『べらぼう』今後も“地獄展開”は「あります」 2人退場の意味…チーフ演出が解説「すべてあり続ける」
俳優・横浜流星が蔦重こと主人公・蔦屋重三郎を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)のチーフ演出を務める大原拓氏が取材に応じ、ドラマの今後の展開と見どころを語った。

大原拓氏「第16回までが蔦重の少年期・青年期」
俳優・横浜流星が蔦重こと主人公・蔦屋重三郎を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)のチーフ演出を務める大原拓氏が取材に応じ、ドラマの今後の展開と見どころを語った。
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森下佳子氏が脚本を手掛ける本作は、18世紀半ばに江戸のメディア王と呼ばれた蔦重を軸に描く痛快エンターテインメント。ここまでに16回分の放送を終え、蔦重が吉原を盛り上げるために本作りに奔走する様子などが描かれてきた。
6日放送の第14回で蔦重の幼なじみで、密かに思いを寄せていた花魁・瀬川(小芝風花)が吉原を旅立ち、さらに20日放送の第16回では、蔦重を長らく手助けしてきた平賀源内(安田顕)が獄死してしまった。
物語の中でも重要だった2人の退場。大原氏は、蔦重にとっても大きな転換点だったといい、「2人が退出したことによって、蔦重が個となるのか、そうじゃないのか。蔦重は、2人がいなくなったと思っていないと思います。ずっと心の中に生き続けています。瀬川が言った本作りを具体的に進めていくということは、本になって残ります。(源内からもらった店名)『耕書堂』もそのまま残り続けます。だから、2人との関わりはすべてあり続けるので、個ではなく、共に進んでいく構造がより強くなっていくんじゃないかと思っております」と、今後の蔦重にも影響をもたらす意味があったと解説する。
演出を手掛ける大原氏にとっても、第16回はドラマ上のターニングポイントになっているとして、「僕らは勝手に蔦重の少年期・青年期が第16回くらいまでで、それ以降が壮年期と思っております」と説明。その上で、「蔦重は今後もいろんな人と出会い、関わることによって、彼が本当にやっていかなくちゃいけないものを伝えていくという構造になっていくのかなと。その行動のすべてのベースには、源内から言われたように『書を耕して世に伝えていく』という思いがあります」と明かす。
そんな蔦重は今後、商業の中心地・日本橋に店を構えることになり、いよいよ“江戸の出版王”へと成り上がっていく。大原氏は「本というある種の娯楽がなんなのかを考えていく時代になっていくのかなと思います。今後、娯楽も取り上げられたりもしますので、蔦重がどう変化していくのか、変化していかないのかが一つの見どころになっていくと思っております」と見どころをアピールする。
もっとも、蔦重の今後は順風満帆ではないようだ。森下氏の描く脚本が主人公や視聴者にとってショッキングな展開もあることから、SNS上でしばしば「地獄」と称されていることに触れ、「森下さんの“地獄”というか、このままでは終わらない部分はありますよ」と苦笑い。「これまでも『あ~そっち行かないで』というX上の声が多々ありましたけど、今後も森下さんならではの脚本になっているのかなと。悲鳴を上げる展開はあります」と断言して、視聴者に向けて心の準備を呼びかけた。
