【スターダム】「気持ちは固まっている」中野たむ戦でスイッチが入った安納サオリが描く10年目の自分の姿

4.27横浜アリーナで引退を賭けた戦いに臨むCOSMIC ANGELSの盟友・中野たむと、4.2後楽園ホール大会でシングルマッチを行った安納サオリ。この試合で再びプロレスへのスイッチが入ったという安納は、5.31にプロレスデビュー10周年記念興行を行う。10年前のまさにデビュー日だった5.31は大田区総合体育館で区切りの試合に臨む。

(左から)なつぽい・中野たむ・安納サオリでトリオを組むことも多い【写真:(C)スターダム】
(左から)なつぽい・中野たむ・安納サオリでトリオを組むことも多い【写真:(C)スターダム】

たむには「SNSにも試合にも負けるな」という気持ちだった

 4.27横浜アリーナで引退を賭けた戦いに臨むCOSMIC ANGELSの盟友・中野たむと、4.2後楽園ホール大会でシングルマッチを行った安納サオリ。この試合で再びプロレスへのスイッチが入ったという安納は、5.31にプロレスデビュー10周年記念興行を行う。10年前のまさにデビュー日だった5.31は大田区総合体育館で区切りの試合に臨む。(取材・文=橋場了吾)

 4.2後楽園大会で中野たむとのシングルに敗れた安納サオリは、試合後のマイクで「SNSで色々な言葉が見えるけど、中野たむは本当に強い」と語った。

「今回は勝ち負けよりも、中野たむともっと上を目指す戦いだと思っていました。もちろん勝ちは狙っていましたけど、私もたむも全力で戦ったうえで、(ワールド・オブ・スターダム王者の上谷沙弥とベルトと引退を賭けて戦う)4.27は大丈夫と思いました。(SNSがある)今は色々な言葉を自由に発信できる時代だと思うんですけど、たむが(SNSを見て)落ち込んでいる姿を見ることもあるんですよ。だけど貴女は芯を持っているんだから胸張って自信を持って大丈夫と。色々な人の感情や価値観があるのはわかりますが、それにも負けず、試合にも勝ってくれという思いでマイクしました」

 たむが引退を賭けて上谷との勝負に臨むことに対しては、安納はどう思っているのか。

「私にも推しがいるので、ファンの気持ちに立って考えてみたら、気が気じゃないと思うんですよ。凄く応援していた子が、急にいなくなってしまうかもしれない……そんなことある?って。で、私だったらどうするかって言ったら、会場に行って応援する。大声出して応援して、信じて見守る。推しが最大限に届けてくれることを受け止める。ファンの方が会場で応援してくださることって、本当に大きな力になるんですよ」

 このたむ戦がきっかけとなって、再び戦いの最前線に戻るスイッチが入ったという安納だが、ここ数か月は迷いがあったという。

「スターダム専属契約をして2年目、スターライト・キッドの持つベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)の次期挑戦者決定戦にも負けてしまったり、うまくいかないことが常々あったりで、ちょっとずつ自信がなくなっていったんですよね。どうしていけばいいのか迷いもあって、何かを発したり行動したりということができなかったんですよね。COSMIC ANGELSの仲間たちは結果を残している中、自分ができてへんのがわかっているので悔しいとも思わなくて。今は自分ができる限りのことをしようという気持ちで過ごした3か月間だったんですが、しんどかったですね……プロレス楽しくないなって思っていましたから。でもたむと戦って、また『プロレス楽しい』ってなりました」

デビュー10周年の抱負を語った安納サオリ【写真:橋場了吾】
デビュー10周年の抱負を語った安納サオリ【写真:橋場了吾】

5月31日は青春時代を過ごした「初期メン」にとって大切な日

 その安納、2015年5月31日のデビュー戦からちょうど10年という5.31に、大田区総合体育館で『なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。~うちらの足跡~』を開催する。同日デビューのなつぽいとともにカードも決め、第1弾カードとして「Beginningタッグマッチ~うちらは初期メン~ 相羽あいな&尾﨑妹加(フリー) vs 本間多恵(フリー)&まなせゆうな(ガンバレ☆プロレス) スペシャルレフェリー:角田奈穂』が発表されている。

「まず10年続けられたということは自信につながっていて、胸を張って私はプロレスラーです、と言えますね。プロレスを始めたときは、すぐやめようと思っていましたし、今でもやめたいなって時もある。でも、私のやめたいは“悔しい”からなんですよ。だからまた頑張ろうとも思えるんです。全く満足できないからこそ、10年続けられたんだと思います。(第1弾カードは)やっぱり私となつみ(なつぽいのこと)の原点、このメンバーがいなかったら今の私たちはいないというカードを第1試合に組みました。右も左もわからないときに苦悩を共にした仲間ですし、仲間だからこそ生まれた芽生えた嫉妬や悔しさ、頑張ろうと思えた気持ちや頑張れた存在……青春でしたね。この5人も全員同じ日にデビューしたので、皆にとって大切な日なんですよ。私のカードはまだ発表できないんですが、なつみと話し合ったときに二人とも同じ意見でした、とだけ言っておきます(笑)」

 OZアカデミー4.13後楽園大会でOZアカデミー認定無差別級王座を獲得した安納だが、スターダムでのベルトへの意識を聴いた。

「今は、行きたいなと思います。たむも言っていましたよね、たむが上谷に勝ったら(ワールド王座を賭けて)私とって。気持ちは固まっていますよ」

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