「トイレにナプキン置いて」議論きっかけに設置の動きも 店舗トイレに自主設置した女性店主「賛同する意見が圧倒的」

女性用トイレへの生理用ナプキン設置の是非が、ネット上で議論を呼んでいる。先月末、三重県議会の女性県議がSNS上で「トイレットペーパーみたいに、生理用ナプキンをどこでも置いてほしい」と訴えた投稿が拡散。投稿には賛否両論が寄せられており、県議のもとに大量の殺害予告メール届くなど、波紋を呼んでいる。一方で議論をきっかけに、自主的に生理用ナプキンを設置を進める動きも広がっている。SNS上で店舗トイレへの生理用ナプキン設置を報告した店主の女性に話を聞いた。

「ナプキンここに入ってます」 トイレへの設置を報告した実際の投稿【写真:山肉デリ(@yamaniku_deli)提供】
「ナプキンここに入ってます」 トイレへの設置を報告した実際の投稿【写真:山肉デリ(@yamaniku_deli)提供】

「トイレットペーパーみたいに、生理用ナプキンをどこでも置いてほしい」と訴えた投稿が議論に

 女性用トイレへの生理用ナプキン設置の是非が、ネット上で議論を呼んでいる。先月末、三重県議会の女性県議がSNS上で「トイレットペーパーみたいに、生理用ナプキンをどこでも置いてほしい」と訴えた投稿が拡散。投稿には賛否両論が寄せられており、県議のもとに大量の殺害予告メール届くなど、波紋を呼んでいる。一方で議論をきっかけに、自主的に生理用ナプキンを設置を進める動きも広がっている。SNS上で店舗トイレへの生理用ナプキン設置を報告した店主の女性に話を聞いた。

「今日いきなり生理になって困った。用があって寄った津市役所のトイレにはナプキンは残念ながら配置されてなかった。家に帰るまでちゃんと対処できなかった。27歳でもこんなこと起こります。トイレットペーパーみたいに、生理用ナプキンをどこでも置いてほしい」

 騒動の発端は、先月25日に三重県議会の吉田紋華議員がSNS上に投稿した、生理用ナプキンに関する要望だ。投稿は6000件を超えるリポスト、9000件の“いいね”を集めるなど反響を呼んでおり、「ナプキンあったら良いですね」「トイレに置いてあるのが理想」といった共感の声の一方で、「なんでこんなことにまで税金を投入しなきゃいけないの?」「厚かましい」など批判の声も。吉田議員のもとに、同一アドレスから1分おきに8000件もの殺害予告メールが届くなど、波紋も広がっている。

 議論が巻き起こる中、店舗のトイレに自主的に生理用ナプキンを設置したのが、大阪・西田辺にあるジビエ専門の食肉店「山肉デリ(@yamaniku_deli)」。今月5日、SNS上で「当店トイレに生理用ナプキンを設置しました。トランスジェンダーその他の方含め、必要な方はどうぞお使いください」と設置を報告。翌6日には、寄せられた意見を反映し、設置場所をより分かりやすく変更した旨をつづっている。

 店主の井上不二子さんは、吉田議員のニュースを受け「自分よりずっと若い世代にこんな世の中を残してしまった責任を感じていました。他の飲食店さんが店のトイレにナプキンを設置して話題になっていることを知り、自分の店でも実践することを思いつきました。生理用以外でナプキン使う人もいるかもしれないと思ったので、『トランスジェンダーその他含め、必要な方』と書いて投稿しました」と一連の経緯を語る。

 投稿の反響は大きく、多くの称賛の声の一方で、一部からは利用者にトランスジェンダーを含めたことへの疑問や反発の声も寄せられたという。

 反響について、井上さんは「ナプキン設置に反対する人の声はほとんどかき消されてしまって、賛同する意見が圧倒的でした。別にバズらせようと思ってトランスジェンダーの話題を提供したわけではありませんが、なぜトランスジェンダーにナプキンが必要なのかを考えて調べる人、当事者からの投稿、痔などの『その他』のケースの投稿もあり、結果的に、ちゃんと知りたいと思う人みんなでよい勉強ができました。とても喜んでくれる方が多くてよかったです」と話している。

「山肉デリ」のホームページ:https://yamanikudeli.stores.jp/

次のページへ (2/2) 【写真】寄せられた意見を反映し、タンク下に置かれたナプキン
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