東方神起、東京Dで全22公演を完走 日本デビュー記念日にファンと絆を確かめ合った最終公演【ライブレポート】
東方神起が27日、全国9都市22公演の全国アリーナ&ドームツアー「東方神起 20th Anniversary LIVE TOUR~ZONE~」のファイナル公演を東京ドームにて開催した。

ツアータイトル「ZONE」に込められた2つの意味
東方神起が27日、全国9都市22公演の全国アリーナ&ドームツアー「東方神起 20th Anniversary LIVE TOUR~ZONE~」のファイナル公演を東京ドームにて開催した。(取材・文=ふくだりょうこ)
アルバム、そしてツアーのタイトルとなっている「ZONE」。このタイトルには2つの意味が込められており、ひとつは東方神起が20周年としてたどり着いた境地として、彼らしか魅せられないステージを演出しているということ。そして、Z=2として「2ONE」と解釈。ユンホとチャンミンでニコイチ、東方神起とファンでニコイチ、として作り出す特別な空間だということを現している。
また、ライブとしてもしっかりとした世界観が作りこまれている。AIが支配し、人の手で音楽やエンタメが作られなくなった近未来。「今の東方神起」と少年が時を越えて出会い、東方神起の音楽や世界を通じて未来の世界を変えるというストーリーだ。
コンセプト、世界観だけでも否応なしに期待が高まるが、この日は、ツアーファイナル公演であることに加えて日本デビュー20周年の記念日でもある。熱気が高まるのも当然のこと。真っ赤なペンライトで染まった会場は、その熱を現しているようだ。
開演。ステージ中央、ゆっくりと前に進みでてくる2人のシルエットが見えると、より大きな歓声が空気を震わせる。オープニングを飾ったのは『T.R.H.M』。ダンサーとともに、ダイナミックなパフォーマンスで魅了していく。続く『Humanoids』では冒頭の客席からの大きなコールも息ぴったり。『IT’S TRUE IT’S HERE』ではユンホが手拍子を促し、バンドメンバーたちと笑顔を交わしつつ、楽しげな様子で歌い上げていく。
パワーあふれるパフォーマンスで魅せつつ、ブリッジ映像では少年と東方神起の邂逅が描かれていく。「僕らの世界、どうだった?」 と呼びかけ、僕たちの世界をもっと観てみないかと少年を2025年の東京に誘う。そしてステージ上では音楽とエンタメがどれだけ楽しく素晴らしいものか証明するかのようにエネルギッシュなステージを展開。息つく間もなく歌い上げていき、アリーナツアーでは披露していなかった『Something』ではロープを巧みに操った複雑なダンスを。それぞれのソロダンスパートもあり、ポップながらどこか艶やかさもはらむステージで魅了した。
『シアワセ色の花』、『Forever Love -ZONE Version-』とバラードでしっとりと聴かせたところで、MCへ。改めてファンと、中継が行われているWOWOWの視聴者に向けてあいさつし、来場への感謝を伝えたあと、今日は「記念すべき特別な日なんですけども」とチャンミンが言うと、会場からは大きな拍手が。「スペシャルな日を東京ドームで出会えることが幸せ」と2人揃って笑顔を見せた。
そして、「アリーナツアーのプロモーションとしていろんな日本のテレビ番組に出ていた」と思い出を楽しそうに振り返ったが、『人生最高のレストラン』では対決に負けた結果、MCの加藤浩次から罰ゲームをもらっているという話に。「毎回、毎回、負けているんだよ」と肩を落とすユンホにチャンミンは「加藤さんが負けるのは番組としてつまらないから。そういうことにしておきましょう」と自分たちを納得させるように言い、罰ゲームへ。罰ゲームの内容は明石家さんまの「アホじゃあーりませんよ、パーでんねん」をそれぞれ披露すること。ユンホはアレンジバージョンも見せ、会場を沸かせた。さらにまさかの会場からのアンコールを受けて今度は2人揃って「パーでんねん」を。気が進まない様子を見せながらも、全力でやり切るのはさすがだ。
チャーミングな表情も覗かせたMCのあとは『LIVE YOUR LIFE』で客席に手拍子を促し、トロッコに乗り込んでよりファンの近くで歌唱。そのままトロッコの上で軽やかなステップを踏みつつ『I just can’t quit myself』などといった楽曲で会場のボルテージを上げていく。
さらにライブ後半に突入すると『ON MY RADAR』、『PARTY LIKE MADONNA』と感情表現豊かな楽曲で華やかに。東方神起を代表するダンス曲の一曲でもある『Why?[Keep Your Head Down]』ではイントロが流れ出した瞬間に客席から大歓声が。ファイヤーボールなどといったド派手な演出で見せた。そして本編を締めくくるのは『Catch Me -If you wanna-』。電飾をあしらった衣装をまとい、会場はレーザーで目まぐるしく彩られる。パワフルなパフォーマンスも相まって、自然と会場のコールも力強いものとなり、東京ドームに東方神起の歌声と共に響き渡った。
熱冷めやらぬ中、アンコールは『呪文』からスタート。センターステージで煽りつつも躍動。ムービングステージで会場後方まで行くと、全体を見まわし、表情を綻ばせた。
アリーナツアーを経て、今回の公演に向けて、より気合い入れて準備してきた、と言うチャンミンにユンホも頷く。そして、「ちなみに、まだドームで20周年ライブで来たのに、まだこの曲歌ってないなって曲ありますか」とチャンミンが問いかけると、会場ではたくさんの手が上がり「見なかったことにします」とちゃめっけのある笑顔を見せたが、それだけの楽曲が多いのは東方神起の歴史と、どれだけ愛されてきたかの証でもある。

アンコールであいさつ、ユンホ「自分の世界は皆さんに出会って色づいた」
ユンホはこのあとの楽曲についても「テンションめちゃ上がるかも」と期待を煽る。そんな言葉どおり、続いては『ウィーアー!』でさらにテンションを上げる。2人はフロートに乗り込み、客席の熱を間近に受けながら熱唱。さらに『This is my love』、東京ドーム公演で追加された楽曲で、ライブ終盤の定番曲でもある『Somebody To Love』を。ユンホがフロートの上でダイナミックなアクロバットを見せ、歓声を浴びた。銀テープも舞い、会場を煌びやかに盛り上げ、ラストは東方神起はタオルを回し、客席はペンライトを大きく回し、一体感を楽しんだ。
アンコール終了時にはダンサー、バンドメンバー、スタッフに感謝を伝えたことに加えて、演出を手がけたSAMが2人に呼ばれてステージに上がる場面も。SAMは「間近でこの2人の頑張る姿、みなさんのためにどんな辛いことを乗り越えてきた姿を見てきました。本当にこの2人を誇りに思っています」とエールを贈った。
まだまだここでは終わらない。Wアンコールでは暗闇の中、センターステージで『Begin~Again Version~』を冒頭をアカペラで披露。自然と会場にいる全員がその歌声に聞き入っているのが空気を通じて感じられる。ツアー最後の曲を歌い終えて大歓声に包まれながら、笑顔で手を振り、ステージをあとにした。
東方神起の2人が繰り返し口にしていたのは感謝の言葉。アンコール時のあいさつで、感謝を伝えるとともに、ユンホは「自分の世界は皆さんに出会って色づいた」と言い、チャンミンは「居場所を作ってくださるみなさんがいたらこそ今の自分が存在できた」と語った。ファンの愛を抱きしめながら、これからも2人は20周年のその先へと進んでいく。
