鈴木早智子、「Wink失踪事件」を語る 相田翔子とフジテレビを抜け出し伊香保温泉へ「人って怖いなって」
歌手でタレントの鈴木早智子(Wink)が4月29日、東京カルチャーカルチャーで行われた音楽イベント『昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2025 Spring』にスペシャルゲストとして登場し、現役アイドルたちと一緒にWinkのデビュー曲『Sugar Baby Love』を歌った。

『昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2025 Spring』イベントレポート
歌手でタレントの鈴木早智子(Wink)が4月29日、東京カルチャーカルチャーで行われた音楽イベント『昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2025 Spring』にスペシャルゲストとして登場し、現役アイドルたちと一緒にWinkのデビュー曲『Sugar Baby Love』を歌った。
『昭和アイドルアーカイブス スペシャル』は、アイドル好きの宮前真樹(元CoCo)が司会進行役を務め、昭和から平成にかけて活躍したアイドルをゲストに招き、懐かしいトークとライブを楽しめるイベントとして都内を中心に展開している。
この日は、「Wink特集」と題し、全曲Winkの曲で構成され、現役アイドルたちが歴代のシングルナンバーを次々とカバーした。トークコーナーではレジェンドゲストとして鈴木が登場し、Wink時代の懐かしい話やリアルタイムを知らない令和アイドルたちの素朴な質問に丁寧に答えていった。
鈴木が久しぶりにステージに上がるとあってチケットは完売となり、客席には当時の関係者や元アイドル、そして現役アイドルたちも駆けつけた。
Wink時代の鈴木の衣装が飾られたステージでライブコーナーが始まり、AKB48の岩立沙穂を始め、wqwq、Quest Ship、文坂なの、夏井るな、花村ほのか(青山Rabness)、乃綾、神崎るうといった令和のアイドルたちが当時の振り付けを再現しながらWinkのヒットナンバーを披露した。
トークコーナーが始まり鈴木が登壇すると客席から大きな拍手が送られた。鈴木は「Wink関連のイベントに私が参加するのは初めてです」と話し、最初のトークコーナーでは、Winkがヒットするきっかけになった3枚目のシングル『愛が止まらない ~Turn it into love~』の思い出話からスタートした。
「3枚目のシングル曲を決めるデモテープを聴いた時、(相田)翔子と私は一発で気に入り『これがいい!』ってスタッフに言いました。当時は2枚目のシングル『アマリリス』のキャンペーン中で全国どこを回ってもお客さんが全然いませんでした。そんなキャンペーン中に『愛が止まらない』がドラマの主題歌になり、テレビやラジオで流れ始めると、突然キャンペーン会場のお客さんがドッと増えたことを覚えています。自分たちは何が起こったのか分からなくて『たった1日でこんなに状況が変わってしまうのか』って衝撃を受けました」
次に鈴木は4枚目のシングル『涙をみせないで ~Boys Don’t Cry~』で起きたハプニングについて回想し「PV(プロモーションビデオ)の撮影中に横にあった照明器具が倒れ、私の頭に当たり、そのまま倒れて救急車で運ばれました。でも忙しくてその日しか撮影日がなかったんです。私も大したケガではなかったので、病院からすぐに現場に戻り、撮影を再開しました。この曲からずっとWinkの衣装デザインを担当していただくデザイナーさんとの初対面は、私がぐったりしているワゴン車の中でした(笑)」と当時の厳しい現場の様子を語った。
現役アイドルからはWinkの振り付けについて質問が飛び、「難しくて覚えるのが大変だったんですけど、どれくらいの時間をかけて覚えたんですか?」と聞かれると「1日かな。2日目には歌っていました」と答えた。宮前は「あの頃って3時間とか4時間で覚えてすぐに収録でしたね」と当時を振り返り、鈴木も宮前と目を合わせて「もうあの頃の集中力には戻れないよねー?」と話し、場内から笑いが起きた。

Wink失踪事件のスタジオにいた宮前真樹
また後半のトークコーナーでは、宮前が出演していたバラエティー番組『パラダイスGoGo!!』(フジテレビ系)で起きた「Wink失踪事件」を現場にいた2人が振り返った。週に一度のレギュラーゲストとして同番組に出演していたWinkの2人が、ある日、突然楽屋を抜け出し、伊香保温泉まで逃亡してしまうという今でこそ笑い話だが、当時は大騒ぎとなった。
宮前は「子どもの頃から見てきたWinkが目の前にいて、恐れ多くてあの頃は話しかけることができなかったんですが、話しかける前に番組を辞めちゃいましたもんね」と事件について触れた。続けて「『パラダイスGoGo!!』の収録の時に『Winkがいない』となり、フジテレビ全館で『Winkさん、Winkさん本番が始まります』って館内放送が流れたんです。それで普通は戻ってくるじゃないですか。でも2人は戻ってこなかったんです(笑)」と当時の状況を観客に説明した。
それに対して鈴木は「あの時は2人とも疲れすぎておかしくなっていたんです。たまたま警備の人がいなくて、なぜか2人の波長が合って『今だ!』と言って楽屋を抜け出して裏口からテレビ局を出て、近くの商店街をダッシュしました。そこでタクシーを拾ったんですが、お金がないことに気付き、いったん2人とも家に戻って準備してから伊香保温泉に向かいました」と説明した。
宮前が「どこかで『戻ろう』というタイミングは、ありましたよね?」と聞くと「そうなんですよ。だから『人って怖いな』って」と他人事のような回答に観客も爆笑した。
今度は宮前が当時のスタジオの様子を語った。「あの後、フジテレビは大騒ぎになって、私たちは『とにかくWinkさんなしで収録しよう』となったんです。その一件があってWinkさんは番組からいなくなりました」と明かすと、鈴木も「そうなりますよねー」と冷静に答え、さらに大きな笑いが起きた。
続けて鈴木は、「伊香保に行きました。でも突然だったから宿がなかったんです。それでたまたま出会った近くのスナックみどりのママさんが紹介してくれた宿に泊まりました。『このあとどうしよう?』って2人で話をしながら、少しずつ冷静になっていき、そこにあった黒電話から事務所に電話したんです。そしたらみなさん怖いくらい優しくて(笑)。すごく気を遣ってくれていたんでしょうね。翌日は『ザ・ベストテン』の生放送もあったので、どんどん現実に引き戻され翔子と『帰ろうか』となり、でもせっかく伊香保に来たんだから何か思い出がほしいなと思い、ガラス工房に立ち寄ってガラスの石を買い、そのあと、宇治抹茶のかき氷を買ってタクシーに乗り、現実に戻りました」と観客に真相すべてを話した。
宮前は「当時『淋しい熱帯魚』が大ヒットして本当に忙しかった頃なので、そんな失踪事件もWinkさんらしいというか、憎めないですよね」とフォローしたが、鈴木は「たぶん憎んでいる人いっぱいいると思う」と話し、会場は爆笑の渦に包まれた。
今度は鈴木が、令和のアイドルに聞いてみたいことを話し、「TikTokのやり方を知りたい」と答えた。するとアイドルがその場で振り付けの仕方を説明するが「その前にアプリのダウンロードの仕方を教えて!」と暴走し、宮前が「それは楽屋でやりましょうね」と当時と変わらないマイペースぶりに宮前も笑いが止まらなかった。
トークコーナーを終えて鈴木は「Wink世代じゃないみなさんが、一生懸命Winkを覚えて歌っていただいたことが何より一番うれしかったです。今日はありがとうございました」と感謝を伝え、最後はアイドルがステージ中央の鈴木を囲み、デビュー曲『Sugar Baby Love』を歌った。歌の途中にあるセリフの場面では鈴木にスポットライトが当たり、観客からも大きな拍手が送られた。
『昭和アイドルアーカイブス』は10日、東武百貨店池袋店8F屋上「スカイデッキ広場」にて西村知美をゲストに迎え、ラジオ番組『昭和アイドルアーカイブス in コマラジ』の公開収録を行う。詳細は公式HP、公式Xに掲載されている。
また宮前は今年、大手芸能プロとタッグを組み、アイドルグループのプロデューサーとして新たなスタートを切った。アイドルオーディションは、現在一次選考が行われており、年内のデビューを目指し、全国規模でのオーディションが展開される。また最終発表は地上波の生放送を予定している。
『昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2025 Spring』
2025年4月29日東京カルチャーカルチャー
Wink特集 セットリスト
『愛が止まらない ~Turn it into love~』(3rdシングル)
『涙をみせないで ~Boys Don’t Cry~』(4thシングル)
『Sexy Music』(7thシングル)
『淋しい熱帯魚』(5thシングル)
鈴木早智子トークコーナー①
『咲き誇れ愛しさよ』(19thシングル)
『結婚しようね』(18thシングル)
『ニュー・ムーンに逢いましょう』(9thシングル)
『真夏のトレモロ』(11thシングル)
鈴木早智子トークコーナー②
『One Night In Heaven ~真夜中のエンジェル~』(6thシングル)
『トゥインクル トゥインクル』(21stシングル)
『私たちらしいルール』(23rdシングル)
『Angel Love Story ~秋色の天使~』(25thシングル)
『いつまでも好きでいたくて』(20thシングル)
『アマリリス』(2ndシングル)
鈴木早智子トークコーナー③
『Sugar Baby Love』(1stシングル)
※神崎るうの「崎」の正式表記ははしごだか
