遠野なぎこ、摂食障害は「地獄への入り口」 15歳から30年にわたり闘病、涙で訴え「人生狂わせますよ」

俳優の遠野なぎこが28日、都内で行われた映画『渇愛』(5月16日より全国順次公開)の完成披露上映会舞台あいさつに応援ゲストとして登場し、摂食障害の壮絶な経験について語った。

舞台あいさつに出席した遠野なぎこ【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに出席した遠野なぎこ【写真:ENCOUNT編集部】

発症のきっかけは母「食べて吐けば太らないのよ」

 俳優の遠野なぎこが28日、都内で行われた映画『渇愛』(5月16日より全国順次公開)の完成披露上映会舞台あいさつに応援ゲストとして登場し、摂食障害の壮絶な経験について語った。

 同映画は、摂食障害を患った女性とその家族関係をテーマにした衝撃作。元小学校教師の岩松あきら監督が、教え子から聞いた実話をもとに、12年もの歳月を費やし完成させた。タリン・ブラックナイト映画祭コンペティション部門で上映されるなど、国際的にも高い評価を得ている。

 30年もの間、摂食障害と闘っている遠野は、「私の個人的なお話ですが、15歳から30年の間、摂食障害と闘っています。摂食障害の現実を当事者であったり、ご家族にもっともっと知っていただきたいです。こういう映画を製作していただいて、本当に、本当にありがとうございます」とあいさつした。

 摂食障害について、「まずダイエットというものとは大きな違いがあります。いつの間にか沼にはまってしまうもので、一度はまったら抜け出せないですね。抜け出せる子もいますけど、私もずっと治療を受けて、まだ苦しんでて、もしかしたら最後の時を迎えるまで摂食障害かもしれないけど」と説明。

 自身のつらい経験を涙ながらに振り返り、「こういう作品ってないんですよ。見て見ぬふりをするんです。皆さん。で、勝手にアイドルの若い子に痩せろとか。人生狂わせますよ。だからこの映画の意味は本当に大きいと思います」と見どころについて述べた。

「地獄への入り口よ、摂食障害は。何もできなくなるんだもん。いろんなところにガタが来るし、絶対こんなこと味わっちゃいけない」と赤裸々に告白。

 最後は「もっとしゃべりたい。言い足りない」と笑顔を浮かべ、「芸能界とか女優さん、モデルさん、タレントさん、そういう人たちに憧れないで、と伝えたいです。すごく苦しんでいるんですよ。そんな人たちには絶対憧れないでほしいと若い子たちには伝えたいです」と訴えた。

 1999年のNHK連続テレビ小説『すずらん』でヒロインを務めた遠野は15歳の時、母から「食べて吐けば太らないのよ」と教えられたことをきっかけに摂食障害を発症。

 拒食や過食嘔吐を繰り返し、45歳になった現在でも闘病を続けている。今年3月30日のブログでは、“数年ぶりの白米”と題し、久しぶりに食べた炭水化物にうれし泣きしたことを明かしている。

 イベントには岩松監督、主演の石川野乃花、共演の大島葉子、獅子見琵琶も登壇した。

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