次期朝ドラは「朝ドラらしくないかも」 制作統括が明かしたテイスト「明るく楽しくよりは」

俳優の高石あかりが主演を務める、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の撮影が3月25日にスタートした。このたび、同作の制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、ドラマの見どころを語った。

左から岡部たかし、池脇千鶴、高石あかり、小日向文世【写真:(C)NHK】
左から岡部たかし、池脇千鶴、高石あかり、小日向文世【写真:(C)NHK】

高石あかりが主演…2025年度後期の連続テレビ小説『ばけばけ』

 俳優の高石あかりが主演を務める、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の撮影が3月25日にスタートした。このたび、同作の制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、ドラマの見どころを語った。

 本作は、松江の没落士族の娘で小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルとして、大胆に再構成するオリジナルストーリー。外国人の夫と共に、怪談を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語をフィクションとして描く。脚本はふじきみつ彦氏が担当する。

 小泉八雲夫妻がモデルとあって、怪談が劇中でどのように描かれるのか聞かれると「2人の話なので出てくる予定です。ただ、怪談を世に広めた人の話を描きたいわけではないです」と説明。あくまでも「変化する時代の中で取り残された人たちの生きざまや、市井の人たちを取り上げられるドラマにしたい」ことが本作の出発点だったといい、「怪談を再現しようだったり、怪談と関わる人物が出てきたりということは今のところ考えていないです」と明かした。

 その上で、「(主人公たちが)成りあがって上手くいきました、というストーリーではなく、市井にいる有名になる前の、時代に翻弄(ほんろう)された人たちとして描きたいです。何者でもない時代で、何も起きなかったり、日常生活の不条理さであったり、そういったものを描きたいと考えております」と描くテーマについて語った。

 今作の撮影は現在も進行中。舞台は明治時代の松江で、ヒロインの家族は没落士族とあって、父・司之介役の岡部たかしと祖父・勘右衛門役の小日向文世は“ちょんまげ”姿でのクランクインとなった。市井の人々にフォーカスするため、「テイストとしては、リアルな明治時代の人たちの生活感を出したいので、朝ドラらしい“明るく楽しく弾ける若さで”というよりは当時の明治の空気感や光りとか汚れの感じをリアルに出したいと考えて作っています。照明や美術はこれまでの朝ドラと違う感じになっています」とスタッフも力を入れているという。

 また、ヒロインのキャラクターについても「元気で明るいというよりは、ちゃんとそこに普通に生きている人です。いろんなことに翻弄されながら生きていく人で弱いところもあるし、決して自分が張り切って進んでやっていく人でもないです。いろんなことに巻き込まれながら、ごく普通の生活をしている人です」と紹介。

「ただ、高石さんのもっている根の明るさはシーンにも表れているので、ただただ暗い朝ドラにはならないと思います。でも、朝ドラらしいかと言われれば、朝ドラらしくないかもしれません(笑)。今まで見たことない雰囲気の作品にはなっていると思います」と見どころをアピールした。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか

次のページへ (2/2) 【写真】高石あかり、雰囲気ガラリの全身ショット
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