上白石萌歌、再び“ド派手金髪”で祖母から絶賛「一番似合っている」 明かした生涯目標「自分より長生きする作品を」

俳優でadieu名義で音楽活動もしている上白石萌歌が、4月25日公開の映画『パリピ孔明 THE MOVIE』(渋江修平監督)でヒロインを演じる。同名コミックが原作。2023年にテレビドラマ化され、今作は劇場版としてスケールアップ。現代の渋谷に転生した三国時代の天才軍師・諸葛孔明がアマチュアシンガー・月見英子の軍師となって音楽の力で天下泰平を目指す物語で、今度は音楽バトルフェスを舞台に描かれる。ドラマ版に続き向井理が孔明役で主演し、上白石も再び英子を演じる。多彩なアーティストやダンサーが登場し、6000人の観客を動員したライブシーンは圧巻で、上白石に今作の見どころや芸能活動の原動力などについて話を聞いた。

映画『パリピ孔明 THE MOVIE』で月見英子を演じた上白石萌歌【写真:山田隼平】
映画『パリピ孔明 THE MOVIE』で月見英子を演じた上白石萌歌【写真:山田隼平】

『パリピ孔明 THE MOVIE』で圧巻のライブシーンを振り返る

 俳優でadieu名義で音楽活動もしている上白石萌歌が、4月25日公開の映画『パリピ孔明 THE MOVIE』(渋江修平監督)でヒロインを演じる。同名コミックが原作。2023年にテレビドラマ化され、今作は劇場版としてスケールアップ。現代の渋谷に転生した三国時代の天才軍師・諸葛孔明がアマチュアシンガー・月見英子の軍師となって音楽の力で天下泰平を目指す物語で、今度は音楽バトルフェスを舞台に描かれる。ドラマ版に続き向井理が孔明役で主演し、上白石も再び英子を演じる。多彩なアーティストやダンサーが登場し、6000人の観客を動員したライブシーンは圧巻で、上白石に今作の見どころや芸能活動の原動力などについて話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

 あの音楽青春コメディーがスクリーンに帰ってくる――。ドラマ版で俳優陣が原作コミックそのままに登場人物のクセの強さを好演し、上白石も英子役で初めての金髪姿を披露した。今作でも金髪の英子は健在。自身もお気に入りのようだ。

「90歳近い私の祖母が『その髪色が一番似合っているよ』って褒めてくれて、周りの方にも評判が良いんです。私も新しい自分を見つけた感じがして、いつか撮影以外でもチャレンジしたいと思いました」

 今作は屋内のライブ会場で繰り広げられる史上最大の音楽バトルフェスが物語の舞台となる。撮影は東京ガーデンシアターを使用し、観客を入れた実際のフェスを一発撮りで撮影した。

「映画の大半がライブシーンを占めているので試写を見た時、そのままライブを体感している気分になり、思わず立ち上がってしまいそうになりました。ドラマの時も、映像と音楽にこだわって作られていましたが、やっぱり映画館は迫力が違うなと感じました。きっとみなさんも私と同じようにライブ会場にいる気分を味わえると思います」

 今作の役作りについて聞くと「英子の成長をどのように演じるかを大切にしました」と話し、「まだまだ孔明に甘えてばかりの英子が、この作品を通して、挫折を経験しながらも成長していく姿をぜひ注目してほしいです」と答えた。

 共演した孔明役の向井について聞くと「結構お茶目なところもあり、現場ではいつも楽しませていただきました」と打ち明ける。さらに、「ライブシーンを撮影する前日に本番の会場でリハーサルを行いました。向井さんは、客席から私たちのステージを見て『この瞬間の表情がすごく良かった』とか『音の反響はこうだったよ』とお客さん目線で詳しく教えてくださり、本当の軍師だと思いました」

 その上白石は今回も伸びやかな歌声を披露しており、4月23日には月見英子の歌手名・EIKO名義でアルバム『Count on me』をリリースする。自身もadieu(アデュー)名義でアーティスト活動を行っており、adieuとEIKOそれぞれの違いについて聞くと、「使う筋肉が全然違います」と意外な回答。「adieuとEIKOは音楽のタイプが全く違っていて、adieuは割と内省的な曲調が多いのですが、EIKOはストレートできらびやかなものが多いんです。EIKOの時は、キャラクターに負けないように明るく力強く歌うことを意識しています」

 また、今回のシンガー役においては実際の経験が好影響を与えているようで、adieuとして昨年8月に初出演した夏フェスを引き合いに心境を語った。

「ちょうど映画の撮影期間中に屋外フェスのサマーソニック(サマソニ)に初めて出演させていただきました。私はビーチステージという砂浜の特設ステージで歌ったのですが、波の音や太陽の光、外の風をいっぱいに浴びながら歌って、音楽がさらに好きになる貴重な体験をさせていただきました。その余韻に浸りながら、映画の音楽フェスの撮影に臨んだので、すごく良いパフォーマンスにつながりました」

上白石の目標は「自分より長生きする作品を作ること」【写真:山田隼平】
上白石の目標は「自分より長生きする作品を作ること」【写真:山田隼平】

幾田りら、詩羽と3人でレコ―ディング

 本作ではサプライズもあった。YOASOBIのikuraとしても活動する幾田りら、水曜日のカンパネラ(水カン)の詩羽演じるshin、そして上白石演じるEIKOの3人による初コラボで本作のエンディングテーマ『Sing along!!!』を歌った。そのことに「人生のご褒美でした」とうれしそうに振り返った。

「ドラマが始まる前に英子(EIKO)を演じる上で『誰が参考になるのかな?』と考えて、浮かんできたのが幾田りらちゃんと詩羽ちゃんの2人でした。それから撮影中はずっと2人の曲を聴きながら、イメージトレーニングをさせていただいたんです。そんなお二人と今回まさかご一緒できるなんて夢のような時間でした。りらちゃんが作詞作曲をして水カンのケンモチ(ヒデフミ)さんがアレンジを担当された曲を一緒に歌わせていただき、その瞬間、私の中で化学反応が起きました」

 そんな上白石は今年25歳を迎えた。20代前半は「あっという間でした」と明かし、「あと5年で30歳じゃないですか。周りから『20代って早いよ』ってよく聞かされていたので本当だったなって(笑)。でも、10代の頃と比べると、心身ともにすごく充実していて不安はありません。むしろ今までより肩肘張らずに、仕事もプライベートも楽しめそうだなという期待感の方が大きいです」

 では、表現者としての上白石の原動力は何かと尋ねると「カルチャーそのもの」と明かし、真っすぐなまなざしで語った。

「私は表現というものが本当に大好きなんです。映画も音楽も今まで見てきて触れてきたもの、それをカルチャーと呼ぶとしたら、その全てが私の源なんです。私の生涯の目標が『自分より長生きする作品を作ること』なんです。自分が年を取っていつかこの世からいなくなっても、映像や音楽作品はいつまでも残ってくれます。それが誰かの心に何かを与えられたらいいなって。私もいろんな作品に影響を与えてもらってきたので、生き続けている限り、そういう作品を1つでも多く作れたら」

 多忙な日々を過ごす中にも充実した様子が伝わってきた。これからも芝居に歌に、心を込めて走り続ける。

『パリピ孔明 THE MOVIE』は向井、上白石のほか森山未來、ディーン・フジオカらレギュラーキャストに加え、映画では神尾楓珠、詩羽。そして岩田剛典、&TEAMら総勢50人を超すミュージシャン&ダンサーが出演し、“フェス映画”としても楽しめそうだ。

□上白石萌歌(かみしらいし・もか)2000年2月28日生まれ。鹿児島県出身。2011年に第7回『東宝シンデレラ』オーディションで当時史上最年少の10歳でグランプリを受賞。翌12年に俳優デビュー。主な出演作はドラマは、TBS系『義母と娘のブルース』シリーズ、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(19年)、日本テレビ系『3年A組』(19年)、フジテレビ系『パリピ孔明』(23年)ほか。映画は『アキラとあきら』(22年)、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23年)など。adieu名義で音楽活動もしている。

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