後藤真希、30代は「体にムチ打ってきた10年」 モー娘。金髪デビュー時を回顧「中身は子どもだった」

昨年デビュー25周年を迎えた歌手でタレントの後藤真希が、精力的な活動を見せている。節目の記念ライブツアーやAKB48とのコラボ、写真集発売のほか、今年3月には企業と共同開発したオリジナルヘアケア商品のプロデューサーを務めた。そんな多才ぶりを発揮する後藤にENCOUNTがインタビュー。2回にわたって紹介し、後編はアーティストとしての25年を振り返ってもらった。

歌手として歩んできた25年を語った後藤真希【写真:増田美咲】
歌手として歩んできた25年を語った後藤真希【写真:増田美咲】

アーティストとして歩んだ25年を振り返る

 昨年デビュー25周年を迎えた歌手でタレントの後藤真希が、精力的な活動を見せている。節目の記念ライブツアーやAKB48とのコラボ、写真集発売のほか、今年3月には企業と共同開発したオリジナルヘアケア商品のプロデューサーを務めた。そんな多才ぶりを発揮する後藤にENCOUNTがインタビュー。2回にわたって紹介し、後編はアーティストとしての25年を振り返ってもらった。(取材・構成=福嶋剛)

――あらためて25周年を振り返ってみていかがですか。

「振り返ると早かったですね。デビューしていなかったら経験できなかったことばかりの25年でした。13歳でデビューして、見た目は金髪で大人っぽく見られましたけど、中身は子どもだったので、この25年、いろんな方の支えがあって成長できたなっていう思いです」

――デビューした時のことは覚えていますか。

「初めてのステージはモーニング娘。の横浜アリーナ公演でした。名前を呼ばれてステージに上がったんですけど、そこから頭の中が真っ白になって、当時の記憶が全くないんです。ちゃんとできていたとは思うんですけど『どんなだったっけ?』って今でも思い出せないんです。とにかくステージに上がる前から『私が間違えたらメンバーにも迷惑を掛けてしまう』って思いながら、ずっと緊張していました。あれから25年が経つんですね」

――後藤さんは「芯の強い人だな」って思いながらテレビで見ていました。

「たしかに若い頃から『これだ』と思ったものは、なかなか譲らないところはありましたね(笑)」

――モーニング娘。のプロデューサーである、つんく♂さんから言われて今でも覚えている言葉はありますか。

「ある日リハーサルで、『今ここにお客さんがいなくても、いると思ってやりなさい』って言われたのは覚えています。今でもそういう気持ちでリハーサルに臨んでいます」

――そして2002年にモーニング娘。を卒業してソロ1本での活動が始まりました。

「そこが大きなターニングポイントです。ソロライブをスタートさせて周りのスタッフや舞台監督さんから良い刺激をもらい、『ライブを頑張っていけば、もっと後藤真希を表現できるかもしれない』と思い、向上心につながっていきました。同時につんく♂さんのプロデュースだけに頼らないで、『自分でも考えてみよう』という気持ちが芽生えてきたのもこの頃で、セルフプロデュースを始めてみました。そこから責任感も出てきて、自分でやれることも増えていきました。最近では衣装、曲順、ステージの演出など、コンサートの全てを自分で考えて『こんなふうにやりたいんだけどどうかな?』と、スタッフに相談しながら決めています」

――では、アーティストとして大切にしてきたことは。

「やっぱり『曲の世界観をどう表現するか』ということを大切にしながら歌ってきました。レコーディングとライブでは伝え方は違いますし、その歌をどれだけライブで成長させていけるか。いつもそんなことを考えながら歌っています」

――25年経って、歌手として最初に思い描いていた姿に近付いているという実感はありますか。

「あります。でも、もしかしたら近付くというより、私という幹から新しい枝が次々と生えていくように、その都度、新しい姿を見つけて進んでいるのかもしれません」

「私という幹から新しい枝が次々と生えていった25年間でした」【写真:増田美咲】
「私という幹から新しい枝が次々と生えていった25年間でした」【写真:増田美咲】

30周年に向けて歌だけでなくいろんなことに挑戦したい

――今回プロデュースしたヘアケア商品の名前がラテン語で『枝』を指す『ramus(ラムス)』(今年3月発売)で、今のお話とつながっているように感じました。

「そうなんです。私自身、デビューしてから本当にたくさんの出会いがありました。初めは1本の幹しかなかった私が、いろんな方と出会い、水や養分をもらって、新しい枝が生えて、またそこから新しい私が生まれるという、そんな姿が私の生き方を表しているので、商品の名前にしましたが、歌手活動も同じです」

――後藤さんは表現することに、強いこだわりをお持ちなんですね。

「でも始める時は、常にプレッシャーを感じています。ヘアケア商品のプロデュースにしても、昨年出した写真集『flos』、25周年ツアー、テレビ出演、全てに対してそうです。ただ大変なんですけど、一生懸命魂を込めて表現しながら達成した時の喜びは、ほかに代わるものがないですね。私が今立たせていただいている世界はそういう積み重ねをしていく場所なんだと思っています」

――現在39歳ですが、後藤さんにとって30代はどんな10年でしたか。

「自分の体にムチを打ってきた10年だったかなって(笑)。心身ともにいろんな変化がありましたね。今年9月に40代に突入しちゃうので、これからは体を壊さないように普段からの体力作りが大事だなって思っています」

――次は30周年に向けて、ですね。

「これからも歌うこととライブを行うことは大切にしていきたいと思っています。同時に今回プロデュースをさせていただいたヘアケア商品のような、私の好きなものを作っていくことも続けていきたいです。そんなふうに積極的にいろんなことに挑戦しながら30周年を迎えられたらいいなって思っています」

□後藤真希(ごとう・まき)1985年9月23日生まれ、東京都出身。1999年モーニング娘。第2回追加オーディションに合格し、同年9月にグループ7枚目のシングル『LOVEマシーン』でデビュー。2001年3月にシングル『愛のバカやろう』でソロデビューし、オリコン初登場1位を記録。02年にモーニング娘。を卒業し、07年10月にハロー!プロジェクトを卒業した。20年YouTubeチャンネル『ゴマキのギルド』を開設。24年7月にはデビュー25周年を記念して13年ぶりのオリジナル新曲『CLAP CLAP』を発表した。

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