていると感じていました。今回、MCをどなたかにお願いするにあたり、例えば俳優さんだったとしても芝居以外に興味がない人ではなく、いろんな方面に興味がある好奇心旺盛な人をと考えました」
ここで藤木の名前が登場し、好奇心旺盛な素顔も明らかに。
「藤木さんは俳優だけでなくバラエティー番組でも活躍し、アーティスト活動もされています。プライベートでは釣りが大好きで長年のめり込んでいるそうです。いろんなマイブームがいつもあり、今はルービックキューブにはまって毎日持ち歩いているそうです。ロケの時にはどこかに置き忘れてもいいように予備も持参しています。ほかに数独にもはまっているそうです。凝り性な私生活が私の求めていた理想に近いと感じました」
他にも番組にピッタリな素顔があった。
「マネジャーさんの話では、藤木さんはご家族との時間を大切にする人。この番組のために金曜の夜は大阪に宿泊することになります。旅サラダのオファーをした際には、『週末は家にいないけど大丈夫か』と家族に相談させてほしいと言われたこともありました。そこもファミリー感を大事にする番組に合っていると感じました。レギュラー出演者は、ゲストがスタジオに来たら、“旅サラダファミリー”という家族のリビングに遊びに来た感じでリラックスしてお話してもらう空気を作ろうと心掛けています」
大仁田美咲アナの成長著しい食リポの背景とは
藤木が加わりスタジオの華やかさが増した気もするが藤木効果はどうだろう。
「私は神田イズムという言い方をしますが、松下さんがすごく意識してやってくださっていて、勝俣さんは明るく元気なご自分のスタイルで場を和ませてくださっています。松下さんは凛とした俳優さんではありますが、実はおちゃめな部分もすごくある方。普段はざっくばらんでフレンドリーな面もあるので、藤木さんが加わったおかげで進行を少しだけ役割分担できるようになり、素顔の魅力的な部分がもっと出てくると思います」
松下が引き継いだ神田イズムの一つは“ダジャレ”だと思うが、他に引き継いだ神田イズムとは……。
「ゲストの方は生放送で緊張していたり、ナレーションを生読みするので気をはったりしています。この番組は毎週来られるゲストの方が主役と思っていますので、松下さんが本番前の顔合わせの時から『失敗しても大丈夫ですよ』と声掛けや雰囲気作りをしています。かつて神田さんがよくおっしゃっていたのは『生放送だからトラブルが起きた方が面白い。ハプニングのあるぐらいがいい』ということ。そういう雰囲気作りとトラブルやハプニングがあってもそれを楽しむことかと思います。松下さんも約2年神田さんと一緒にいて、そこが大事と感じ、今、一番意識していると思います」
神田は卒業時に「好きに自分たちの番組を作るように」と言い残していた。今、どう思って見ているのだろう。
「きっと『自由にやって』と思っているのではないでしょうか。ただ『この番組は旅番組だから旅を大事に』という言葉を常々頂いていたので、我々はその思いを大事にしています。景色をしっかり見せたり、旅情を意識しています」
ここで全国のおいしい物を探して旅するコーナー「日本縦断コレうまの旅」で活躍する大仁田美咲アナの成長著しい食リポの背景を聞いた。近年急にスキルアップした気がする。
「番組に出演し始めた頃は新入社員でしたので、食リポで何が求められるのかよく知らない素人っぽさを楽しむ面がこちら側にもありました。2年目に入った頃から、それだけでは、という話となり、食べる際の作法を含めいろんなことを現場でも教えたと思います。大仁田アナもしっかり学ぶ意識を持って臨んでいました。もう一つはVTRを見た勝俣さんが横で『これは良かった』とか『ここはもう一つ』と、すぐその場でアドバイスしてくれていること。大仁田アナはその評価をもとに創意工夫する努力をして、表現のバリエーションが生まれているのだと思います。食リポは勝俣さんが育ての親かもしれません」
日本酒を飲みながらの食リポは特にすばらしい。
「日本酒の時は特によくしゃべるんです。日本酒が本当に好きで、この魅力を伝えたいという思いがつのり急に冗舌になりますね。一方で別のお店に行って食べ物のリポートとなると、一言で終わってしまうのが最初の頃のパターンでした(笑)。日本酒の知識もあり、飲みっぷりもいいので、お店の方も大仁田アナに日本酒をどんどん勧めるんです。ある地方で地元の方からお酒の土産をもらい、一緒にロケへ行った勝俣さんが『俺には?』と聞いたら『ないよ』と言われていました(笑)」
松下、勝俣らに藤木が加わったチームに名前を付けるならどんな名前だろう。
「藤木さんが入って華やかさ、さわやかさが増した気がしますが……でも自然体というのが一番ピッタリかもしれません。名付けるなら家族」
