“令和のあざと女王”森香澄の現在地 27歳でのテレ東退社「焦りもあった」

テレビ東京のアナウンサーを経て、フリーアナ・俳優・タレントと幅広く活動する森香澄。現在放送中のMBS系連続ドラマ『年下童貞(チェリーボーイ)くんに翻弄されています』(木曜深夜0時59分)では、柏木悠(超特急)とダブル主演を務めている。本気の恋ができない女性と年下男性とのラブコメディー。森は自身と同じ29歳であざとさ全開のヒロインを演じ、初のラブコメドラマに。“令和のあざと女王”の異名を持つだけにハマリ役となりそうで、表現者としての思いなどを聞いた。

「年下童貞くんに翻弄されてます」で29歳のヒロインを演じる森香澄【写真:増田美咲】
「年下童貞くんに翻弄されてます」で29歳のヒロインを演じる森香澄【写真:増田美咲】

ドラマ『年下童貞くんに翻弄されています』であざとさ全開のヒロイン役

 テレビ東京のアナウンサーを経て、フリーアナ・俳優・タレントと幅広く活動する森香澄。現在放送中のMBS系連続ドラマ『年下童貞(チェリーボーイ)くんに翻弄されています』(木曜深夜0時59分)では、柏木悠(超特急)とダブル主演を務めている。本気の恋ができない女性と年下男性とのラブコメディー。森は自身と同じ29歳であざとさ全開のヒロインを演じ、初のラブコメドラマに。“令和のあざと女王”の異名を持つだけにハマリ役となりそうで、表現者としての思いなどを聞いた。(取材・文=大宮高史)

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 作品は、昨年11月からLINEマンガで配信中の同名ウェブ漫画を実写化。森は、過去のトラウマから本気の恋ができない今井花恋役で、柏木は恋愛経験ゼロの理系年下男性、堂前帝都に扮(ふん)する。

 化粧品会社で働き、性に奔放で男を翻弄してきた花恋。ある日、飲み会でパッとしないメガネ男子の堂前と出会う。興味本位で帝都を翻弄しようとするうちに真っすぐな彼に心を動かされ、逆に翻弄されていく……というラブコメディーだ。劇中ドキッとするセリフもあり、ラブコメドラマ初挑戦となる森が新たな扉を開く。

――まず、作品や演じる花恋への印象をお聞きします。

「タイトルを聞いた時、率直にびっくりしました(笑)。でも読み進めていくと、花恋は会社ではしっかりプロジェクトリーダーをやっていますし、等身大の29歳らしいところや、ほっこりする展開もあるんです。恋愛面で性に奔放というのも過去のトラウマから自分を守るための振る舞いです。そのあたりの彼女の葛藤もしっかり描かれていますし、表向きの言動で誤解されやすいところは、ちょっと共感しました(笑)」

――花恋は29歳で小悪魔的な“あざとテク”を連発します。同じ年齢である森さんのパブリックイメージに近い役柄ではないかと思います。

「バラエティーで見せている私と似ていますが、その分、花恋との差別化が難しかったですね。花恋のあざとさはラブコメらしく盛りに盛っています(笑)」

――29歳という年齢については、どんな思いがありますか。

「友達の同年代の女の子たちはほとんどが結婚していて、子どもがいる子も多いです。環境が変わる年ごろであるとともに、恋愛へのハードルが上がってしまう時期かもと思います。恋愛の向こうに結婚やその後の人生が見えてしまうから、かえっていろいろ考えて、その先へ踏み出しづらくなるのかもしれません」

――確かに、現実的にこれからの人生を考えたくなるタイミングです。

「私ももっと若かったら、後先考えずに異性にぐいくい行けたかもしれません(笑)。恋愛も結婚も、勢いだけでは決断できなくなってくる年齢だなと、(29歳になって)実感します。花恋の場合はトラウマから本気の恋愛ができなくなってしまったところに、帝都に翻弄されるところが見ていて面白いと思います」

やってみたい役柄についても明かした【写真:増田美咲】
やってみたい役柄についても明かした【写真:増田美咲】

27歳で選んだマルチタレントの道

――一方で、ご自身は27歳の時に大きな決断をします。2023年3月にテレビ東京を退社しました。

「新しくやりたいことがたくさんありました。ただ『27歳では遅いかも』という焦りもあって……。年齢にとらわれすぎない方が人生の選択肢は広がると思います。お芝居の世界では、私より年下でも経験のある方ばかりなので、10代から芸能界にいる皆さんから何でも教えてもらって吸収しています」

――では、やってみたい役柄は。

「今後は想像もつかないような役が来るかもしれないですし、いただいた役とのご縁を大切に、全力で向き合ったら『こんな森香澄もすごいな』と世間がびっくりするぐらいの道が開けたらいいですね」

――今後の俳優業が楽しみですね。そんな森さんは幼少期にピアノを始め、高校ではミュージカル部の活動に打ち込んでいたそうですね。表現に対する思いが強いのでは。

「表現することが好きなのはずっと変わりません。まず音楽や歌の活動が好きになりました。それから、胸が踊ったことや実際に経験した出来事を伝えたいと思うようになり、アナウンサーを目指しました。実際になれて言葉でしっかり伝えてきたことは、学生時代の体験と合わさって、バラエティーやドラマをやる上での基礎になったかなと思います」

――表現をするという観点でバラエティーやドラマ以外、ほかにも具体的なビジョンはありますか。

「私にセンスがあるかは分かりませんが、クリエイティブな活動には憧れます。音楽も好きですし、歌に演劇にダンスにと総合芸術であるミュージカルもいつかご縁があればいいなと思います。とにかく縛られないで、頭も身体も使って、何かしらの表現は続けていきたいと思います」

――裏方目線でエンタメを作ってみたいと思いますか。

「20代はいただいたお仕事を全力でやるのが目標でしたが、30代はちょっと俯瞰(ふかん)して自分から発信できる人になれれば。制作側の視点に立って、力になりたいです」

――最後に伺います。多忙な日々を過ごしていると思いますが、その原動力はやはり表現者でいることでしょうか。

「いろいろな切り取られ方で評されたりしますが、私は根っからのポジティブ人間なので、自分の出せるものをすべて出して、それで世の中が明るくなれば最高です。30歳を過ぎてからの挑戦も全然悪いことではないし、やりたいことに集中してやっていきたいです。こんな私の生きざまでも元気になる方がいたらいいなという思いでいます」

□森香澄(もり・かすみ) 1995年6月16日、東京都生まれ。2019年にテレビ東京に入社。アナウンサーとして数々の番組に出演し、23年3月末に退社。現在はフリーアナウンサー、タレント、モデルとして活動中。24年10月にテレビ朝日の冠バラエティー番組『森香澄の全部嘘テレビ』がスタートした。俳優としては24年の『オトナの授業』(TOKYO MX)で連続ドラマ初主演。その後も『僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?』『栞ちゃん 心の声を聞かせてよ』(ともにテレビ朝日)などのドラマに出演し、25年は映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます』(5月2日公開)に出演予定。SNS総フォロワー数は150万人を超える。

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