池松壮亮、俳優活動に影響を与えた映画監督について言及「確実に遺伝子を受け継いでいる」

俳優の池松壮亮が13日、エドワード・ヤン監督作品『カップルズ』4Kレストア版の公開を記念して開催された『■(牛へんに古)嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』トークショーに登壇した。

トークショーに登壇した池松壮亮【写真:ENCOUNT編集部】
トークショーに登壇した池松壮亮【写真:ENCOUNT編集部】

トークショーに登壇、高1での出会いを回想

 俳優の池松壮亮が13日、エドワード・ヤン監督作品『カップルズ』4Kレストア版の公開を記念して開催された『■(牛へんに古)嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』トークショーに登壇した。

 映画を中心に数々の話題作に出演している池松にとって、エドワード・ヤン監督は学生時代から特別な存在だという。同作は1991年に公開され、池松は当時1歳だったが、「高校を卒業して東京に出てきて、日芸(日本大学芸術学部)の映画学科に入った。どうやって辿り着いたか分からないのですがビデオ(VHS)で見ました。渋谷のTSUTAYAによく行っていて、たぶん借りたのだと思います」と作品との出会いを振り返った。

 当時のVHSは映像が潰れてしまい、内容を理解することが困難だったことを明かし、「何も見えなかったです。でも意地で全部見ました」と苦笑い。「なんで伝説になったのか知りたかった。4時間を2回見ました。ただただ、この映画の何かを探していた。ただ、本当に見えない。字幕を読むのもキツいくらいでした」と語った。

「俳優としてエドワード・ヤン監督の作品から受けた影響は?」という質問には、じっくり考えてから「確実に遺伝子を受け継いでいるような感覚です。1番映画を知りたい時期に、映画というものを教えてもらった」と回答。「エドワード・ヤンに出会っていなかったら、たぶん違っていたのだろうなということがいろいろあると思います」と言及した。

 作品の魅力については、「年々、見る度に視点の高さが浮かび上がる。17年に(デジタルリマスター版を)見た時よりも、あまりにも大きな視点で映画を撮っていることが分かりました。10年後、また違う気分になるかもしれない。それだけ壮大なことをしているのだと感じます」とコメント。「とにかくこれを見続けられること、劇場で体感し続けられることが素晴らしいことだと思います。『クーリンチェ』に関していうと、人生の4時間を渡すに適した、あまりに贅沢な時間だと思います。『カップルズ』もこれから公開ということで、どんな時代に見ても、きっと傑作だと思います」とメッセージを送った。

 1996年に発表した『カップルズ』の4Kレストア版は、18日からTOHOシネマズシャンテ、シネマート新宿などで公開となる。

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