日産フェアレディZに日米で「想定超えるオーダー」殺到 SUV時代にあえてスポーツカーがウケるワケ

日米のクルマファンの間で話題持ちきりの“日産のスポーツカー”は、やはり極上だった。フェアレディZ 2025年モデル。このほど日産自動車の新ブランドアンバサダーに就任した俳優の鈴木亮平が出演する新CMでも注目を集める、「ワンガンブルー」の1台だ。MT仕様の“走り”を体験してみた。

フェアレディZ 2025年モデルにほれぼれ【写真:ENCOUNT編集部】
フェアレディZ 2025年モデルにほれぼれ【写真:ENCOUNT編集部】

鈴木亮平が出演する新CMで注目 カタログ表紙も異例

 日米のクルマファンの間で話題持ちきりの“日産のスポーツカー”は、やはり極上だった。フェアレディZ 2025年モデル。このほど日産自動車の新ブランドアンバサダーに就任した俳優の鈴木亮平が出演する新CMでも注目を集める、「ワンガンブルー」の1台だ。MT仕様の“走り”を体験してみた。

 最新鋭のフェアレディZ 2025年モデルは昨年11月に販売開始。もともと米国内ではフェアレディZの人気が高く、日米のファンの間で話題騒然となり、「想定を超えるオーダーをいただきました」(日産自動車関係者)。注文が殺到して一時期は受付を止めていたが、生産体制を強化した現在は、受注を再開。購入者の手元に納車が進んでいるという。

 今回、試乗させてもらったのは、フェアレディZ Version ST(MT)のワンガンブルー。最上位モデルの一角で、車両本体価格は675万9500円(税込み)だ。

 全11色のカラーリングはどれも印象的だが、とりわけワンガンブルーは鮮烈そのもの。「湾岸」が名前の由来で、“大黒ふ頭を疾走している”イメージが浮かぶ。米国名は「ベイサイドブルー」で、走り好きな世界のファンの心をくすぐるネーミングだ。

 いざ乗ってみる。ハンドルを握るのは、知識とテクニック抜群の同社担当者だ。

 オーラを放つルックス。深くどっしりとした座席。内装はメーカーオプションのブルーをあしらい、統一感もクールだ。

「まず、デザインですよね。それに、マニュアル、FR(後輪駆動)、クーペボディー。そして、405馬力のハイパフォーマンス。今このタイプのスポーツカーは減っていますが、それを乗りこなせているのがかっこいい。そう思います」。巧みにシフトレバーを操作しながら語る、担当者自身もほれぼれだ。

 SUVが主流になっている中で、スポーツカーの本流として、存在感を示す。妥協しないものづくりのクオリティーもアピールポイントだ。自分の個性やライフスタイルを“見てもらいたい”、かっこいい自分を“見せたい”。そんなユーザーにぴったりだという。

走る楽しさにあふれている【写真:ENCOUNT編集部】
走る楽しさにあふれている【写真:ENCOUNT編集部】

ロングノーズ・ショートデッキの全身のシルエット

 こだわりの面では、やはりデザイン。歴代モデルへのリスペクトにあふれている。ロングノーズ・ショートデッキの全身のシルエットは、初代S30型をオマージュ。テールランプは4代目Z32型をほうふつ。さらに、3連メーターを搭載しており、随所に“Zらしさ”の継承がにじむ。

 豪華なハードカバーのカタログ。表紙はちょっと印象的で、湾岸の景色をバックに、フェアレディZを後ろから写している。「お尻を表紙にしているクルマのカタログは珍しいと思います(笑)。でも、フェアレディZのお尻が好きなファンは多いんですよ。実は、自動車は『後ろから見る』という機会はかなり多いです。ドライバーだったら、常に前の車を後ろから見て運転しますよね。助手席に乗っても、タクシーに乗っても、車を運転していなくても同じように前を見ますよね」。それだけに、“後ろから見たかっこよさ”も自慢の1つだ。

 エンジン音をとどろかせる加速感、スムーズなカーブ走行。道路のでこぼこがあっても、ガツガツしない乗り心地を体感できた。ドライバーは走る楽しさを実感できて、助手席に乗っていても快適だ。“誰かを乗せて”のドライブにももってこいだ。

 一番下のグレードの価格は約550万円から。決して安い買い物ではない。久々のマニュアル運転となれば、感覚を取り戻す練習も必要になる。だが、「もう数少なくなっている希少なスポーツカーに乗る」という体験はプライスレスとも言える。スポーツカーにずっと興味は持っていたけど、なかなかチャンスがなかった。30代、40代と年を重ね、少し資金に余裕が出てきた。せっかくの愛車を思い切ってしまおうかな――。そんな“悩めるユーザー”にとって、新型フェアレディZは、選択肢の1つになるだろう。

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