お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦の弟でストリートダンサーの中田フィッシュ氏が1日、都内で記者会見を行い、今夏の参議院選に比例区から自民党公認で出馬することを表明した。表現活動やストリートカルチャーの地位向上など、若い世代へ向けた政策を掲げる中田氏。今回、自民党から出馬を決めたことについて「現実的な落としどころ」と理由を語った。

　中田氏は1985年生まれの39歳。中学時代からストリートダンサーとして活動し、全国大会や世界大会でも優勝を重ねた実績を持つ。2014年には兄・中田敦彦と相方・藤森慎吾らによるダンス＆ボーカルグループ「RADIO FISH」を結成、代表曲『PERFECT HUMAN』がブレークし16年にはNHK紅白歌合戦に出場した。20年からはプロダンスリーグ・D.LEAGUEの「CybeyAgent Legit」監督に就任、チームを2年連続のレギュラーシーズン優勝に導いている。

　出馬の理由について、中田氏は「プロダンサーとして活動してきて、さまざまな境遇や価値観を持つ人たちと関わってきました。社会に居づらさを抱えた人がストリートで自信と誇りを取り戻す姿を何度も見てきた。このストリートカルチャーが持つ可能性に光をあて、社会全体をつなぎ直すために今回の出馬を決めました」と説明。政策面では「表現活動、ストリートカルチャーの地位向上」「コミュニティー、共同体の再評価・再生」「若者世代の居場所づくり、出番支援」「コミュニティー運営の専門人材育成・DX化」の4本柱を掲げる。

　今回、自民党からの出馬を決めた経緯については「ストリートカルチャーでも、いろんな人がいて、いろんな正義がある。お互いに違った考えを持つ中で、どこかに落としどころを作らないといけない。他党について言うことはありませんが、自民党は理想論だけでなく、現実的な落としどころを作れる政党だと思っています」と自身の考えを語った。公認を得るにあたって、この日の記者会見に同席した小林史明衆議院議員ら、多数の自民党議員に自らオファーを送ったという。

　自民党は政治と金の問題により逆風に直面、昨秋の衆院選では与党が過半数を割る波乱の政局となっている。自民党が置かれている状況について、中田氏は「非常に厳しいですよね」と客観的に捉えつつ「でも、それは自民からの出馬にはあまり影響しない。厳しくともやりたいところでやるだけですから」と話した。